三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループが発表した2026年3月期決算は、金利上昇による利ザヤ改善を受けて非常に好調でした。続く2027年3月期も好調が続き、4期連続の最高益を見込んでいます。

両社とも私が買い推奨を始めた2019年以降、大幅に株価が上昇しましたが、業績好調な割安株として買い推奨を継続します。


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三菱UFJ・三井住友FG「買い」:4期連続最高益、6期連続増配へ(窪田真之)
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三菱UFJ・三井住友の「買い」継続

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)(以下「三菱UFJ」と表記)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)(以下「三井住友FG」と表記)の2社が、前期(2026年3月期)決算を発表しました。


 決算発表と同時に、今期(2027年3月期)の業績予想も公表しました。2社とも今期、4期連続最高益、6期連続増配を予定しています。


 筆者は2019年以降、この2社を一貫して「買い推奨」してきました。その投資判断は変わりません。好業績で株価割安な好配当利回り株として、買い推奨を継続します。


 三菱UFJ、三井住友FG2社の「買い」推奨を継続する理由は以下3点です。


【1】2社とも金利上昇で利ザヤ拡大・4期連続で最高益更新の見通し


 長期金利上昇の恩恵で、2社とも国内で預貸金利ザヤ(貸付金利と預金金利の差)が拡大しています。日本のインフレ率・長期金利の上昇はこれからも続き、さらなる利ザヤ拡大につながると予想しています。


 2社の近年の株価上昇は、金利上昇の恩恵を評価する動きです。ただ、2社の評価ポイントはそこだけではありません。海外展開、ユニバーサルバンク経営で2社とも、金利が低い環境でも安定的に高収益を上げるビジネスモデルができあがっていると判断しています。

そこに金利上昇の追い風が加わっています。


【2】2社とも配当利回りの高いバリュー(割安)株である


 2社とも近年、株価が大きく上昇しましたが、それでも現在の株価は株価収益率(PER)が低く、配当利回りが高いバリュー株であることに変わりません。


【3】2社とも、株主への利益還元に積極的である


 2社とも、継続的に増配、自社株買いを行っていることが、高く評価できます。


2社とも最高益続く見通し

 三菱UFJ、三井住友FGが発表した前期(2026年3月期)決算は好調で、過去最高益を大幅に更新しました。


 両社とも、国内金利上昇により国内で預貸金利ザヤが拡大した効果が増益に寄与しています。また、投資銀行業務などで手数料収入が拡大していることも追い風です。円安効果もあり、海外での利益も拡大しています。


<三菱UFJ、三井住友FGの連結純利益:2014年3月期~2027年3月期(会社予想)>
三菱UFJ・三井住友FG「買い」:4期連続最高益、6期連続増配へ(窪田真之)
出所:各社決算資料、QUICKより楽天証券経済研究所が作成。2026年3月期は会社予想

 図の業績推移をご覧いただくと分かるとおり、両社とも金利低下局面(2014~2019年)も安定的に高収益を稼いでいます。金利低下で国内商業銀行部門は不振でしたが、海外事業の拡大とユニバーサルバンク経営で高収益を維持しました。


 金利上昇局面に入った2021年以降は、最高益を大きく更新する展開が続いています。


2社とも株価割安のバリュー株

 過去3年、三菱UFJと三井住友FGは株価が大きく上昇しました。それでもなお、株価指標で見て割安なバリュー株であることに変わりありません。


<2社の株価バリュエーション:2026年5月18日時点>
三菱UFJ・三井住友FG「買い」:4期連続最高益、6期連続増配へ(窪田真之)
出所:両社決算資料より楽天証券経済研究所が作成。配当利回りは2027年3月期会社予想ベース1株当たり配当金(DPS)を5月18日株価で割って算出。DPSは、三菱UFJ96円、三井住友FG180円、三井住友FGは2026年10月1日に1対2の株式分割を予定しているためDPSは分割を反映して修正

2020年まで金利低下を嫌気して過度に売り込まれていた

 三菱UFJ、三井住友FGの株価は2021年以降大きく上昇しましたが、それでもなお割安と判断しています。2021年当時「激安」といえる株価でしたが、現在は普通の「割安」株になったと判断しています。


 2020年まで、金利低下を嫌気して、両社とも株価が長期にわたり低迷していました。

日本および世界の金利低下を嫌気して売り込まれていました。それが、2021年以降、世界的な金利上昇を好感して、株価が急上昇しています。


<日経平均および三菱UFJ、三井住友FG株価の動き比較:2007年1月~2026年5月(18日まで)>
三菱UFJ・三井住友FG「買い」:4期連続最高益、6期連続増配へ(窪田真之)
出所:2007年1月末の値を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 三菱UFJ、三井住友FG株とも金利低下が続いた2020年まで、日経平均株価を大幅に下回るパフォーマンスとなっていました。株式市場で「金利低下→銀行(金融業)の収益悪化」というイメージが定着しているので、金利が低下する都度、世界中で銀行株が売り込まれ、その流れで両社とも売り込まれました。


 ただし、すでにご覧いただいたように、三菱UFJ、三井住友FGとも金利低下期でも安定的に高収益を稼いできました。「金利が下がると銀行の収益が悪化する」というイメージは、この2社に当てはまりません。


<日米の長期金利(10年国債利回り)推移:2007年1月~2026年5月(18日)>
三菱UFJ・三井住友FG「買い」:4期連続最高益、6期連続増配へ(窪田真之)
出所:QUICKより作成

6期連続の増配を計画

 両社とも株主への利益配分に積極的です。以下の通り、両社とも、コロナ禍で配当を据え置いた2021年3月期を除けば、安定的に増配を続けています。


<三菱UFJ、三井住友FGの1株当たり配当金:2017年3月期実績~2027年3月期(会社予想)>
三菱UFJ・三井住友FG「買い」:4期連続最高益、6期連続増配へ(窪田真之)
出所:各社決算資料・QUICKより楽天証券経済研究所が作成、三井住友FGの2027年3月期予想配当金は、同社が2026年10月1日に1対2株式分割を予定していることを考慮して修正

 両社とも、さらに自社株買いを積極的に行っていることが高く評価できます。


 三菱UFJは、今上半期に1,000億円を上限とする自社株買いを発表しました。三井住友FGは、今期1,800億円の自社株買いを発表しました。


 最後に告知事項および著書紹介です。


【告知事項】みずほフィナンシャルグループ(8411)は投資判断の対象外
 楽天証券株式会社は、みずほフィナンシャルグループの子会社であるみずほ証券株式会社の出資(49.0%)を受けている。

そのため、みずほフィナンシャルグループは投資判断の対象外。筆者は三井住友FG株を1万5,000株保有。


※投資の最終決定はご自身の判断で行ってください。


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(窪田 真之)

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