杉浦太陽と松井玲奈がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・松井玲奈 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。


5月17日(日)の放送テーマは、「もっと知ってほしい! 活躍するほじょ犬の世界」。厚生労働省 自立支援振興室の德山博之(とくやま・ひろゆき)さんから、ほじょ犬の役割、求められる周囲の理解について話を伺いました。

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(左から)松井玲奈、德山博之さん、杉浦太陽



◆盲導犬以外にもいる「ほじょ犬」とは?

ほじょ犬と聞くと、目に障がいのある人をサポートする「盲導犬」を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、ほかにも「介助犬」や「聴導犬」といったほじょ犬も存在します。しかし、その認知度には大きな差があります。2025年10月時点で、盲導犬は全国に768頭いるのに対し、介助犬は56頭、聴導犬は52頭と、実際に出会う機会も少なく、存在や役割を知らない人も多いのが現状です。そのため、ほじょ犬を必要とする障がいのある人たちが不便を感じる場面もあるといいます。今回は、そんなほじょ犬について、基本的な役割や意外と知られていない実情を学びます。

◆3種類の“ほじょ犬”の役割

ほじょ犬の正式名称は「身体障害者補助犬」です。身体障害者補助犬法に基づき、必要な訓練と認定を受けた犬たちが、目や耳、手足に障がいのある人の自立と社会参加を支える“大切なパートナー”として活躍しています。

3種類のほじょ犬のなかでも、比較的知られているのが盲導犬です。盲導犬は、目に障がいのある人が安全に歩けるように、障害物を避ける、曲がり角や段差で立ち止まる、などの“移動”をサポートします。また、德山さんは「胴体には、白色か黄色のハーネスという胴輪を付けていて、そこに『盲導犬』と表示されています。
このハーネスを通して、盲導犬の動きがユーザーに伝わり、安全に歩くことができます」と説明します。

そんな盲導犬について、德山さんは意外と勘違いされていることが多いとし、「なかには、盲導犬を『カーナビのように道案内をしてくれる犬』と思われている方もいますが、盲導犬の役割は“安全に歩けるようサポートすること”です」と指摘します。例えば、信号待ちの際「盲導犬が青信号になったら教えてくれる」と思っている人が多いかもしれませんが、実際は盲導犬ではなく、利用者自身が周囲の音などを頼りに判断しています。

そのため、横断歩道の前で困っている様子の人を見かけたときには、“盲導犬をお連れの方”と前置きしたうえで、「青になりましたよ」「何かお手伝いしましょうか」といった声かけをすると安心につながります。

続いて介助犬と聴導犬の役割についてです。介助犬は、手や足に障がいのある人の日常生活をサポートする存在です。落とした物を拾ったり、携帯電話など必要な物を持ってきたりするほか、ドアの開け閉めや着替えの補助など、幅広い動作を助けてくれます。また、德山さんは「ユーザーによって困りごとが違うので、介助犬もそれぞれに合わせて訓練されています」と補足します。

聴導犬は、耳に障がいのある人を対象に、玄関のチャイムや電話・メールの着信音、お湯が沸いたやかんの音、赤ちゃんの泣き声など、生活のなかのさまざまな音を伝える手助けをします。それらを察知すると、ユーザーの体に触れて知らせ、音の鳴った場所まで案内します。さらに、德山さんは「自動車のクラクション、火災報知器や非常ベルの警報音など、命にかかわる重要な音も教えてくれるので、頼もしい存在です」と紹介します。

◆ほじょ犬を受け入れる社会の現状と課題

ほじょ犬は、障がいのある人の生活を支える大切な存在です。
しかし、その活躍を支えるには周囲の理解も欠かせません。ほじょ犬は法律で、交通機関や公共施設、小売店、飲食店、宿泊施設、医療機関など、多くの場所でユーザーと同伴できることが認められており、その受け入れは義務となっています。しかし、「実際には、一部の医療機関や飲食店などでは、受け入れがスムーズにいかないケースもあります」と德山さん。

ユーザーがほじょ犬とともに入店しようとしても、「他のお客様の迷惑になる」「受け入れたことがない」「本部に聞かないとわからない」などといった理由で足止めされてしまうこともあると言います。この現状に、松井も「一般的な犬と同じ対応をされてしまうケースがあるのですね」と思いやります。

また、ほじょ犬に関する“勘違い”も少なくないといいます。例えば、「ほじょ犬マーク」にまつわる誤解です。このマークは「ほじょ犬への理解を広げるため」につくられたものですが、マークが表示されている施設だけが受け入れ可能だと勘違いしているケースもあります。

さらに、飲食店では、ほじょ犬の衛生面を気にする声もありますが、德山さんは「ほじょ犬の衛生面や健康管理はユーザーの義務です。そして、ほじょ犬は特別な訓練を受けているので、社会のマナーを守ることができます」と強調します。

トイレも決められた場所でできるよう訓練されているほか、定期的に獣医師による健康診断も受けています。なお、ユーザーは「盲導犬使用者証又は身体障害者補助犬認定証」と「身体障害者補助犬健康管理手帳」の携帯が義務付けられています。
身体障害者補助犬健康管理手帳には、獣医師による健康管理の記録が記されており、必要に応じて提示・確認することもできます。

◆ほじょ犬と安心して暮らせる社会を目指して

ユーザーは、ほじょ犬を周囲に気持ちよく受け入れてもらえるよう、日頃から健康や清潔さ、マナーに細やかな配慮をしています。私たちに求められるのは、ほじょ犬への「配慮」です。いつかどこかでほじょ犬に出会ったとしても、ほじょ犬をなでる、話しかける、じっと見つめるなど、気を引く行為は控えましょう。電車や飲食店で静かに座っている姿を見ると、つい声をかけたくなりますが、ほじょ犬は待機中も仕事中です。温かく見守る配慮がユーザーの安全と安心につながります。

最後に、德山さんは「毎年5月22日は、身体障害者補助犬法が成立した日として『ほじょ犬の日』とされています。障がいのある方が日々の暮らしをよりよく過ごせるような社会の実現を目指して、ご支援とご協力をお願いします」と呼びかけました。

番組のエンディングでは、杉浦と松井が今回学んだ「ほじょ犬」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず松井は“ほじょ犬はユーザーとどこにでも行ける”とスケッチブックに書きました。続いて、杉浦は“ほじょ犬についてもっと知ろう!”と注目ポイントを挙げ、「ほじょ犬について知りたい方は、厚生労働省のWebサイトをご覧ください。
ほじょ犬についてまとめたミニブックや、20秒でわかるほじょ犬のショート動画を観ることができます」とコメントしました。

盲導犬だけじゃない!3種類いる「ほじょ犬」の役割&同伴入店を拒否されるケースも…知られざる“誤解"の実態

(左から)杉浦太陽、松井玲奈



<番組概要>
番組名:杉浦太陽・松井玲奈 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、松井玲奈
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm
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