女子ゴルフ界のニューヒロイン候補
清本美波インタビュー(前編)

注目度No.1の女子プロゴルファー・清本美波 プロテストにト...の画像はこちら >>
 698人が受験した2023年のJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)プロテストにおいて、トップ合格を果たしたのは、愛知・誉高校の3年生だった清本美波だ。

 2024シーズンの戦いをかけたファイナルQTこそ結果が伴わず、今季はステップ・アップ・ツアーが主戦場となるが、所属先もジェイテクトに決まり、PGM(パシフィックゴルフマネージメント)ともスポンサーシップ契約を締結して、注目度No.1の女子プロゴルファーであることは間違いない。

 開幕を目前に控え、プロ1年目に臨む18歳に意気込みを聞いた――。

――プロテスト合格後、忙しい年末・年始を過ごしたようですね。

清本美波(以下、清本)本当にありがたいことに、(トップ合格の)反響がものすごく大きくて。プロテストは初日から楽しむことができて、2023年の一番大きな目標を達成することができました。

 ただ、プロになれたことで、どこかホッとしてしまっている自分がいて、その後に行なわれたファイナルQT(104人中100位)と、新人戦(加賀電子カップ/13位タイ)が悔しい結果に終わっちゃって......。

 今年はそんな悔しい思いをしないように、オフは宮崎やタイで合宿してトレーニングを頑張りましたし、今季の目標を決めました。

ステップ・アップ・ツアーで優勝したいです。

――タイでは同い年で仲がよく、プロの同期でもある馬場咲希プロや與語優奈(よご・ゆいな)プロと一緒だったようですね。

清本 プロテスト合格のお祝いもかねて、父が参加を許してくれました。(アメリカ下部ツアーに挑戦する)馬場ちゃんとは仲がよくて、戦う舞台は違うけれど、連絡を取り合っています。

――ファイナルQTでは葛城ゴルフ倶楽部(静岡県)に吹き荒れた強風に苦しみ、ティーショットが右にいく悪癖を修正できないまま、レギュラーツアーの出場権獲得にはいたりませんでした。3日目を終えた段階で、「ラウンド中にショットに関しては手応えをつかんだ」と話していた一方、翌日のラウンド後には「一晩寝たら忘れちゃうんですね」とあっけらかんと話していたのも印象的でした。

清本 そうなんですよ! 寝たら、丸っきり違うゴルフになっちゃうものなんですね(笑)。

――ファイナルQTの結果は、ゴルフ人生の大きな挫折でしたか。

清本 いや、そんなに引きずるタイプでもないんです(笑)。

――一発勝負のプロテストは「楽しめた」と振り返りましたが、ファイナルQTは楽しめませんでしたか。

清本 初日から完全に独特な空気に飲まれちゃいましたね......。同じ組でラウンドしたわけではないけど、横峯さくらさんをはじめ、テレビで観たことのあるプロの先輩がたくさんいて、どこか気を遣ってしまっている自分がいて。

そうそう、アン・シネさんもいて、メッチャいい匂いがしました(笑)。

――現在、取り組んでいる課題を教えてください。

清本 アマチュア時代を振り返ると、大会の最終日に自分の思ったとおりにクラブを振れないことがあった。自分では気づいていなくても、コーチである父(宗健さん)から、「疲れていてクラブを振れていない」と指摘されることが多かったんです。

 プロになったら、3日間競技、4日間競技になる。まずは最終日までしっかり戦える体力をつけたいのと、もうちょっと飛距離を伸ばしたいので、このオフはウエイトトレーニングを増やして、体のキレが生まれるように取り組んできました。

 あとは、ボールの初速やスピン量、スピンアクシス、アイアンショットのボールが落下する角度など、データを確認しながら目標の数値を定めて、それに近づけるようなトレーニングもやっています。

――一番気になるスタッツは、初速ですか。

清本 そうですね。平均で61m/sは出るようにしたい。夏場はそのぐらいの数値が出るんですけど、それを平均58m/sぐらいになる3月でも出せるようにしたいんです。ボールの初速が上がれば、結果として飛距離も伸びると思いますから。

(つづく)◆清本美波がゴルフをやめようと思った瞬間>>

清本美波(きよもと・みなみ)
2005年8月29日生まれ。愛知県出身。2023年プロテストでトップ合格。日本女子ゴルフ界の新たなヒロイン候補として注目されている。身長153cm。血液型B。