3月24日(日)、中京競馬場で4歳以上馬によるGⅠ高松宮記念(芝1200m)が行なわれる。

 昨年の勝ち馬ファストフォースは引退したが、同2着馬のナムラクレアは出走予定。

また、昨年のGⅠスプリンターズS(中山・芝1200m)を勝ったママコチャ、GⅠNHKマイルC(東京・芝1600m)を勝ったシャンパンカラー、前哨戦であるGⅢシルクロードS(京都・芝1200m)を勝ったルガル、GⅢオーシャンS(中山・芝1200m)を勝ったトウシンマカオ、GⅢ阪急杯(阪神・芝1400m)を勝ったウインマーベルなど、新旧の実績馬が揃った。

高松宮記念で期待の2頭は「ミスタープロスペクター系」 過去7...の画像はこちら >>

 そんなレースを血統的視点から占っていこう。過去5年のこのレースで、血統的傾向として目立つのがミスタープロスペクター系の強さだ。

過去7年で、2017年セイウンコウセイ(父アドマイヤムーン)、2018年ファインニードル(父アドマイヤムーン)、2020年モズスーパーフレア(父スパイツタウン)、2021年ダノンスマッシュ(父ロードカナロア)、2023年ファストフォース(父ロードカナロア)と5頭が勝利。さらに、2着馬3頭、3着馬も3頭と、7年合計21頭の3着以内の馬のうち11頭が馬券に絡んでいる。

 今年出走するミスタープロスペクター系の馬で、筆者が本命に推したいのがウインマーベル(牡5歳、美浦・深山雅史厩舎)だ。

 同馬は父が米GⅠケンタッキーダービー(チャーチ・ダート2000m)、米GⅠプリークネスS(ピムリコ・ダート1900m)を勝った米2冠馬アイルハヴアナザー。父系を遡ると、4代父にフォーティナイナーに辿り着くが、そのフォーティナイナーは前述のセイウンコウセイやファインニードルの父、アドマイヤムーンの父系祖父でもある。2017年の3着馬レッドファルクスも、父スウェプトオーヴァーボードを経由して、父系曽祖父にこのフォーティナイナーの血を持っている。

 ウインマーベルは母系もこのレース向きで、母の父フジキセキの産駒は2008年ファイングレイン、2010、11年キンシャサノキセキとこのレースを3勝。父系、母系ともに高松宮記念に向いている血で構成されているのだ。

 現在ウインマーベルは、GⅡ阪神C(阪神・芝1400m)、GⅢ阪急杯(阪神・芝1400m)と、芝1400mの重賞を連勝中。

芝1200mでも実績はあり、今回と同じ条件で行なわれた2022年の葵Sのほか、同年のGⅠスプリンターズS(中山・芝1200m)でもクビ差の2着と、GⅠでも差のない競馬を見せている。

 高松宮記念には昨年も出走したが、不良馬場が影響したのか10着。ただ、やはり重馬場だった2歳時の未勝利戦(新潟・芝1200m)では勝利しているように、道悪馬場はこなせるタイプなので、昨年ほど悪くならなければ問題ないだろう。

 もう1頭もミスタープロスペクター系から、シャンパンカラー(牡4歳、美浦・田中剛厩舎)を推す。父ドゥラメンテの産駒は天皇賞・春(京都・芝3200m)を勝ったタイトルホルダーから、GⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)を勝ったリバティアイランドやスターズオンアース、ダートの地方交流GⅠレースを勝っているアイコンテーラーやヴァレーデラルナといったように、さまざまな条件で勝利している。そんな中で、まだ1200mのGⅠ馬は出ていないが、シャンパンカラーは過去のこのレースの勝ち馬と共通点が多い。

 父ミスタープロスペクター系・母の父ダンチヒ系の配合は、前述のダノンスマッシュ(母の父ハードスパン)、モズスーパーフレア(母の父ビロングトゥミー)と、父キングカメハメハ系、母系にストームキャットを持つ2013年の勝ち馬ロードカナロア(父キングカメハメハ、母の父ストームキャット)と共通するのだ。

 父の父キングカメハメハは距離や芝、ダート問わず活躍馬を送り出した万能種牡馬で、ドゥラメンテもそういった面を見せつつあるだけに、父の可能性を広げる新たな一歩を踏み出してほしいものだ。

 以上、今年の高松宮記念、ミスタープロスペクター系の2頭、ウインマーベルとシャンパンカラーの2頭に期待する。