この記事をまとめると
■ポルシェ911が2024年に60周年を迎えることを記念した限定モデルを発売■911 S/Tは911 GT3 RSのパワーユニットに911 GT#ツーリングパッケージのボディを組み合わせる
■専用オプションとして911の歴史を感じさせるヘリテージデザインパッケージも用意される
911 GT3 RSを公道仕様として最適化した限定モデル
ポルシェを代表するモデルといえば、それは911にほかならない。そして911は、最初のモデルが1964年にデビューして以来、ポルシェのアイコンであり続け、2024年には誕生60周年を迎える。
そんな911の60周年を記念するモデルとして発表されたのが、今回の限定モデルである「911 S/T」だ。
その初代911 STのスピリットを受け継いだのが新型911 S/Tというわけだ。911 S/Tは、911 GT3 RSのエレメントに911 GT3 ツーリングパッケージ仕様車のボディを組み合わたものとなる。
525馬力の4リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンにはクロスレシオの6速MTをセット。フロントボンネットやルーフ、フロントフェンダー、インレットを備えたドア、ロールケージ、リヤアクスルのスタビライザー、シアパネルなどはCFRP製とし、マグネシウムホイール、PCCBシステム、リチウムイオンスターターバッテリー、軽量ガラスを採用するとともに、断熱材の削減やリヤアクスルステアリングの省力、パワートレインの軽量化などにより、992世代のなかでもっとも軽量となる1380kgの車両重量を実現。シャープなハンドリングとダイナミックなドライビングエクスペリエンスを提供してくれる。

また、ポルシェのエンジニアは、この911 S/Tのために新しい軽量クラッチを開発。シングルマスフライホイールとの組み合わせで回転質量が10.5kgほど減っており、これによって水平対向エンジンの応答性が向上、息を呑むほどのスピードで回転計が吹け上がる。高回転型エンジンとクロスレシオな6速MTにより911 S/Tは、わずか3.7秒で100km/hまで加速し、最高速度は300km/hに達するという。
60年の歴史を感じさせるヘリテージデザインパッケージも設定
エクステリアでは、ポルシェのグランツーリスモとモータースポーツのノウハウが凝縮される。展開式リヤスポイラーのガーニーフラップやフロント20インチ/リヤ21インチのセンターロック式マグネシウムホイールなどを標準装備。
インテリアでは、標準装備となるCFRP製フルバケットシートが目を引くが、シートは、追加料金無しで4ウェイ調節機能付きのスポーツシートプラスに変更することも可能だ。インストす面とクラスターとスポーツクロノパッケージの時計は、クラシックなグリーンのポルシェカラーで仕上げられる。

さらに、911 S/Tには、オプションで専用のヘリテージデザインパッケージも用意される。新しいエクステリアカラーのショアブルーメタリックと、ホイールリムカラーのセラミカは、とくにエレガントなこのモデル専用のカラーであり、要望に応じてドアには0から99までのスターティングナンバーとデコレイティブホイールセンターキャップを装着することも可能だ。また、フロント、ハブキャップ、ステアリングホイール、ヘッドレスト、車両キーにはそれぞれ、初代911のクラシックデザインのポルシェクレストが奢られ、911 S/Tの歴史的なルーツを強調する。

ヘリテージデザインパッケージ装着車はインテリアも特別で、クラシックコニャックにブラックのピンストライプをあしらった布製シートセンター、セミアニリンレザートリムとエクステンデッドレザー仕上げのツートンカラー(ブラック/クラシックコニャック)、パンチング加工が施されたRace-Texのルーフライニング、ポルシェエクスルーシブマニュファクチャーのそのほかのエレメントもこのパッケージには含まれており、車両リヤの「Porsche」ロゴと「911 S/T」のエンブレムもゴールドとなる。

ポルシェ911 S/Tは、世界で1963台の限定モデルとなり、価格は4118万円。オプションのヘリテージデザインパッケージは262万2000円。
911 GT3 RSの525馬力を発する水平対向6気筒自然吸気エンジンに、初めてマニュアルトランスミッションが組み合わされ、これまでにないドライビングエクスペリエンスを提供してくれる911 S/T。それは911の60周年を祝うに相応しいモデルとなっている。