【本格化した7歳馬に期待】

 12月28日(日)、中山競馬場で3歳以上馬によるGⅠ有馬記念(芝2500m)が行なわれる。

 一年の締めくくりとなる大一番に、今年も豪華メンバーが集結。昨年の有馬記念勝ち馬で今年のGⅠエリザベス女王杯を勝ったレガレイラ、GⅠ宝塚記念を勝ったメイショウタバル、GⅠ皐月賞馬ミュージアムマイル、昨年のGⅠ日本ダービー馬ダノンデサイル、2023年のGⅠ日本ダービー馬タスティエーラ、2023年のGⅠ天皇賞・春を勝ったジャスティンパレスと、6頭のGⅠ馬が出走する。

 それでは、血統的視点から有馬記念を占っていこう。近年目立つ血は、ハーツクライだ。直仔は2019年リスグラシューと2023年ドウデュース、孫は2024年レガレイラと、直系で3勝。さらに「母の父」としては、2021年にエフフォーリアが勝利しており、直近6年の勝ち馬のうち4頭がハーツクライの血を持っている。

 今年は、昨年の勝ち馬レガレイラも出走するが、筆者が注目したいのはミステリーウェイ(セン7歳、栗東・小林真也厩舎)だ。

【競馬予想】今年の有馬記念は人気薄馬も見逃せない 血統分析で...の画像はこちら >>

 同馬の父は、ハーツクライ産駒のジャスタウェイ。GⅠ天皇賞・秋(東京・芝2000m)やGⅠドバイデューティフリー(メイダン・芝1800m)を勝った芝マイル~中距離の名馬だが、GⅠジャパンC(東京・芝2400m)2着のほか、有馬記念でも僅差の4着と、2400~2500mでも差のない競馬を見せていた。

 産駒は芝、ダート問わず活躍し、芝の中距離タイプが多いものの、芝2500mは得意としている。98戦とレース数は多くないが、9勝、2着10回で勝率9.2%、連対率19.4%と好成績。地方のダートでも、マスターフェンサーとヴェルテックスが地方交流GⅡの名古屋グランプリ(名古屋・ダート2500m)を勝利している。

 ミステリーウェイは前走、同じ距離のGⅡアルゼンチン共和国杯(東京・芝2500m)で重賞初制覇。9番人気という気楽な立場で、スローペースでの大逃げと展開に恵まれてはいたが、直線で差されそうな手応えから上がり3F34秒6という瞬発力でしのぎきる強い競馬だった。

 昨年の今頃は3勝クラスの条件馬だったが、7歳を迎えた今年に3勝と本格化。4歳秋に重賞を初制覇する馬を"晩成"と表現することもあるため、ミステリーウェイは"超晩成"の部類に入るだろう。

 中山・芝2500mは経験済みで、2戦していずれも2着。勝ちきれなかったが、本格化前の4歳時の走りなので気にする必要はないだろう。東京のほかに、札幌や阪神など大きく異なるコースでも勝利しており、コースは問わないタイプだ。ここ2戦はいずれも9番人気で勝利しているが、3戦連続で人気薄での逃げきりなるか。

【有馬記念の勝ち馬が多い血統にも注目】

 もう1頭も、そこまで人気は高くならなそうなエキサイトバイオ(牡3歳、栗東・今野貞一厩舎)を推す。

同馬の父は、GⅠ日本ダービー(東京・芝2400m)馬で、2018年の有馬記念で2着に入ったレイデオロ。その母の父シンボリクリスエスは、2002、03年の有馬記念勝ち馬だ。

 エキサイトバイオの母の父は、2004年の有馬記念勝ち馬ゼンノロブロイ。さらに、三代母の父レインボーアンバーの父であるアンバーシャダイも、1981年の有馬記念を勝利。そして四代母の父ファーストファミリーが、1980年の勝ち馬ホウヨウボーイの父という血統だ。

これほど"有馬記念色"が濃い血統はなかなかいないだろう。

 エキサイトバイオは、今年のGⅢラジオNIKKEI賞(福島・芝1800m)の勝ち馬。前走のGⅠ菊花賞(京都・芝3000m)は13番人気で出走したが、4コーナー先頭から3着と、粘り強い競馬を見せスタミナを感じさせた。中山コースは初となるが、合いそうなタイプだ。

 以上、今年の有馬記念はジャスタウェイ産駒ミステリーウェイ、レイデオロ産駒エキサイトバイオの2頭に期待する。

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