この記事をまとめると
■エアストリームとポルシェデザインがコラボしてトラベルトレーラーを発表■エアストリーム独特の流線形デザインをポルシェデザインがアレンジ
■ポルシェを持っていなくてても引っ張り出してバカンスに出かけたくなる
キャンプ界の老舗とスポーツカーの雄がコラボ
356の昔から、ポルシェは「実用的スポーツカー」を標榜していますが、それはあくまで日常、普段使いにおいての話。ひと月もふた月もバカンスを過ごす欧米人にとっては「バカンスシーズンで活躍してくれないとねぇ」という気持ちもあってか、ポルシェを実用的に使い倒すならキャンピングカーをけん引してこそ、というのがデフォではないかと。
それは、歴代ポルシェの広報写真を見ても明らかで、まぁキャンピングカーやトレーラーを引っ張っている資料の多いこと。
すると、アメリカ最古のキャンピングカーブランドたる「エアストリーム社」とポルシェのコラボは遅きに逸しているのではないかと思う次第。とはいえ、その出来栄えはエアストリームのキャラ立ちに加え、ポルシェ・デザイン(Studio F.A.Porsche)のクセ強な仕事もあいまって、正直カッコいい! ノスタルジア漂うストリームラインに、現代的なエッジの利いたディテールを加えることで、なるほど「ポルシェで引っ張りたい」と思わせるデザインです。
今回のコラボで注目すべきトピックスは「使わないときはガレージに収容できる」という画期的なコンセプト。え? キャンピングカーって天井高くて、かさばる大きさじゃなかった? そう思うのが一般的でしょうが、ポルシェがデザインするからには切った貼ったの工夫が凝らされ、うまいことガレージに収まるように出来上がっているのです。
具体的には可変式サスペンションを装備することで全高を下げることができ、ほとんどの家庭用ガレージに収容可能とされています。走行中の車高を調整できるため、空力抵抗を減らすことにも貢献。EVでけん引する際にも消費電力の節約も可能となるなど、いまっぽい商品価値ではないでしょうか。
市販化を熱望したいほどのカッコよさ
もちろん、エアストリームといえば独特の流線形デザインがキャラですが、ポルシェは手抜かりなくアレンジ。走行中の空気をきれいに流す効果のあるリヤエンドの形状や、フラッシュサーフェス(平滑)化されたサイド、およびアンダーパネルなど、これまたスポーツカーで颯爽と牽引するのにふさわしいものといえるでしょう。

全長は5m弱ですから、フルサイズと呼べるものではありませんが、大人2名の就寝ができるうえ、天井はエクステンション付きなので、快適さの確保も十分かと。

インテリアのデザインは、コンセプトモデルとはいえ高級ホテルのような仕上がりで、大きく開くテールゲートによって室内と外部に境がないかのような解放感まで味わえます。

なお、このコンセプトモデルは発表会場にもこだわっていて、音楽や映画、そしてテクノロジーの祭典として知られるSXSW(South by southwest)に出品するという目新しさ。アルミやカーボンといった素材を使い、最新の空気力学を転用しているので、そんな会場でもお似合いかもしれません。3分の1のモックアップが展示された模様ですが、それでもインパクトはありすぎるくらいでしょう。
こんなスタイル、そして機能性ならポルシェを持っていなかったとしても引っ張り出してバカンスに出かけたくなるはずですからね。