12月3日(日)、中京競馬場で3歳以上馬によるGⅠチャンピオンズC(ダート1800m)が行なわれる。

 今年は、地方交流GⅠJBCレディスクラシック(大井・ダート1800m)勝ち馬のアイコンテーラー、GⅠ皐月賞(中山・芝2000m)勝ち馬のジオグリフ、2021年の勝ち馬テーオーケインズ、GⅠホープフルS(中山・芝2000m)勝ち馬のドゥラエレーデ、昨年の地方交流GⅠジャパンダートダービー(大井・ダート2000m)を勝ったノットゥルノ、帝王賞(大井・ダート2000m)など地方交流GⅠ3勝のメイショウハリオ、GⅠフェブラリーS(東京・ダート1600m)と地方交流GⅠマイルチャンピオンシップ南部杯(盛岡・ダート1600m)を勝ったレモンポップと、7頭のGⅠ/地方交流GⅠ馬が出走を予定している。

豪華メンバーとなったレースを血統的視点から占っていこう。

チャンピオンズCに強いキングカメハメハ産駒は今回も信用できる...の画像はこちら >>

 このレースに最も強い種牡馬はキングカメハメハ。2013年ベルシャザール(当時のレース名は「ジャパンCダート」で阪神・ダート1800m)、2014年ホッコータルマエ、2020年チュウワウィザード、2022年ジュンライトボルトと4頭の産駒が勝利している。さらに、昨年の2着馬クラウンプライド(父リーチザクラウン)、3着馬ハピ(父キズナ)は母の父がキングカメハメハで、昨年はキングカメハメハの血を持つ馬が上位を独占した。

 今年のキングカメハメハ産駒は、グロリアムンディ(牡5歳、栗東・大久保龍志厩舎)が出走を予定している。

 同馬は昨年も出走して12着に敗れているが、当時は約5カ月ぶりの出走でスタートも悪く、レースの流れに乗れなかった。

その後、地方交流GⅡダイオライト記念(船橋・ダート2400m)を9馬身差で圧勝して重賞初制覇を飾ると、続くGⅢ平安S(京都・ダート1900m)も2馬身半差で完勝。韓国で行なわれた前走のGⅢコリアC(ソウル・ダート1800m)でも2着と力をつけ、万全の態勢でここに臨んでくる。鞍上にクリストフ・ルメール騎手を確保しているというのも自信の表われだろう。

 血統を見ると、母ベットーレが伊GⅢカルロキエーザ賞(カパネッレ・芝1200m)の勝ち馬。最近は母が海外GⅠ馬という馬が増えているので特筆すべき良血ではないが、配合が凝っており、名牝セックスアピールの5×4のクロスを持っている。このクロスは、ロードカナロア産駒アーモンドアイも6×3、ドゥラメンテ産駒リバティアイランドも6×5で持っているクロスであり、キングカメハメハ系の成功パターン。

さらに、リバティアイランドとは母系のレッドランサムやミスタープロスペクターの血も共通している"旬"の配合だ。

 ちなみに、前述の過去にこのレースを勝ったキングカメハメハ産駒4頭は、いずれも本馬と同じ5歳時に勝利している。ベルシャザールとジュンライトボルトは5歳になって本格化し、重賞初制覇、このレースでGⅠ初制覇と成長過程も似ている。チュウワウィザードと同じ大久保龍志厩舎というのも心強いデータだ。

 もう1頭はドゥラエレーデ(牡3歳、栗東・池添学厩舎)を狙いたい。父ドゥラメンテは、リバティアイランドやタイトルホルダーなど、芝中長距離ホースの父として名を馳せている。

先週のGⅠジャパンC(東京・芝2400m)でも2着リバティアイランド、3着スターズオンアース、5着タイトルホルダーと、出走した3頭すべてが入着して存在感を示した。ダートでも、昨年と今年のJBCレディスクラシックをヴァレーデラルナ、アイコンテーラーで連覇するなど、適性の高さを示している。

 今回はアイコンテーラーも出走を予定しているが、ドゥラエレーデは母の父がオルフェーヴルというのがポイント。オルフェーヴルは今年のGⅠドバイワールドC(メイダン・ダート2000m)を勝ったウシュバテソーロ、2021年の米GⅠBCディスタフ(デルマー・ダート1800m)を勝ったマルシュロレーヌを出すなど、最近はダートでの実績が目覚ましい。

ドゥラエレーデ自身もダート1700m戦で初勝利を飾り、ダート1900mのGⅡUAEダービーで2着と、すでにダートで高い適性を示している。ダートはまだ2戦で1勝、2着1回と"底"を見せていないのも魅力だ。

 以上、今年のチャンピオンズCは、キングカメハメハ産駒グロリアムンディ、ドゥラメンテ産駒ドゥラエレーデの2頭に期待する。