レーザーテックの2026年6月期3Qは、3.5%増収、2.7%営業減益で、会社予想通りだった。会社側は2026年6月期受注高予想を、前回の1,700億~2,200億円から2,000億~2,400億円へ上方修正した。

「ACTIS A200HiT」等の新規受注があった。2027年6月期も受注増加が予想される。楽天証券の目標株価を引き上げる。


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決算レポート:レーザーテック(高性能CPUの需要増加とレーザーテックとの関係に注目したい)
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本レポートに掲載した銘柄: レーザーテック(6920、東証プライム)


1.レーザーテックの2026年6月期3Qは、3.5%増収、2.7%営業減益。

 レーザーテックの2026年6月期3Q(2026年1-3月期、以下今3Q)は、売上高412.81億円(前年比3.5%増)、営業利益152.00億円(同2.7%減)となりました。会社計画通りでした。


 今3Qの品目別売上高を見ると、半導体関連装置は263.48億円(同13.6%減)となりました。今2Q比でも大幅減収となりました。一方で、サービスは141.91億円(同59.9%増)となりました。前3Qが低水準だった反動もありますが、フォトマスク欠陥検査装置の累積設置台数が増加したことによって、サービス売上高も高水準になっています。


表1 レーザーテックの業績
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株価 44,920円(2026/5/7)発行済み株数 89,631千株時価総額 4,026,225百万円(2026/5/7)単位:百万円、円出所:会社資料より楽天証券作成注1:当期純利益は親会社の所有者に帰属する当期純利益。注2:発行済み株数は自己株式を除いたもの。

表2 レーザーテック:品目別売上高(四半期)
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単位:百万円出所:会社資料より楽天証券作成注:端数処理のため合計が合わない場合がある。

2.会社側は2026年6月期予想受注高レンジを上方修正した。

 会社側は2026年6月期受注高予想を、前回の1,700億~2,200億円から2,000億~2,400億円へ上方修正しました(2024年6月期2,728億円、2025年6月期1,052億円)。

今上期受注高は約700億円だったため、今下期は前回予想の1,000億~1,500億円から1,300億~1,700億円のレンジに上方修正されました。


 上方修正の理由は、フォトマスク欠陥検査装置の中で一世代前のDUV光(ディープUV光)を使った「MATRICS」シリーズの受注が強いこと、昨年10月に発売した「ACTIS A200HiT」(EUV光を使う。ACTISシリーズ最初の機種「ACTIS A150」の3倍の検査速度)を複数台受注したこと、マスクブランクス欠陥検査装置の受注があったことによります。


 会社側は2026年暦年に受注高が回復するとしています。会社側は、現在は2026年前半(今下期)、後半(来上期)、2027年暦年前半(来下期)までは受注高がほぼ同じ状況と見ていますが、今後「ACTIS A200HiT」の受注が増えれば、受注が上向くと見ています。この通りに考えると、2027年6月期受注高は2,600~3,400億円のレンジに「ACTIS A200HiT」に加わる場合があるということになり、2026年6月期に比べかなり強い受注が予想されます。


 今後の大きな流れを予想すると、最先端ラインで生産された高性能CPUの需要が生成AI向けデータセンター、生成AIを使う企業内システムの中で増加し、それがTSMC、インテルのCPU向け設備投資を刺激し、「ACTIS」の需要増に繋がると予想されます。レーザーテックにとってはAI半導体やメモリよりもCPU向け設備投資の動きが重要になると思われます。


 これは生成AI向けデータセンターの中で、AI半導体に対する高性能CPU(サーバー用CPU)の比率が上昇しているためです。インテルによれば、以前はCPU1個に対しAI半導体8個だったものが、今はCPU1個に対してAI半導体4個になっています。高性能CPUによってデータセンター内の様々な計算処理と、推論の一部が効率的に処理できます。CPUとAI半導体の比率はさらに上昇する可能性があります。


 このことは、TSMCの2ナノ(2025年後半量産開始(ウェハ投入開始))→1.6ナノ(A16、2026年後半量産開始)→1.4 ナノ(A14、2028年量産開始)への流れ、そしてインテルのIntel18A (TSMC2ナノ相当、2025年10月稼働開始)→Intel14A (TSMC1.4ナノ相当、2028年量産開始予定)への流れを太く強固なものにすると思われます。


 これらのことを総合的に考慮し、楽天証券ではレーザーテックの業績を、2026年6月期は売上高2,300億円(前年比8.5%減)、営業利益1,070億円(同12.9%減)、2027年6月期は売上高3,000億円(同30.4%増)、営業利益1,460億円(同36.4%増)、2028年6月期(参考値)は売上高3,900億円(同30.0%増)、営業利益1,990億円(同36.3%増)と予想します。


 2026年6月期楽天証券予想は前回と同じですが、会社予想に対して上乗せしています。これは先端半導体生産の各分野で増産を急いでいるため半導体製造装置の納入を急ぐ動きがあるためです。また、2027年6月期、2028年6月期(参考値)は前回予想から上方修正します。


表3 レーザーテックの売上高内訳:通期ベース
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単位:百万円出所:会社資料より楽天証券作成。

表4 米国大手ITの設備投資額(暦年)
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単位:100万ドル出所:各社資料より楽天証券作成注:マイクロソフトは各年1-3月期~10-12月期の合計。2026年1-12月会社予想(前回)はマイクロソフトのみ楽天証券予想。それ以外の会社予想はレンジ平均値。

3.レーザーテックの今後6~12カ月間の目標株価を、前回の4万5,000円から5万8,000円に引き上げる。

 レーザーテックの今後6~12カ月間の目標株価を、前回の4万5,000円から5万8,000円に引き上げます。


 長期的な視点から、楽天証券の2028年6月期予想1株当たり利益(EPS)(参考値)1,598.8円に、楽天証券の2028年6月期予想営業増益率36.3%に対して、PEG=1.0倍前後として想定株価収益率(PER)35~40倍を当てはめました。


 引き続き中長期で投資妙味を感じます。


本レポートに掲載した銘柄 レーザーテック(6920、東証プライム)


(今中 能夫)

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