メルセデス・ベンツが新車オーナー向けカーシェアリングサービス「シェアカー・プラス」を2018年1月にリリースし、2年が経過しました。
カーシェアリングは「維持費をかけずに、必要な時だけ車に乗れる」という性質なので、高級車メーカーが公式で行うのは珍しいです。
では、その施策は業績にどのように表れているのでしょうか。
■新車オーナー限定の「シェアカー・プラス」が業績に与える影響
シェアカー・プラスは「新車購入したオーナーを対象に、回数限定で別モデルの車を無料で貸し出してくれる」という内容です。つまり、「メルセデス・ベンツの新車購入者」向けなので、「メルセデス・ベンツが大衆化した」というわけではありません。
しかし、1週間限定でも自分自身の購入予算以上の別モデルに乗車ができ、乗り心地を体験できるのは購入者にとっても便利でしょう。
メルセデス・ベンツの日本法人は決算公告のデータによれば、以下のような業績となっています。
売上高
- 2017年12月期:4147億円
- 2018年12月期:4390億円
- 2019年12月期:4384億円
営業利益
- 2017年12月期:144億円
- 2018年12月期:157億円
- 2019年12月期:190億円
売上高に関してセグメント別データが開示されていないため、「シェアカー・プラス」について明確な分析はできませんが、「カーシェア・プラス」によって、これまでのビジネスモデルが大きく変化している印象はうけません。
なお、2020年初頭には日本法人が「メルセデス・ベンツ、2019年新車販売台数 国内純輸入車5年連続No.1およびプレミアムブランド 7年連続No.1」というプレスリリースを出しており、日本国内の輸入車(新車)において1位の販売台数を維持し続けています。
また独ダイムラー社が公表している2019年のアニュアルレポートによると、メルセデス・ベンツ車の日本での市場シェア(※ダイムラー社による推計)は1.6%なので、輸入車業界でトップに君臨するとはいえ、まだまだ伸び代があると言えます。
■新車で買えなくても大丈夫。メルセデス・ベンツ車にレンタカーで乗る方法
メーカー公式のカーシェアサービスは「新車購入」という大きなハードルがありますが、新車が購入できない場合はどのようにしたらよいかお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
近年は、カレコ(運営元:三井不動産リアルティ)、dカーシェア(運営元:ドコモ)など、高級車を貸し出してくれるレンタルサービスが存在するため、それを活用すれば「ベンツなどの高級車に乗りたい」という夢も実現可能です。
気になる予算感ですが、「カレコ」の場合は車種「プレミアム」でメルセデス・ベンツ車(B180/B180 AMGライン)に乗れるので、月会費980円に追加して(利用すると980円割引あり)、270円/10分~で利用可能です。
カー・プラス」と比べて非常に気軽に利用できる価格帯と言えます。
■高級車カーシェアに落とし穴はあるか
個人間のシェアに抵抗が無い方であれば「エニカ(運営元:DeNA SOMPO Mobility)」といったサービスも選択肢に入ってきます。
ただし、高級車カーシェアサービスは「スカイカーシェア(運営元:SERIAS)」のように、突然操業停止・倒産するリスクも完全には否定できません。運営元についてはよく調査・吟味したうえで利用することをお勧めします。