後編では、さぶさんが提唱する「ゆる習慣」の神髄ともいえるパートナーとの協力体制の築き方、そして「60歳で資産1億円」という大きな目標に向けたライフプランについて、掘り下げていきます。


浪費家夫婦から総資産5,000万円へ。さぶさんが実践した「同...の画像はこちら >>

「節約して」では変わらない。
夫婦で同じ目標を見るための『同じ旗』の掲げ方

トウシル:前編ではお子さんの自立心について伺いましたが、もう一人の重要なパートナーである旦那さまとの関係についても気になります。以前はご夫婦そろってかなりの浪費家だったそうですね。


さぶさん:そうなんです。結婚して子供ができるまでは、本当に2人ともお金をためる意識がほとんどありませんでした。共働きなのでそれなりに収入はあったのですが、週に何度も飲み歩いたり、私は洋服を買い込み、主人は趣味のスポーツに明け暮れたりと、あればあるだけ使い切る生活を送っていましたね。


トウシル:そこから、どのようにして現在の堅実なスタイルへと変化していったのでしょうか。


さぶさん:私がまずやったのは、夫婦で意識をそろえることでした。単に「節約して」と言っても角が立ちますし、反発を招くだけですよね。だからこそ、まずは「何のために結婚したのか」「将来どんな家庭を築きたいのか」という共通の目標、いわば『同じ旗』を立てることから始めました。


 この『旗』を立てられたのが本当に大きかったですね。「このまま浪費が続いたら、子供に十分な教育を受けさせてあげられないかもしれない」と、何かあるたびに原点に立ち戻る目印になってくれました。感情論ではなく、将来子供にかかる具体的な費用などを数字で示して、逆算の視点で話し合ったのが大きかったと思います。


トウシル:目標を立てたいけれど立てられないご夫婦もいると思います。お互いに納得できる目標を持つためのコツがあったらぜひ教えてください。


さぶさん:私が気をつけているのは、自分を主語にして話さないようにすることです。例えば『日経ウーマン』などの雑誌や書籍を一緒に見ながら「この人はこれくらいためているみたいだよ」「37歳までに1,000万円持っておくと安心らしいよ」という風に、外部の情報を頼ります。


 パートナーの意見に反発したくなる人も、「実際にためている人はこうしている」という例を一緒に学ぶ、という形を取れば、素直に受け入れやすくなるんじゃないでしょうか。第三者の視点を取り入れるというのは、著書にもある「悩まないための仕組み化」の一つと考えています。


資産管理の肝は「ラベリング」。口座を分ければ目的が見えてくる

トウシル:現在、総資産が5,000万円を超えているとのことですが、その大きな資産を管理する上で気をつけていることはありますか。


さぶさん:私が野村証券時代の先輩から教わったのは、「お金には色も名前も付けられないから、口座で管理するしかない」ということです。ですので、さぶ家では目的別に証券口座を分けて『ラベリング』するようにしました。教育資金用の証券口座、自分たちの老後資金用の口座、といった具合に、物理的に口座を完全に分けているのです。


トウシル:証券会社自体を使い分けていらっしゃるのですか。


さぶさん:その通りです。A証券はNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)などの資産形成用、B証券は教育資金用というように管理しています。マネーフォワードなど、家計節約や使い道を見える化するツールも活用していますが、やはり入り口の口座自体を分けてしまうのが、目的を見失わないための一番シンプルな方法です。


トウシル:前編で伺った「教育資金としての株」と「老後資金としての株」も、そうして管理されているわけですね。


さぶさん:そうです。自分たちの老後用には、配当金を狙った高配当株を厚めに持っています。今は年間配当100万円を目指して積み立てています。配当金も全て再投資に回していますが、将来はこの配当を自分たちの生活費や楽しみのために使う予定です。出口戦略まで見据えてラベリングしておくことで、日々の株価の変動にも一喜一憂せずに済んでいます。


911カレラ、リフォーム、セカンドハウス。夫婦で描く老後の夢

トウシル:年間100万円の配当! 素晴らしい目標ですね。それを使うタイミングである「老後」について、ご夫婦でどのようなお話をされていますか。


さぶさん:「60歳になった時、資産総額がいくらになっていたい?」という話はよくしますよ。「今のペースなら1億円は目指せるよね」と。また、お金を残したまま死ぬのはもったいないので、どう使おうかという夢もセットで語り合っています。


トウシル:どのような夢があるのでしょうか? すごいぜいたくをしたいとか?


さぶさん:主人は「ポルシェの911カレラに乗りたい」と言っていますね(笑)。私は、自宅のフルリフォームなど、住環境を整えたい、という希望があります。夫と楽しみながらすてきな夢物語を話し合っています。こうして具体的な夢を共有しているからこそ「じゃあ今はこれくらい投資に回そう」という日々の行動に納得感が生まれるんだと思います。


トウシル:まさに夫婦で同じ「未来の地図」を見ているのですね。


さぶさん:お金はあくまで手段ですから、ためること自体が目的にならないようにしています。人生の後半戦でインカムゲインを得ながら、夫婦でやりたいことをかなえるためにも、今は企業型確定拠出年金(DC)や高配当株の積み立てを戦略的に続けていく時期だと捉えています。


「退場しない」ことが最大の戦略。緩く続けられる「型」を見つけよう

トウシル:最後に、これから資産形成を頑張りたいと考えている、あるいは日々の仕事と育児に追われているパパやママに向けてメッセージをお願いします。


さぶさん:私が一番大切にしている言葉は「退場しない」です。これは著書の最後にも書きましたが、証券会社時代に、無理な投資で首が回らなくなり、家を売ってまで追証(追加証拠金:信用取引において、担保=保証金の評価額が最低維持率を下回った場合に、追加で差し入れを求められる資金)を払いに来た方々を目の当たりにしてきた経験から、心に刻んでいることです。


トウシル:さぶさんのお話を聞いていると、「退場しない」という言葉は、投資だけに向けられていないように感じました。


さぶさん:まったくその通りで、キャリアも同じだと思います。パパもママも戦略的に働き続けるための仕組みを作り、どちらか一方が倒れてしまわないようにすること、つまり、社会からも「退場」しないようにすることが大事だと思います。


 2人で戦略的に家事を分担し、収入を得て、それを長期で保有できる資産に変えていくこと。投資もキャリアも、人生をよりよくするための戦略設計の一部ですので、退場しないための仕組み作りが大切です。


浪費家夫婦から総資産5,000万円へ。さぶさんが実践した「同じ未来を見る」家計づくり:元証券ウーマン・さぶさんインタビュー後編
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トウシル:完璧を求めすぎないことも重要だとおっしゃっていますね。


さぶさん:私自身かなり感情的な人間なので、理想の自分を追い求めすぎると心がすり減ってしまいます。だからこそ、緩く続けられる「型」を作ってきました。1人でお金をためるのは本当に難しいんです。時間もお金も家族で2馬力、あるいはそれ以上の力を出せるように、工夫を楽しんでいただきたいなと思います。


トウシル:さぶさんの目標が、6年前の「教育資金」という一歩目から、今は「家族の幸福」という大きなテーマへと進化していたのを感じました。本日は貴重なお話をありがとうございました!


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資産5,000万円突破!二人の子供の教育資金が目的で始めた資産運用の進捗は?元証券ウーマン投資家・さぶさんインタビュー前編


(トウシル編集チーム)

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