海外旅行などで国際線の旅客機に乗ると、機内食が提供されます。これらは飛行機での旅の大きな楽しみの1つでもありますが、安全上の理由から、機内では火を使う調理はできません。
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実は機内食は、地上で調理されたものが温度管理された状態で機内に運び込まれます。そして提供する直前に、「ギャレー」と呼ばれる機内キッチンのオーブンで温めているのです。
なお、機内で使われる加熱機器は、電子レンジだけではありません。蒸気や熱風を活用するオーブン(スチームオーブン/コンベクションオーブンなど)で、メインディッシュを温める方式も広く用いられています。
たとえばANAの例では、スチームオーブン1台で通常32食を一度に温められるとされており、複数の食数をまとめて効率よく準備できる仕組みになっています。
このオーブンには、型によっては「ドライモード」や「保温モード」が選べるものや、一部で解凍機能を備えるものも存在します。
こうしたプロ仕様の装備があるからこそ、空の上でも美味しい食事が楽しめるのです。
空の上では「味が薄くなる」!? 気圧と乾燥がもたらす味覚の不思議他方で、機内食を食べていて「地上で食べるより味がはっきりしている」と感じたことはありませんか。これには、人間の味覚の不思議な変化が関係しています。
飛行機内のギャレー(画像:写真AC)
機内では、客室の乾燥や気圧などの影響で、塩味は2~3割、甘味は1~2割ほど弱く感じるという指摘があります。機内の環境変化によって、私たちの味覚が地上よりも鈍くなってしまうのです。
そのため、機内食の味付けは単に塩分を増やすのではなく、出汁(うま味)を強めたり、香辛料やハーブを多用したりして、味がぼやけないよう工夫されています。
また、機内のような騒音環境下では、甘味が抑えられる一方で「うま味」は強く感じられる傾向があるという研究もあり、トマトジュースなどの飲み物が機内で好まれやすい一因ともいわれています。
最近では、こうした機内食を自宅で楽しめる通販も人気ですが、メーカーによってアプローチはさまざまです。
JALでは、機内ではスチームオーブンで加熱するメニューを、「家庭の電子レンジで調理して美味しく仕上がるよう特別にアレンジ」した商品を展開しています。
一方でANAは、通販用でも「味の変更や調整は一切しない」という方針を掲げ、機内で提供するものと全く同じ味付けのメニューを、冷凍や梱包の工夫によって家庭へ届けています。
ふだん何気なく食べている機内食ですが、そこには「アツアツ」を届けるための高度な技術と、空の上ならではの繊細な味の計算が隠されているようです。

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