“ミトマール”と呼ばれた衝撃のドリブル 三笘は松井大輔、乾貴士ら超える日本No.1ドリブラーになれるか
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オーストラリア戦で衝撃のドリブルゴール決めた三笘薫 photo/Getty Images

ネイマールそっくりの突破が話題呼ぶ

歴代の日本代表を振り返ると、ドリブラーと呼べる選手はそこまで多くない。特に欧州5大リーグをはじめ、世界トップレベルのDFをドリブルで翻弄できた日本人はかなり限られてくる。1対1で突破できる『個の力』は長く日本サッカー界が欲していたもので、ここは常に課題となってきた。

その中で面白い存在となり得るのがFW三笘薫だ。三笘はイングランドのブライトンと契約を結んでいるものの、今季はベルギーのロイヤル・ユニオン・サン・ジロワーズにレンタル移籍しているため、まだ5大リーグでプレイした経験はない。ワールドカップも未経験だ。

世界トップレベルのDFに三笘のドリブルが通用するかは未知数なところも多いが、そのドリブルにはかなり期待が持てる。

三笘は爆発的なスピードで相手DFをぶっちぎるタイプの選手ではないが、相手のタイミングを外すのが非常に上手い。中でも日本のファンを熱狂させたのは、3月24日に行われたアジア最終予選・オーストラリア代表戦で見せた左サイドからのドリブルゴールだ。

左サイドでボールを持った三笘は一度ピタリとプレイを止め、相手DFが寄せてきたタイミングで一気に縦へ持ち出して突破。この緩急に相手DFはまったく対応できず、最終的に三笘は3人を振り切ってペナルティエリアに侵入してシュートを決めた。

あのドリブルの姿勢はブラジル代表FWネイマールと非常に酷似しており、SNS上でも「ミトマール」なんてワードが飛び交った。完全に静止した状態からボールをさらし、相手が飛び込もうとした瞬間に縦へ持ち出すドリブルはネイマールもよくやっている得意技の1つだ。ネイマールも爆発的スピードで突破するというよりは相手DFのタイミングを外す術に長けており、その点は三笘と似ている。

また三笘はドリブル時の姿勢が良く、トップスピードに乗った中でも周囲の状況がよく見えている。2人目、3人目とかわしていけるのは、ドリブル中にきっちりルックアップできている証拠とも言える。これはそう簡単に真似できる技ではなく、センスによるところが大きい。

過去の日本人ドリブラーを振り返ると、前園真聖、技の引き出しが多いファンタジスタ系のドリブラーだった松井大輔、現代表選手では原口元気も1対1で勝負できる選手だ。さらにファンタジスタ系では中島翔哉も何をやってくるか分からないタイプで、サッカーを楽しんでいる点は松井と似ているか。

三笘とタイプが似ている選手を挙げるならセレッソ大阪乾貴士だろう。同じく左サイドからの仕掛けを得意とし、乾も相手DFのタイミングを外すのが上手い。

乾はリーガ・エスパニョーラやブンデスリーガ、松井はフランスのリーグ・アンでも活躍してきたことを考えると、2人は日本の歴代ドリブラーの中でもトップクラスの選手と言っていい。

そんな2人を三笘は超えられるだろうか。仮にブライトンへ合流し、そのドリブルがプレミアリーグでも通用するなら面白い。過去に日本人最速プレイヤーと言ってもいい宮市亮がイングランド・プレミアリーグでファンを驚かせたことはあるが、フィジカル自慢の揃うプレミアでドリブラーとして成功を収めた日本人選手は見当たらない。

パワー、スピードの両方を併せ持つDFが多いプレミアにて、三笘がスルスルと屈強なDFをかわす場面が見られれば痛快だ。もちろん今年のワールドカップでも三笘の仕掛けは武器の1つになるはずで、初見で三笘のドリブルに対応するのは難しいかもしれない。

ミトマールのワードは定着するのか。中島翔哉の仕掛けもなかなかに衝撃的だったが、また1人日本で楽しみなドリブラーが完成しようとしている。