新型コロナウイルスの影響下、JALでは新たな取り組みを次々と打ち出しています。客室乗務員や整備士による「vsコロナ」の取り組み、空港でのテクノロジーを用いた試験など、JALの今を追います。

客室本部長「トイレの清潔性には強いこだわり」

 新型コロナウイルスの影響で、利用者の空港の過ごし方や飛行機の乗り方が大きく変わりました。そして航空会社側の取り組みも相応に変化しています。JAL(日本航空)では、CA(客室乗務員)や整備士、そして空港設備においても新たな活動を始めています。

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JALの飛行機(2020年、乗りものニュース編集部撮影)。

 2020年9月4日(金)に実施された「エイビーロード授賞式」でJALの鳥取三津子客室本部長は、「JALは、かねてから機内のトイレの清潔性についてはこだわりがある」とコメントしています。JALのCAによると、トイレ掃除は「お客様が使用するたびに」実施するようにし、その作業でも次のようなポイントに気を配っているそうです。

「ゴミ箱がいっぱいになっていないかをチェックし、こまめな交換を心掛けています。床の汚れや水しぶき、トイレの金具部分までも気を配り、お客様目線で掃除をしています」(JALのCA)。このほか客室のごみ回収も、ごみが出やすい食事後だけではなく、食事前にも行うようにすることで、「安心、安全だけではなく清潔性」もキープしているといいます。

 そしてJALでは、利用者と直接かかわるスタッフ以外も、新たな取り組みを開始しています。その代表例が、同社機の整備士によって手掛けられた「vsコロナ」アイテムです。

整備士作「vsコロナ」アイテム 空港ではテクノロジーも

 JALグループでは、整備士自ら作成した「vsコロナ」の衛生対策向上アイテムを空港の至るところに配備しています。

空港のラウンジやチェックインカウンターに置かれているパーティション(仕切り板)は整備士のお手製で、一枚一枚大きさや形、素材などが違うそうです。

 そして2020年9月に新アイテムとして報道陣に披露されたのは、木の外装が特徴的な、手をかざすだけで消毒液が出てくる「アルコール消毒液噴霧機」です。「整備士として安心をどう提供するかを考え作成しました。コロナ禍の時だからこそ、前向きに私ができることに取り組んでいければと考えています」(JALの整備士)

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JALのCAによるトイレ掃除のデモンストレーション(2020年9月4日、乗りものニュース編集部撮影)。

 このほか空港では、テクノロジーを活用した取り組みも始まっています。JALが就航する羽田空港の第1ターミナルでは、画面に触らずに操作ができる「タッチレス式の自動チェックイン機」(9月15日で終了)や、地上係員が生身ではなく「バーチャルYouTuber」のように、係員を模したアバターをPC上から遠隔操作し利用者を案内する「アバター式案内サービス」(9月25日まで)など、様々な実証実験が行われています。

 このほか同ターミナルでは2020年9月、消毒コーティングの様子も公開されています。ここで使われる薬剤は人体に影響を与えないながらも、散布から5分後に99%以上のウイルスを不活化できるもので、その効果は3年から5年続くとしています。