「世界最速のプロペラ旅客機」として知られているのが、旧ソ連・ツポレフ設計局が手掛けた「Tu-114」です。そのスペック上の速度はジェット旅客機なみの870km/h。
「世界最速のプロペラ旅客機」として知られているのが、旧ソ連(現ロシア)のツポレフ設計局が手掛けた「Tu-114」です。そのスペック上の速度はジェット旅客機なみの870km/h。どのようにこのスピードを実現したのでしょうか。
ツポレフ「Tu-114」(画像:Clemens Vasters[CC BY〈 https://bit.ly/3UKH1t8〉])。
この機体はスピードだけではなく、大きさや形状も、ほかのプロペラ旅客機にはないほどユニークです。長さは約55mで、プロペラ機ながら、ボーイング社初のジェット旅客機「707」や、そのライバルのダグラス社「DC-8」より大型です。また脚も非常に長く、他の機体と比べると明らかに胴体が高い位置にあるスタイルが特徴でした。
さらに巡航速度だけでなく、航続距離の長さも驚異的で、1万km近く飛ぶことができたと記録されています。
しかし、この機の最大の特徴は搭載されているエンジンです。エンジン1基の同軸上にプロペラが2枚重ねられた「二重反転プロペラ」を搭載した大型エンジンが搭載されているのです。この2枚のプロペラはそれぞれが左右逆方向に回転するようになっており、エンジン回転方向の反対側に働く力「反トルク」をそれぞれが打ち消します。
この機は、国営航空会社アエロフロートの主力として運用され、JAL(日本航空)が1967年に東京~モスクワ線を開設した際には、JALとアエロフロートの共同運航便として、アエロフロートのTu-114の機内にJALの乗員が乗り込む形で運航されました。
「アエロフロートで最も信頼性の高い航空機の1つだった」とロシアで称されるほど評価の高い機体でしたが、後継機の出現などで30機程度の製造にとどまっています。
ちなみに、Tu-114は旧ソ連の爆撃機Tu-95の設計をベースに旅客機として運用できるよう設計変更が実施された機体で、設計・製造は2年という短さだったとか。旅客型のTu-114はすでに退役しているものの、Tu-95は2020年に最新改良型が初飛行に成功しているなど、いまも健在です。

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