快進撃を見せ続ける町田ゼルビアの黒田監督 photo/Getty Images
黒田監督と町田ゼルビアの強さを分析
サッカーの母国イギリスでJ リーグの異変が話題を呼んでいる。
『BBC 』が”史上最大の下剋上、Jリーグデビュー組がタイトルを目指す”と題して町田ゼルビアの首位快走を紹介している。
記事では、8年前のレスター・シティのプレミアリーグ制覇になぞらえて、あり得ない物語が生まれつつあると記載。またミッチェル・デュークに取材を敢行し、黒田剛監督や視察を他のメディアで視察を行った小野伸二氏が過去に語った言葉も引用し、このクラブについて特徴や裏側の努力などを詳しく記載している。
その中で『BBC』の記者が興味深い反応を示している部分がいくつかある。まずは潤沢な資金を駆使して選手を揃えたものの、決してスター選手がいるわけではないこと。また固く粘り強い守備から素早くシンプルな攻撃を展開する最も基本的な戦術の一つで成功を挙げていること。そしてもう一つは、黒田監督の経歴についてだ。レスターの優勝時にはクラウディオ・ラニエリという名将がいたが、黒田監督はプロ2年目で、それ以前は高校の監督だったことを紹介。今回の出来事が特別に異常だということを知らせている。
そして黒田監督の高校サッカーでの目覚ましい実績を紹介してから、サッカーの監督として優れている点を指摘。クラブ内のレギュラー争いを厳しく管理し馴れ合いを一切許さないことや採用しているシンプルな戦術、さらにチームの方向性が明白で、各人が一体となって整然としていることなど、さまざまな角度から監督自身にプロの経験がなくてもプロとして通用していることを綴っている。それをさらに裏付けるために、他のメディアで視察後に語った小野伸二氏のコメントを紹介した。
「高校のようでした。
またデュークもインタビューで「自分たちの強みを生かし、特定の方法でプレイする選手を揃えている。チームとして堅実で熱心で、倒れるまで走り続ける」とチームとしての方向性が一体となっていて、そこに妥協がないことを指摘。さらに「数試合を終えて目標が変わった。何かできる。勝ちに行ける。トップ3に入るだけでなく、勝ちたい」と既にタイトル獲得を視野に入れていることを語った。
これから夏を迎え、順位が大きく変わりやすい傾向があるが、町田はこのまま首位を走り続けることができるだろうか。その活躍に期待したい。