高速道路上に、これまで存在しなかった「トンネル」が作られているところがあります。自然の脅威に対抗するため、山を削ったところを再度「山」にするという大工事が風景を一変させています。
NEXCO東日本が2024年6月、上信越道で実施しているトンネル上の高さ70mの岩山(岩塊)を削り取る「北野牧工事」の現場を一般公開。岩塊を覆う「足場の要塞」で何が行われているかを一目見ようと、2000人弱の応募者から選ばれた72人が参加し、その注目度の高さが改めて印象付けられました。
上信越道の蓬平地区。手前の“トンネル”はもともとなかった(乗りものニュース編集部撮影)。
その上信越道では、時を同じくして、真逆の工事も行われています。山を削り取って開通させた場所へ、新たに“山をつくる”というものです。
場所は長野県坂城町、坂城ICの北側「蓬平(よもぎだいら)」地区です。ここは山を大規模に削った切土区間ですが、現在、291mに渡って門型のカルバートが構築され、トンネルのようになっています。
蓬平地区は、1997年の開通前の建設時から、「流れ盤」と呼ばれる地質の表層崩落が発生するなど、地盤の悪い場所でした。現場の斜面にはおびただしい数のグラウンドアンカーが撃ち込まれているほか、センサー類でいまも地盤の変異を常時監視していることがわかります。
その抜本的な対策として選定されたのが「押え盛土」と呼ばれる工法です。
本線上にカルバートを構築し、その上に大規模な盛土をします。
現在はカルバートの頂部が一部完成しており、2024年度からいよいよ、盛土の施工が本格化するため、今後、周辺の風景がかなり変わってくると考えられます。なお、工事にあたって、高速道路ををまたいでいた跨道橋を1本撤去していますが、最終的には盛土に沿って、付け替え道路が設けられる予定です。
この工事も、老朽化に伴う“造り替え”に相当する大規模更新の一環です。同様の押え盛土工事は今後、NEXCO西日本管内の山陽道 木見支線(兵庫県)でも行われる予定です。

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