9月4日、新潟競馬場で3歳以上による重賞、GⅢ新潟記念(芝2000m)が行なわれる。

 このレースはハンデ戦ということもあって波乱の傾向も強く、昨年は12番人気(単勝4280円)のマイネルファンロンが勝利し、3連単は26万4560円の大波乱。

また、2013年には10番人気→8番人気→7番人気の決着で3連単55万8010円という高配当を記録している。

新潟記念の本命、ヒートオンビートの信頼度は? 穴馬候補は波乱...の画像はこちら >>

重賞初勝利を狙うヒートオンビート

 過去10年で1番人気馬の結果は2勝、2着2回。ほかの重賞レースに比べて低い勝率・連対率になっているが、人気が割れがちなレースで、1番人気馬も高配当のケースが多いため、信頼度が低いのも致し方ない。2015年の1番人気ミュゼスルタン(16着)も6.1倍と、普通なら3番人気馬くらいにつきそうなオッズだった。

 一方、この10年で最も支持された1番人気馬は2018年のブラストワンピース(1.8倍)で、見事に勝利を収めている。ある程度の人気を集めれば勝利の可能性は高いと見ていいだろう。


 今回、信頼を寄せていいくらい人気を集めそうなのがヒートオンビート(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。同馬は重賞未勝利だが、昨年春からGⅡ目黒記念2着、GⅢチャレンジC2着、GⅢ中山金杯3着、GⅡ日経賞3着、GⅠ天皇賞(春)4着、GⅢ七夕賞2着と、重賞戦線で惜しい競馬を続けている。七夕賞は57kgを背負い、軽ハンデ54kgのエヒトに勝ちを奪われた形になったが、末脚を武器とする馬だけに、直線の短い福島競馬場が合わなかったということもあるだろう。

 日経賞は1着から0秒1差でクビ+クビの3着だったが、勝利したタイトルホルダーは続く天皇賞・春とGⅠ宝塚記念を圧勝。2着のボッケリーニも次走のGⅡ目黒記念で勝利するなど、強敵相手に大健闘の3着だったことがわかる。新潟は初となるが、左回りでは中京芝2200mの美濃Sを勝ち、目黒記念でも2着と、好成績を残しているため問題はなさそうだ。


 配合は父キングカメハメハ、母がGⅠ桜花賞馬マルセリーナ、兄がGⅢ京成杯のラストドラフト、母の父がディープインパクトという血統。新潟記念はキングカメハメハ、ディープインパクトといったトップ種牡馬の血を持つ馬が強く、2019年はユーキャンスマイル、20年はブラヴァスとキングカメハメハ産駒が連覇している。特にブラヴァスは、母の父がディープインパクトであること、母がGⅠ馬(ブラヴァスの母はGⅠヴィクトリアマイルを勝ったヴィルシーナ)であること、前走の七夕賞で2着だったとこともヒートオンビートと共通している。

 さらに2014年から16年までは、マーティンボロ、パッションダンス、アデイインザライフと、ディープインパクト産駒が3連覇。2018年の勝ち馬ブラストワンピース(父ハービンジャー)も母の父にキングカメハメハを持っていた。

 そして、ユーキャンスマイル、ブラヴァス、マーティンボロ、パッションダンスがすべて、ヒートオンビートと同じ栗東・友道康夫厩舎というのも注目すべきデータだ。

この血統の特性を完全に把握している調教師だけに、このレースに向けての仕上げはぬかりないはず。自信を持って狙いたい。

 もう1頭は穴っぽい馬から、ゴールドスミス(セン8歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)を推奨する。

 前走の阿武隈S(3勝クラス、福島・芝1800m)を勝ってオープン入り。重賞は初出走となるが、父ステイゴールドの産駒は2021年に12番人気マイネルファンロンが1着、2018年に13番人気ショウナンバッハが3着、2015年に9番人気マイネルミラノが2着、2013年に8番人気エクスペディションが2着と、いずれも人気薄で波乱を演出している。

 血統を見ると、甥に今年の首GⅡゴドルフィンマイルを勝ったバスラットレオン、姉に英GⅠチェヴァリーパークSを勝ったシリアスアティテュードがいる良血。
ゴールドスミスと同じ「馬主がゴドルフィンでステイゴールド産駒のセン馬」といえば、今年のGⅡ京都記念を13頭立て12番人気(単勝5150円)のアフリカンゴールドが逃げ切きっている。同馬も、兄に首GIドバイワールドCのアフリカンストーリーがいる良血馬だっただけに、それに続きたいところだ。

 以上、今年の新潟記念は、本命サイドのヒートオンビート、大穴タイプのゴールドスミスの2頭で勝負してみたい。