ダートの頂上決戦となるGIチャンピオンズC(中京・ダート1800m)が12月4日に行なわれる。

 ジャパンCダートから名称が変更され、舞台が中京競馬場へと移って今年で9回目。

過去8回のうち、1番人気は2勝、2着3回と、可もなく不可もなくといったところだが、伏兵の台頭も頻繁に見られ、3連単では好配当がしばしば生まれている。10万円超えの配当も3度あり、比較的波乱の多いレースと言える。

 ただ今年は、連覇を狙うテーオーケインズ(牡5歳)の断然人気が予想され、同馬を中心にレースが展開されることは間違いないだろう。中日スポーツの大野英樹記者もその点について同意し、こう語る。

「今年のチャンピオンズCは、昨年のレースで6馬身差の圧勝劇を演じて、JRA最優秀ダートホースに輝いたテーオーケインズがどっしりと構えていることは確か。今年は、海外GIのサウジカップ(8着。

2月26日/サウジアラビア・ダート1800m)に出走後、帰国初戦のGIII平安S(5月21日/中京・ダート1900m)は快勝したものの、続く地方交流GIの帝王賞(6月29日/大井・ダート2000m)は4着。当時は、やや状態を落としていました。

 しかしその後、きっちり立て直しを図って、前走の地方交流GIJBCクラシック(11月3日/盛岡・ダート2000m)を完勝。その状態を維持して臨む今回、メンバーも例年に比べて明らかに手薄となれば、逆らうのはどうかと思います」

 そうなると、今年は堅い決着となりそうだが、「2番手争いは大混戦」と大野記者。「ここはヒモ穴で好配当の使者を探したい一戦です」と言って、馬券的な妙味は十分にあるという。

 そこで、大野記者は2頭の穴馬を推奨する。

1頭目は、今回がGI初出走となるスマッシングハーツ(牡6歳)だ。

「出脚が甘く、14番手からの競馬となった前走のGIII武蔵野S(11月12日/東京・ダート1600m)。2番手以下がスローペースになる競馬で、明らかに展開は向いていませんでした。しかも、勝負どころとなる直線を向いたところで中途半端な形となって、スムーズに馬群をさばくことができませんでした。それでも、34秒8というメンバー最速タイの上がりタイムをマークして、4着と好走。その末脚は魅力です。

 また、鞍上の鮫島克駿騎手が『スタートしてからのダッシュが遅いので、ダートスタートとなる今回のほうがいいポジションがとれます』と話していました。加えて、その鮫島駿騎手の進言で今回はチークピーシーズを着けて集中力を高めようとのこと。そこにも期待です」

チャンピオンズCは不動の本命馬がいても馬券的な妙味は十分。穴...の画像はこちら >>

チャンピオンズCでの一発が期待されるスマッシングハーツ

 中京コースでは今年、オープン特別のアルデバランS(2月5日/ダート1900m)を勝利し、平安Sでも4着と善戦しているスマッシングハーツ。ちなみに、地方時代を含めて全7勝はすべて、左回りのコースだ。

「前走から200mの距離延長となるのも、同馬にとっては悪くありません。このレース特有の前が厳しい展開になれば、最後のしぶとい脚が必ず生きるはずで、一発を狙える恰好の舞台と見ています」

 大野記者が推すもう1頭は、短距離路線で力をつけてきたシャマル(牡4歳)だ。

「同馬も侮れない存在です。1200m、1400m戦で結果を積み重ねてきた同馬。前走の地方交流GI南部杯(10月10日/盛岡・ダート1600m)は、デビュー以来初のマイル戦でしたが、ハイペースのなか、しぶとい競馬を見せて3着。悪くない内容でした。

 今回は、さらに200m距離が延びて1800m戦となりますが、それほど胴の詰まった馬体ではなく、体形からは距離延長もこなせると踏んでいます。かかるタイプでもないですし、折り合い面の心配もありません。

短距離を使ってきたスピードを生かして、すんなりと前につける競馬ができるでしょうから、最後まで持てば、粘り込みの目もありそうです」

 シャマルの父スマートファルコンも、ダートの短距離と中距離戦で活躍した馬。5歳秋から7歳にかけて9連勝を飾って、1800m~2100m戦の地方交流GIを6勝している。その血筋からして、距離面での不安はない。

「チャンピオンズCが中京に移設されて以降、その勝ち馬はすべて、前走で地方交流重賞を使っていた馬。地方交流重賞を戦ってきた馬のレベルは想像以上に高く、今年も同様の傾向が続くようなら、この馬にも勝ち負けを演じる資格はあります」

 不動の本命馬テーオーケインズは揺るぎない存在かもしれないが、今年も波乱ムードが充満しているチャンピオンズC。ここに挙げた2頭がオイシイ配当をもたらしてもおかしくない。