この記事をまとめると
■2022年WRCで史上最年少チャンピオンとなったカッレ・ロバンペラ選手



■カッレ・ロバンペラ選手はWRCへの参戦だけでなくドリフト競技でも活躍している



■10月7~8日開催のフォーミュラ・ドリフト・ジャパン第6戦への参戦も決定している



2022年のWRCで6勝をマークして史上最年少王者となった

ラリー競技にあまり詳しくない人でも“カッレ・ロベンペラ”という名前は聞いたことはあるだろう。カッレは2000年10月1日生まれのフィンランド出身のラリー・ドライバーで、トヨタGAZOOレーシングWRTの若きエースとして、GRヤリスRally1ハイブリッドのステアリングを握り、2022年のWRCで6勝をマーク、史上最年少の22歳でチャンピオンを獲得した逸材だ。



WRCの史上最年少チャンピオンは「ドリフト」も驚異の実力! ...の画像はこちら >>



もともとカッレはプジョーや三菱のワークスドライバーとして活躍していたハリ・ロバンペラを父に持つ二世ドライバーで、自動車運転免許を取得する前から氷上でドライビングを学び、8歳の時にはドリフト走行をマスター。

筆者が初めてドライバーとしてのカッレの存在を知ったのはそのころで、小さな子どもが氷上でドリフトを決めていく映像に衝撃を受けたものだった。



免許証がなくても競技に参戦できることから、カッレは12歳からラトビアのラリースプリントへ参戦するようになり、2015年にはチャンピオンを獲得している。2017年のラリーGBでWRCにデビューすると、2018年にはシュコダのワークスドライバーに抜擢され、2019年にはシュコダ・ファビアR5を武器にWRC2プロシリーズでチャンピオンに輝いた。



WRCの史上最年少チャンピオンは「ドリフト」も驚異の実力! 10月のフォーミュラドリフト・ジャパンにやってくる天才「ロバンペラ」って何もの?
カッレ・ロバンペラがドライブするシュコダ・ファビアR5



その実績が高く評価されたのだろう。2020年にはトヨタGAZOOレーシングチームWRTのフルタイムドライバーに抜擢され、2021年のラリー・エストニアでは史上最年少記録で初優勝を獲得した。



10月7・8日のフォーミュラ・ドリフト・ジャパンにもやって来る

そして、冒頭でも紹介したように、トップカテゴリーへの参戦から、わずか3年目にして世界一の称号を手にしたのだが、彼のユニークなところは、ラリー競技だけでなく、ドリフト競技でも活躍していることだろう。



GRスープラを武器に、ヨーロッパを舞台に争われているドリフトマスターズ・ヨーロッパ選手権で活躍するほか、5月にはエビスサーキット西コースを舞台に開催されたフォーミュラ・ドリフトジャパン第2戦に参戦しており、GRカローラで圧倒的なマシンコントロールを披露。初出場ながら初優勝を獲得している。



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カッレ・ロバンペラ選手がのドライブでドリフトするGRカローラ



さらに10月7~8日は岡山国際サーキットを舞台に開催されるフォーミュラ・ドリフトジャパン第6戦に参戦する予定で、またしても国内外から多くの注目を集めることになりそうだ。



ちなみに、気になるパーソナリティに関していえば、カッレは見た目こそあどけなさが残る青年だが、やはりプロフェッショナルなドライバーで、取材に対して丁寧に対応。英語の拙い筆者の質問にもきちんと答えてくれるし、ファンに対するサービスも素晴らしい。



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フォーミュラ・ドリフトジャパン第2戦に初出場したカッレ・ロバンペラ選手



コースでは迫力あるドライビングを披露するが、ヘルメットを脱げばなかなかのジェントルマンであるだけに、そのギャップに数多くの人々が彼に魅了されるのだろう。



10月7~8日に岡山国際サーキットで開催されるフォーミュラ・ドリフト・ジャパン第6戦に加えて、11月16~19日には愛知県・岐阜県で開催されるWRC第13戦のラリー・ジャパンでも活躍が予想されている。この秋はカッレから目が離せなくなりそうだ。