この記事をまとめると
■今年のお盆は酷い渋滞が発生すると予想されている■交通集中渋滞の大半はドライビングによって軽減できる
■渋滞を悪化させない運転の仕方について解説
今年のお盆の渋滞は前年の2倍以上になる見込み!
高速道路各社によると、今年のお盆期間(8月9~16日)の渋滞は、下りのピークが8月11日、上りが13日で、10km以上の渋滞発生回数は前年比2倍以上の計438回発生と予測されている。最長では45kmに達する見通しも!
高速道路以外でも、海水浴場やレジャー施設、人気の観光地付近でも渋滞は起きる。
これらの渋滞には、工事が原因の工事渋滞や、事故による事故渋滞も含まれるが、一番多いのはいわゆる「交通集中渋滞」だ。
NEXCO東日本によると、2018年に発生した渋滞のうち約73%が交通集中渋滞とのこと。
「渋滞学」では、1時間に約2,000台以上のクルマが走っていると、渋滞が起こるとされているので、特定の箇所に多くのクルマが集中すると、どうしても渋滞するのは仕方がないが、それでも「交通集中渋滞」の大半は、ドライビングによって軽減できる。
よく知られているとおり、渋滞発生の四大ポイントは、サグ部、上り坂、トンネル、合流。
サグ部は下り坂から上り坂に切り替わる部分。ここで速度が低下して、流れが悪くなって渋滞を引き起こすことが非常に多い。上り坂、とくに緩やかな上り坂でも同じことがいえるが、サグ部でも緩やかな上り坂でも、ほんの少しアクセルを踏み足すだけで、渋滞の発生は防げる。
高速道路などで右足が固まったままになり、下り坂では加速し、サグ部でも上り坂では減速するような走り方をしている人は、渋滞発生の元凶であり、大罪を犯していると言っていい。厳しくいえば、上り坂で減速してしまう人は、「ポンコツドライバー」と認定されても仕方がない!

サグ部や上り坂ではそれを知らせる看板が出ているはずなので、それらを見かけたら、アクセルペダルをススッと踏み足すこと。
慣れないうちはスピードメーターを小まめにチェックして、100km/hなら100km/h、80km/hなら80km/hと、つねに一定のスピードを保つことを心がけよう。
ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が搭載されているクルマなら、これを積極的に活用するのが最善の方法。宝の持ち腐れにしている人も多いので、高速道路を走るときはACCをONにすること。速度を一定にして走ると、渋滞が防げるだけでなく、疲労感も減って、目的地にも早く着けるので、いいことだらけだ。
合流後の再加速は素早く
トンネルに関しては明るいところから暗いところに入るのに躊躇したり、圧迫感から減速して進入したくなる心理が働くが、目線を遠くにして、(手動式なら)早めにライトを点灯し、意識的にアクセル開度をキープして(長めのトンネルは水捌けの関係で中央部が盛り上がっているので、気持ちアクセル開度を増やす)トンネルに入るよう心がけよう。
合流部では基本的に車線を変更しないことが大事。合流地点が近づくにつれ、各車が右側の車線に移動しはじめることで、結果として道路全体の流れが悪くなってしまうので、本線側を走るドライバーは車線を変えずに、規則正しく1台ずつ交互に合流する「ファスナー合流」に協力しよう。

その他、高速道路、一般道を問わず肝要なことは、再加速を素早くすること。
料金所を越えたあと、合流を終えたあと、信号が変わったあと、前のクルマが動き出したあとなど、再スタートやペースが回復できるタイミングになったら、間髪入れずに反応して、できるだけ短時間で巡航スピードに戻すこと。いわゆる「ふんわりアクセル」などは、独りよがりの燃費走行で(後続車がいない場合は別)、渋滞の元凶でしかない。
スピーディーなリスタート、リアクションタイムの短さは、そのまま運転スキルの高さを表していると思って、のんびり構えないようにして欲しい。リアクションタイムの長短は、そのまま運転スキルの巧拙に直結していると思って油断しないようにしたい。
もうひとつは、車間距離を空けておくこと。渋滞学では車間距離を40m以上確保して、渋滞吸収走行を心がけることが推奨されている。
そして最大の要諦は、他人にブレーキを踏ませさない運転をすること。
渋滞の主な原因は、前走車との車間距離が詰まり、後続車がブレーキを踏み、それを見た次の後続車もブレーキを踏み……といったブレーキの連鎖にある。
目線は前走車だけでなく、つねに2~3台先まで視野に入れておき、減速が必要なときもなるべくアクセルワーク(アクセルオフ=エンジンブレーキ)で対応し、ブレーキを踏まないのが上手な人。反対にブレーキランプを頻繁に光らせる人は、運転が下手くそな人だと思われても仕方がない……。

さらにネットの渋滞予報などをチェックして、渋滞する時間、渋滞するルートを避けるのも、基本中の基本。
渋滞情報やACCなど使えるツールは全部駆使して、なおかつ一人ひとりの心がけによって、不快で無駄な渋滞を少しでもなくすようにしていこう。