いよいよ本格化した「Go Toトラベル」キャンペーン。宿泊だけでなく「足」を担うバスも割引対象にする方法も様々存在します。

「Go To」の一環の地域共通クーポンや、自治体が独自に設定している支援策も足代に使う方法をガイドします。

足代も割引になる「Go To」

 2020年10月1日、ようやく「Go Toトラベル」事業が本格的にスタートしました。これに付随する「地域共通クーポン」の利用も同日から始まっています。バス旅行の際の、「Go Toトラベル」活用法をご紹介します。

「Go Toトラベル」は、旅行代金の35%が割引となり、15%相当の「地域共通クーポン」が付与される仕組みです。宿泊のみを予約しても対象ですが、往復の交通機関や現地の観光を含めたパッケージ旅行を予約しても還元率は同じなので、当然、後者の方がお得です。

パッケージ旅行は2タイプ 「フリープラン」もお得に

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大阪駅JR高速バスターミナルに停まる神姫バス(中島洋平撮影)。

 旅行会社によるパッケージ旅行は、おおむねふたつのタイプに分かれます。一つは、添乗員やバスガイドが同行する「エスコート型ツアー」です。近場であれば貸切バスをチャーターして移動し、遠方へのコースなら、航空機や新幹線で現地へ移動した後に貸切バスへ乗り換えるのが一般的です。

 もうひとつは、航空や鉄道、高速バスなど往復の交通機関と宿泊のセット販売で、旅行中は個人単位で自由に行動する「フリープラン」です。

 前者の人気を支えていたシニア層は、新型コロナウイルス感染時のリスクが大きいとされ、出控えが続いています。

一方、お得感から人気が集まりそうなのが、若者の利用も多い後者のフリープランです。

 高速バスを利用するフリープランは、販売している旅行会社が限られています。例えば、京王バスで新宿から河口湖温泉(山梨県)に向かうコースは京王観光、神姫バスで神戸から玉造温泉(島根県)や道後温泉(愛媛県)へ行くコースは神姫観光、というように、バス事業者系の旅行会社が中心です。バス事業者自身が旅行業を行う例も多く、上高地(長野県)へはアルピコ交通、高山や奥飛騨(ともに岐阜県)へは濃飛乗合自動車が、それぞれ公式サイトで予約を受け付けています。

出張も日帰り旅行も対象に

「大都市から観光地へ」だけではなく、高山から東京や名古屋へ(販売元:濃飛乗合自動車)、徳島から大阪や神戸へ(同・徳バス観光サービス)というように、「地方から大都市へ」のコースも販売されているので、出張などで利用することもできます。

 なお、宿泊付きのコースだけでなく、首都圏各地からの高速バスと富士急ハイランド(山梨県)フリーパスのセット(同・富士急トラベル)など、日帰りの商品も対象です。

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濃飛乗合自動車の高速バス。高山~新宿線の往復乗車券と飛騨高山の宿泊がセットになったプランなどを販売している(画像:濃飛乗合自動車)。

「地域共通クーポン」も足代にできる!

 旅行代金の15%相当が付与される「地域共通クーポン」は、旅行当日に限り、旅行先(宿泊地。日帰りの場合は主な目的地)の都道府県、および隣接県で使えます。対象は観光施設や土産店だけではありません。コンビニや家電量販店といった様々な店舗でも、同クーポン利用施設として登録されていれば、代金をクーポンで支払うことができるほか、バス事業者の窓口や旅行会社の店舗が利用施設として登録されているものも多いので、旅先でバス乗車券の購入に使うことも可能です。

 例えば、東京~名古屋往復の新幹線と、長島温泉(三重県)の宿泊をセットにしたフリープランを申し込んで、「名古屋駅~宿泊施設間の移動はお客様負担」となっていた場合、名古屋~長島温泉の高速バス乗車券を、乗車地の名鉄バスセンターで、同クーポンを使って購入できます。

 ただし、同クーポンは宿泊する日の15時(日帰り旅行の場合は12時)以降しか使えないうえ、宿泊単体予約の場合は、宿へチェックインする際にクーポンを渡されるケースが多いので、特に往路途中の利用には注意が必要です。また、換金目的で乗車券を購入することを防止するため、同クーポンで購入したバス乗車券は「払い戻し不可」とするケースもあるので、注意してください。

 高速バス以外にも、路線バスの1日乗車券や観光タクシーなどに同クーポンを利用することができます。登録店舗は「Go Toトラベル」公式サイトで確認できるほか、タクシーの場合は、車内支払いに対応しているか、などの詳細を事前に事業者へ確認したほうがいいでしょう。

「はとバス」半額 定期観光バスに使う場合の注意点

「はとバス」に代表される定期観光バスについては、様々なケースがあります。

 まず、地元の定期観光バスに乗るケース。例えば、東京在住の人が「はとバス」に乗る場合が相当します。地元を知り尽くしたバスガイドの案内を聞くと、地元の意外な魅力を知ることができるはずです。旅行会社またはOTA(旅行予約サイト)経由で予約すると、「Go Toトラベル」の対象となり、50%還元(35%の割引+15%の地域共通クーポン付与)を受けられるコースがあります。

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東京駅丸の内南口の高架沿いに並ぶ、はとバス。窓口も高架下にある(中島洋平撮影)。

 次に、旅先で乗車する場合です。東京の人が、新幹線と現地の宿泊がセットになったフリープランを利用して京都へ旅行した際、京都市内の定期観光バスに乗るようなケースです。この場合、ふたつの選択肢があります。

 ひとつは、旅行会社(フリープランを申し込んだ会社とは別の会社でもOK)やOTAで定期観光バスを申し込んで、50%の還元を受ける選択肢。もうひとつが、定期観光バスの乗車券の購入を、現地のバス事業者窓口や旅行会社で行い、その支払いに、京都までのフリープランでもらえる地域共通クーポンを利用するという選択肢です。

 定期観光バスは、コースによって「Go Toトラベル」の対象となるものとならないものがありますし、現地のバス事業者窓口、旅行会社店舗も、地域共通クーポンを使えるところとそうでないところがあるので、事前によく計画することが重要でしょう。

さらに自治体の交通費支援も!

「Go To」と併用可能な、都道府県など自治体独自の支援制度も増えています。

 高知県は、県内での宿泊客に、往復の交通費をひとり当たり最大5000円、補助するキャンペーンを行っています。宿泊は「Go To」の割引で予約した上で、往復の交通は自身で手配する場合に有効です。高速バスや鉄道を個人で手配した場合は、後日、領収書などの必要書類をそろえ、事務局に郵送するとキャッシュバックされます。

 さらに、旅行会社のホワイト・ベアーファミリーが、名古屋や神戸などから高知への高速バスと宿泊がセットになったフリープランを設定しています。あらかじめ「Go To」の割引分と同キャンペーンのキャッシュバック分が値引きされているので、驚くような旅行代金で予約できます。

 北海道の主な高速バス事業者は、道庁の補助を活用し、「RAKUTOKUBUS14 プレミアムクーポン」を販売しています。7000円で購入すると、道内のほとんどの高速バス、空港連絡バスなどに1万円分、乗車することができるというものです。また市町村ベースの支援制度もあり、たとえば富山県高岡市は、同市を発着する高速バス、観光路線バスを割引運賃で利用できるキャンペーンを実施しています。

 こうした割引率の高いお得なきっぷを、バス事業者が独自に販売している例もあります。例えば、西日本ジェイアールバスらの「西日本エリア高速バス乗り放題きっぷ」です。めいっぱい活用すれば、富山県から福岡県まで広い範囲でJRバスの高速バス路線(一部路線は対象外である一方、JRバス以外の一部の共同運行先も対象)が連続する5日間、乗り放題となって9800円です。上手に旅程を組むことができれば、大変お得なきっぷです。

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「西日本エリア高速バス乗り放題きっぷ」の対象範囲(画像:西日本ジェイアールバス)。

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 本記事でご紹介した特典や商品は、いずれも期間限定のうえ、上限数に達したら終了となるものも多く、また特典の利用などに様々な条件があります。「Go Toトラベル」公式サイトを始め、各事業者や自治体などが発表する情報をよく調べてからご利用ください。