1日限りで、青函トンネルが開業した当時の情景がよみがえります。7月4日、「青函トンネル1期生」の快速「海峡」が13年ぶりに復活するのです。

ただその復活は、今回が最初で最後かもしれません。青函トンネルは来春、激変します。

「一本列島」当時の風景が

 青函トンネルをくぐり抜け、かつて本州と北海道を結んでいた快速「海峡」が2015年7月4日(土)の1日限りで、13年ぶりに復活することになりました。

 快速「海峡」は1988(昭和63)年3月13日の青函トンネル開業と共に、青函連絡船からその役割を受け継ぐ形で誕生しました。つまり「青函トンネル1期生」の列車です。しかし2002(平成14)年、特急「スーパー白鳥」の運転開始で世代交代。運行を終了しています。

 来年の2016年3月、北海道新幹線開業に伴って大きく姿を変える青函トンネル。その前に1日だけ「青函トンネル1期生」の快速「海峡」が復活し、27年前に青函トンネルが開業した当時の風景がよみがえる、というわけです。

 また青函トンネルが開業した1988年春には、本州と四国を結ぶ瀬戸大橋も開業。そのダイヤ改正は、「一本列島」というキャッチコピーで行われました。今回の快速「海峡」復活は、「一本列島」が実現した当時の姿が再現されるものでもあります。

名物駅弁「青函トンネル弁当」も復活

 快速「海峡」は2015年7月4日(土)に臨時快速「復活 海峡号」として、青森~函館間で1往復運転。時刻は青森発9時44分の函館着13時2分、函館発13時38分の青森着17時34分の予定です。ED79形電気機関車が14系客車をけん引し、運行されます。

 また車内では、青函トンネル内にかつて存在したものの、北海道新幹線の工事で営業を終えたふたつの海底駅について、その駅名標と記念撮影できるほか、駅スタンプの押印も可能とのこと(函館行き列車は旧・竜飛海底駅、青森行き列車は旧・吉岡海底駅の駅名標・スタンプ)。

 臨時快速「復活 海峡号」へ乗車するには、この列車を使った旅行商品への申込みが必要です。JR北海道のツインクルプラザなどでは6月9日(火)の14時から、JR東日本のびゅうプラザでは6月15日(月)の14時から発売されます。また旅行商品には、かつての名物駅弁「青函トンネル弁当」、記念乗車証が付くそうです。

 快速「海峡」の復活は、今回が最初で最後になるかもしれません。この列車に使われているED79形電気機関車が北海道新幹線開通後、青函トンネルの仕様変更によってそこを通れなくなるからです。1年後の青函トンネルにはもう、緑と白のツートンカラーをした鼻の長い車両が行き交っています。

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