ついに営業車両の第一編成も納入された芳賀・宇都宮LRT。開業時期は1年遅れの2023年3月が見込まれています。
栃木県で建設が進む次世代型路面電車、芳賀・宇都宮LRTの建設状況を2021年6月18日(金)に見てきました。
LRTをめぐっては、4月下旬に路線愛称「ライトライン」ならびに全19の停留所名称が決定、5月下旬には営業車両の第一編成が納入され、6月下旬からは地元の人に向けた車両見学会も始まるなど、局面が慌ただしく動いています。
一方、路線の開業時期については2022年3月とされていましたが、2021年1月、新型コロナの影響や工事の遅れなどから、1年延期の2023年3月を目指すこと、さらに事業費も約200億円増しになる見込みであることが宇都宮市から発表されました。前出した車両の納入についても、当初予定から約2か月遅れて実現したものです。
開業延期の発表からおよそ半年、線路はどこまでできているのでしょうか。
建設中の車両基地に置かれたLRT車両第一編成(2021年6月、中島洋平撮影)。
起点となる宇都宮駅東口の広場には以前、名物の餃子などを提供する飲食店の仮設店舗などがあり観光客でにぎわっていましたが、その広場はすっぽり目張りされています。ここでは高層の複合施設などからなる再開発が進行中で、2020年11月時点よりも、建設中のビルが“高く”なってきています。
ここから東へ3kmほど、大型商業施設「ベルモール」の先までは、既存の道路の中央空間に線路が構成される予定。現在は中央空間と拡幅される道路端の空間がバリケードで囲われていました。
11月時点と比べて工事が大きく進んでいたのは、ベルモールの先、線路が道路から専用の高架へ移る地点です。
道路から離れた専用の線路は、広大な田んぼを貫きます。高台から眺めていると、シラサギが飛び立った先に「電車」を発見しました。
納入されたばかりの第一編成は、田んぼのなかに建設中の車両基地内にポツンと留め置かれており、その姿は近くを通る新4号国道からも見ることができます。車両基地内は架線(車両が電気を得るための電線)の柱は立っているものの、線そのものは一部しか張られておらず、建屋もまだ骨組みの状態。建設の真っ最中といったところです。
その先、専用の線路は鬼怒川へ向かい農村地帯を貫きますが、この区間は用地買収の遅れが伝えられており、11月に訪れたときと同様、途中でルートを見失ってしまいました。とはいえ、11月には農地のなかに杭だけが打たれていたところも、コンクリートなどで線路の土台ができつつあるなど、進捗を感じられました。
鬼怒川を渡ったあと、線路は河岸段丘を一気に駆け上り、清原工業団地内を進みます。この工業団地内はもともとモデル工区とされていることもあり、工事も最も進んでいます。
最も工事が進んでいるグリーンスタジアム前付近(2021年6月、中島洋平撮影)。
清原地区市民センター前停留所には、様々な交通への乗り換え拠点「トランジットセンター」の建設も進んでいたほか、次のグリーンスタジアム前停留所付近は、レールの敷設も済み、架線柱や電車用信号まで設置されていました。
清原工業団地から先のゆいの杜地区や、芳賀町内のエリアは、道路の中央に線路が設けられる予定ですが、その姿はまだ見えていません。しかし高架橋(グリーンスタジアム前~ゆいの杜西)の建設や道路の拡幅などが進んでいました。
終点の手前、芳賀町工業団地管理センター前~かしの森公園前間には、急なアップダウンもあります。ここに限らず、このLRTは随所で“山あり谷あり”な地形を進むことになりそうです。

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