エスカレーターの速度はどれくらいでしょうか。なかには遅いものも、速いものも存在します。
エスカレーターには、妙に遅いと感じるものもあれば、「いくぶん速度が速くなっています」などと放送が流れるものもあります。実際にはどれくらいなのでしょうか。
日本エレベーター協会によると、エスカレーターの速度は「通常は分速30m」とのこと。時速キロに換算すれば1.8km/hです。ちなみに、不動産の案内で「駅から徒歩〇分」などと表す際のスピードは、分速80m、イコール4.8km/hですので、歩く速度の半分以下となります。
エスカレーターの速度はどれくらいか。写真はイメージ(画像:bee32/123RF)。
エスカレーターの速度は建築法令で定められており、角度により異なります。勾配が8度までなら定格速度は分速50m(3km/h)以下、30度までなら45m(2.7km/h)以下、35度までなら分速30m(1.8km/h)以下とのこと。日本エレベーター協会によると、一般的に角度は30度のものが主流だといいます。
つまり、「角度30度で分速30m(1.8km/h)」が、エスカレーターにおけるひとつの基準と言え、「いくぶん速度が速くなっています」といった放送が流れるものは、多くが分速40m(2.4km/h)だそう。
なお、定格速度の最大が分速50m(3km/h)とされる勾配8度までのエスカレーターというのは、いわゆる「動く歩道」が該当します。
遅いほうは? 歩くスピードと比べるとどうかでは遅い設定はどうでしょうか。
日本エレベーター協会によると、スーパーマーケットなど高齢者などがよく利用するような場所では、分速20m(1.2km/h)前後のものが見られるといいます。歩くスピードと比較すれば3分の1以下です。ただ、基準はメーカーによりまちまちのようです。
たとえば三菱電機は、分速15m(0.9km/h)を「超低速」、分速20m(1.2km/h)を「低速」、分速30m(3km/h)を「標準」としています。JR西日本のグループ会社が展開している駅舎用エスカレーターの場合は、分速10m(0.6km/h)を「低速」、分速20mを「中速」、分速30mを「高速」としています。
なお、日本エレベーター協会によると、多くのエスカレーターの速度は一定で、これを変えるには改修する必要があるといいます。現在は速度をスイッチで切り替えられる商品もあるものの、実際には、一定の速度で運用されるケースが多いそうです。