山形新幹線で定期列車の通常ダイヤでの運転が再開しました。故障が発生した新型E8系の複数の編成は使用できないため、「今動かせる」編成を動員している状況です。

E8系5本が相次ぎ故障

 山形新幹線は、2025年6月17日に新形E8系の複数の編成で故障が発生したため、一部の直通列車を除いて福島~山形・新庄間で折り返し運転が行われてきました。しかし、故障原因と対策に目処がついたため、8月1日から定期列車が通常ダイヤで運行されることになりました。

「山形新幹線」けっきょく何本使えるの? お盆は“在来線も使っ...の画像はこちら >>

2025年8月から定期列車が通常ダイヤに復帰する山形新幹線「つばさ」。写真はE3系(柴田東吾撮影)

 山形新幹線のE8系はG編成とも呼ばれています。2024年3月のダイヤ改正から山形新幹線の「つばさ」として営業運転を開始しており、2026年春までにG1~G15編成の15本がそろう予定で製造が続けられています。

 E8系が故障した2025年6月の時点では、G1~G9編成が営業運転で使用され、G10編成とG11編成が納入されて試運転を行っているという状態でした。

 JR東日本の発表によると、車両故障の原因は補助電源装置の不具合によるものです。既存の報道等をまとめると、状況は以下のとおりです。

・G1~G6編成:調査により不具合が発生しないことを確認
・G7編成:東京新幹線車両センターで故障(6月30日)
・G8編成:小山駅で故障
・G9編成:奥羽本線福島~笹木野間走行中に故障
・G10編成:郡山駅停車中に故障
・G11編成:宇都宮~那須塩原間を走行中に故障して立ち往生

 G8~G11編成は6月17日に故障しましたが、G7編成も6月30日に故障が発見されたとしています。

既存のE3系はどれが残っているのか?

 また、2025年7月末現在、G12~G14編成が搬入または製造過程にあります。

・G12編成:山形新幹線車両センターに搬入済み
・G13編成:山形新幹線車両センターに向けて納入中
・G14編成:川崎車両で製造中

 2025年7月末の時点で、E8系はG1~G6編成の6本が営業運転に使用できますが、G7編成以降の5本が故障して使用できず、さらに3編成が製造またはJR東日本へ納入過程にあります。

 新形のE8系が登場したことで、今まで山形新幹線で使われてきたE3系の置き換えが進んでいます。

山形新幹線のE3系はL編成とも呼ばれており、2025年7月末の段階でL65・L68~L72編成の6本が残されています。このうち、L65編成は2023年に登場当時の銀色の車体色を復刻し、ファンから「銀つば」とも呼ばれています。

 定期列車が通常ダイヤに戻る8月初旬の段階では、不具合が発生しないことが確認されたE8系6編成のほか、E3系6編成を合わせた12編成の体制で運行される見込みです。

 E8系の製造予定数が15編成ということを踏まえると、単純計算で8割程度の「戦力」でお盆輸送に臨むことになるためか、運転を予定していた臨時列車の一部は運休せざるを得ない状況です。

 このような状況を受けて、お盆期間の8月9日~17日は、山形方面へのアクセスを増強すべく、奥羽本線の福島~米沢間で臨時快速列車を運行して米沢~山形間の普通列車と接続させるほか、仙山線では仙台~山形間の快速列車や普通列車の一部を6両編成に増やして運行する予定です。

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