■エンディングノートが「自分のため」にもなる理由
終活ノートとも言われるエンディングノートは、自分が亡くなった際に自分の財産がどのくらいあるのか、そしてそれをどのように分けて欲しいのか、また葬儀の形の希望などさまざまな内容を記載するものです。
エンディングノートには法的拘束力はなく、遺言書のように、その内容に基づいて遺産相続を行うことはできません。
出典:法務省 自筆証書遺言書保管制度「03 遺言書の様式等についての注意事項」
ただ、「亡くなった時にどうして欲しいか」といった内容を記載しておくことで、遺された人は、故人の意志に基づいた方法でさまざまな問題に対応できます。
今回はエンディングノートに記載してきたい内容と、作成するメリット、さらには書き方のコツや注意点についても解説します。
■エンディングノートに記載する内容
エンディングノートは、自分が亡くなった際や、認知能力が低下した際に、自己の財産をどうして欲しいのか、そもそも、自分の財産はどのくらいあるのかなどについて他人が見て分かるように記すものです。
冒頭でエンディングノートには法的拘束力がないと説明しましたが、強制力はないものの、「このようにして欲しい」といった希望を書くことはできます。
また、延命治療を望むかどうか、お墓はどうするのかといった内容も記載できます。
■エンディングノートの内容1. 自分自身のこと
同居している家族が把握している場合は特に必要ないかもしれませんが、一人で暮らしている場合や親族と離れて暮らしている場合などでは、自分の出身地や生年月日といった基本的な内容を知らないケースもあります。
どこで勤めていたかなどといった内容についても記載しておくといいでしょう。
■エンディングノートの内容2. 医療や介護のこと
自分が今後病気になった時や、介護が必要になったときに備え、臓器提供希望の有無や延命治療希望の有無などは必ず記載しておきましょう。
自分に判断能力がない状態になった際には、エンディングノートに記載したとおりにしてもらえます。
さらに、最近は介護の問題が深刻化しています。自分に介護が必要な状況になった時に、誰に介護して欲しいか、それとも介護施設に入りたいのか、その場合の費用は工面しているのかなどといった内容を記載しておくことが大切です。
■エンディングノートの内容3. 葬儀形式やお墓のこと
もし、自分が亡くなった際にどのような葬儀方法にして欲しいのかという希望を書いておくと、遺された遺族の負担が軽くなります。
葬儀方法の内容を調べ、自分が希望する葬儀方法と、葬儀費用をどこから捻出するかも記載しておくとよいでしょう。
また、自分が先祖代々のお墓に入りたいのか、それとも違う方法を選ぶのかも、必ず記載しておきましょう。
最近は樹木葬などが増えていますが、事前に契約した納骨場所や霊園の担当者名および連絡先などを記載しておくと、葬儀後の納骨もスムーズに進みます。
■エンディングノートの内容4. 保有している財産のこと
自分が保有している財産の詳細については、親族でも知り得ないプライベートな内容です。だからこそ、エンディングノートにはもれなく記載しておく必要があります。
預貯金については、どこの金融機関の口座にいくら預けているのか、また届出印の保管場所も合わせて記載しておきましょう。
さらに株式などといった有価証券がある場合は、どの証券会社の口座に預けているのかを記載しておくことが大切です。
最近では、ネット銀行やネット証券が登場し、届出印ではなく、ユーザーIDやパスワードが必要なケースが多く見られます。ネット系の金融機関を利用している場合は、それぞれのIDやパスワードを正しく記載しておきましょう。
さらに重要なのが保険です。どの保険に加入しているのか、保険証書はどこにあるのかなど、一覧にして分かるようにしておくと、遺された人も手続きがしやすくなります。
■エンディングノートの内容5. 各種連絡先
自分に何かあったときに連絡して欲しい知人や友人のリストも作成しておきましょう。
また、保険関係について、担当者への連絡が必要なら、担当者名や連絡先もきちんと記載しておくようにしてください。
■エンディングノートを作成するメリットとは
エンディングノートを作成するメリットは、なんと言っても、遺された人の負担を減らせることです。
同時に、現在の自分の状況が把握でき、今後自分がどのように生きるかを再考するきっかけにもなります。
充実した人生で最期を迎えるためにも、エンディングノートを作成する意義は十分にあるといえるでしょう。
■エンディングノートの書き方のコツと注意点
エンディングノートを書こうとして、最初から完璧なものにしようとする人がいます。
しかし、膨大な資料を間違いなく完璧に書き記すことは不可能です。書き進むにつれ、調べなければいけないことも出てくるでしょうし、考えが変わる可能性もあります。
エンディングノートを作成する時は、自分が把握している範囲から書き進めることや、調べなければ分からない内容が出てきた場合は、期日を決めて調べることが大切です。
いつか調べようと思ってそのままにしておくと、いつまで経ってもエンディングノートが完成しないという事態を招きかねません。
また、エンディングノートは定期的に見直すようにしましょう。その後の生活によっては、記載した内容が変化することも考えられます。
また、最近問題になっている「デジタル遺産」には、特に注意が必要です。
自身が使っているパソコンのパスワードやインターネットバンキングのIDやパスワードなどについては、必ず記載しておきましょう。
そして、保管する際には簡単に見られない場所を選び、信頼できる人を1~2人決めてその人だけに保管場所を知らせことも大切です。
■参考資料
- 法務省 自筆証書遺言書保管制度「03 遺言書の様式等についての注意事項」( https://www.moj.go.jp/MINJI/03.html )

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