7月9日(日)、中京競馬場で3歳以上馬によるGⅢプロキオンS(ダート1400m)が行なわれる。

 このレースは京都競馬場改修工事の影響で、2020年は阪神・ダート1400m、2021、22年は小倉・ダート1700mで行なわれており、中京・ダート1400mで開催されるのは4年ぶり。



プロキオンSは「コースの傾向」を見るべし 血統的視点で意外な...の画像はこちら >>

前走の京都競馬場グランドオープン記念を勝利したドンフランキー

 そもそも、中京で行なわれるようになったのも2012年からで、この条件での開催はまだ8回のみだ。ゆえに、「レースの傾向」よりも「コースの傾向」を基にしたほうがよさそうなので、中京・ダート1400mの過去約10年のデータを参考に、血統的視点から分析していきたい。

 2013年以降の種牡馬別成績で最多勝を誇るのは、ヘニーヒューズとダイワメジャーの23勝で並んでいる。「ダイワメジャーがトップタイ」というデータは、血統に詳しい人でも意外に思うかもしれない。ダイワメジャーの1200を超えるJRA勝利数のうち、ダートは約33%の430勝で、どちらかというと芝のほうが得意な種牡馬だからだ。

 JRAでは重賞48勝を数えるが、ダートの重賞勝利はない。
そんなダイワメジャーだが、ダート1400mの通算勝利数112は、ダートで通算967勝を誇るキングカメハメハの109勝をも上回る数字。隠れた得意条件と言ってもいいだろう。地方ではこの距離でブルドッグボスが地方交流GⅠJBCスプリント、デュープロセスが地方交流GⅢ兵庫ゴールドトロフィーを勝利している。

 今回はそんなダイワメジャー産駒からドンフランキー(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)を本命に推す。

 同馬は、前走の京都競馬場グランドオープン記念(京都・ダート1200m)を勝っての参戦。途中からハナを奪っての逃げ切りと1200mでスピード能力を見せたが、1200mはこのレースが初めて。
それまでの4勝はすべて1400mだった。中でも、中京・ダート1400mは2戦2勝。今年1月の遠江Sでは2着に2馬身半差をつけて逃げ切っている。1400mでも1200mでも能力を発揮できるタイプだ。

 血統を見てみよう。母ウィーミスフランキーは、2歳時に米国でオールウェザー7F(約1400m)の米GⅠデルマーデビュータントS、ダート8.5F(約1700m)の米GⅠオークリーフSを勝利。
ダイワメジャーとの間にドンフランキーのような馬を出したのも頷けるだけに期待したい。

 もう1頭はタガノビューティー(牡6歳、栗東・西園正都厩舎)を推す。前述のように父ヘニーヒューズは、2013年以降における中京・ダート1400mの最多勝タイ種牡馬であり、2020年から昨年までのJRAダートリーディングサイアー。今年もトップを走っている。JRA全520勝のうち、ダートは491勝(約94%)を占めていて、1400mはモーニンによるGⅢの根岸Sを含む、最多の139勝を誇っている。

 タガノビューティーも父の産駒の傾向どおり、1400mは1600mと並ぶ3勝と得意条件。

リステッドのコーラルS(阪神)、オープンの欅S(東京)を勝利していて、根岸Sでも3着、4着と好走している。

 今年で6歳になるが、3月に前述のコーラルSを勝ち、前走は地方交流GⅠかしわ記念(船橋・ダート1600m)で2着と好走。キャリア29戦、重賞挑戦10回目にして初めての連対であり、6歳を迎えてピークを迎えている感がある。重賞初制覇のチャンスは十分だ。

 以上、今年のプロキオンSは、ダイワメジャー産駒ドンフランキー、ヘニーヒューズ産駒タガノビューティーの2頭に注目する。