この記事をまとめると
■クルマに興味のある若者に人生初の愛車としておすすめしたい10台を選出■比較的高年式で台数が多くさらに100万円以下で購入できるという条件で探す
■多少のトラブルを覚悟して輸入車を所有するという選択肢もアリだ
クルマ好きを育てるクルマは確実にある
自身の愛車遍歴を振りかえるとき、最初に手に入れたクルマのことを覚えている方は多いはず。
先輩から5万円で譲ってもらったポンコツ(失礼!)だったり、親ローンで買った新車だったり、クルマ屋で見かけてその場で衝動買いしてしまったり……。と、人それぞれに何らかの思い出やドラマがあるのではないでしょうか。
以前、憧れのクルマを手に入れた方を取材していたとき「いろんなクルマに乗ってきたけど、最初の愛車がいちばん楽しかったなぁ」といったエピソードをうかがったこともありました。
■何事も最初が肝心? 記念すべき人生初の愛車選び
そんな記念すべき人生初の愛車。「何事も最初が肝心」ということで、クルマに興味のある若い世代の方が、ゆくゆくは「立派なクルマ好き」に育ってくれることを願いつつ、余計なお世話なのを承知で選んでみました。
なお、記念すべき人生初の愛車選びに際して、今回は「車両本体価格100万円以下であること」「比較的タマ数があること」「できるかぎり高年式車であること」の3つの条件を加えています。
1)マツダ・ロードスター(3代目)
・デビュー年:2005年8月
・中古車の平均価格:105.8万円
・中古車の価格帯:20.0万~325.0万円

このテーマでは外せない1台であろうマツダ ロードスター。2代目のNB型はそれなりの年数が経っているし、現行モデルのND型をこの予算で手に入れられるようになるのはまだ先の話。そうなると、3代目のNC型が射程圏内となってきます。
ただし、車両本体価格が100万円リミットとなると、MTであれば10万km前後の個体が多く、納車前、あるいは手に入れてからのリフレッシュは想定しておいた方が良さそうです。MT車に比べてAT車は割安感があるので、コンディション重視であればこちらを選ぶという手もありそうです。
2)スズキ・スイフトスポーツ(3代目)
・デビュー年:2010年9月
・中古車の平均価格:58.7万円(全グレード)
・中古車の価格帯:8万~220万円

人を乗せることもあるだろうし、使い勝手を重視しつつ走りも楽しみたい。となれば、スズキ・スイフトスポーツ(3代目)は、選択肢として外せない1台。車両本体価格が100万円リミットでもタマ数豊富。6速MT、ワンオーナー車、5万km以下の個体も選べます。
クルマ+他の趣味(道具を載せることが多いのであればなおさら)があって、走りと実用性を兼ね備えた1台。昭和の時代には選び放題だったホットハッチの血統を受け継ぐスイフトスポーツ、手堅いセレクトとして候補に挙げておきたいところです。
3)ホンダN-ONE(初代)
・デビュー年:2012年11月
・中古車の平均価格:60.2万円(全グレード)
・中古車の価格帯:8.8万~168.8万円

当初、スズキ・アルトワークス(8代目)を想定していましたが、車両本体価格100万円以下だといかんせんタマ数が少ない! そこで、実用的かつ走りが楽しめて、デザインも魅力的。さらにはタマ数も豊富……ということで、ホンダN-ONE(初代)をチョイス。
今回のテーマのなかでは、予算や好みに応じて理想の1台がもっとも見つけやすいモデルといえます。まずは初代N-ONEを手に入れ、その後に増車! といった展開になったとしても足車として大活躍してくれます。長く付き合える1台であること、間違いなし!
4)スズキ・ジムニー(3代目)
・デビュー年:1998年10月
・中古車の平均価格:57.9万円(全グレード)
・中古車の価格帯:1~398万円

スポーツ系のクルマは求めていない、悪路でもガンガン走れるオフロード向きのモデルを……となれば、スズキ・ジムニーは外せません。現行モデルのジムニーで車両本体価格100万円以下の中古車はさすがに1台もありませんが、先代モデルであれば豊富な選択肢のなかから選ぶことができます。
通勤の足として、趣味で未舗装路を走る機会がある方など、ジムニーだから走ることができる、ジムニーだからこそ「突っ込める道」があることは確かです。
5)マツダRX-8
・デビュー年:2003年4月
・中古車の平均価格:92.5万円(全グレード)
・中古車の価格帯:25万~438万円

ロータリーエンジンを搭載したクルマに乗りたい! それも車両本体価格100万円以下で……となると、唯一の選択肢として候補に挙がるのがマツダRX-8。
ホンの少し前まで、RX-7(FC3SおよびFD3S)もこのなかに含まれていたはずなのに、いつの間にやらポルシェの中古車が買える価格帯の個体も珍しくなくないほどの高騰っぷり。RX-8についても、経過年数および走行距離を考えると、心臓部であるロータリーエンジンの圧縮の数値が気になるところ。リスクを承知で、ロータリーエンジンを堪能する覚悟があるのなら、ぜひ!
輸入車なら国産車にはない体験ができるかも
6)ホンダCR-Z
・デビュー年:2010年2月
・中古車の平均価格:66.2万円
・中古車の価格帯:20万~487万円

デビュー当時、ハイブリッドスポーツモデルとして注目されたホンダCR-Zも、生産終了から早6年。少しずつ街なかで見かける機会も減りつつある印象です。そんな1代限りで終わってしまったCR-Z、ホンダらしい1台として、往年のファンも納得のモデルではないでしょうか。
車両本体価格100万円以下の予算であっても、ホンダ中古車販売店の店頭に並んでいる個体を選ぶこともできます。今後もクルマ好きの記憶に残る1台となるであろうCR-Zを、人生初の愛車に選ぶカーライフっていうのもおおいにアリ、なのでは?
7)フォルクスワーゲン・ゴルフ7
・デビュー年:2013年4月
・中古車の平均価格:186.3万円(全グレード)
・中古車の価格帯:44万~791.5万円

車両本体価格100万円以下で選べる輸入車なんて大丈夫!? という声が聞こえてきそうですが、大切に乗られたワンオーナー車が100万円を大きく切る価格で手に入るのです。そこで、個人的にも推したいのが先代ゴルフ。
予算100万円以下で、濃厚かつ奥深さを知るにはまたとない1台です。最初からこの味を知ってしまったら日本車には戻れないかも!?
8)BMWミニ(現行モデル)
・デビュー年:2014年4月
・中古車の平均価格:224万円(全グレード)
・中古車の価格帯:35万~615万円

まさかのBMWミニ(現行モデル)が、車両本体価格100万円以下で買える!? と知って驚いた方も多いはず。ボディカラーやグレードを問わなければ、なんと走行距離1万km未満の個体も射程圏内です。
ゴルフは魅力的だけど、ちょっと落ち着きすぎ。お洒落で可愛くて、人にもちょっぴり自慢したくなる。まさに「所有感を満たしてくれる人生初の愛車」として、BMWミニでデビューを飾るカーライフっていいかも。さらに、手に入れてから自分好みにカスタマイズする楽しみもありますよ!
9)フィアット500(現行モデル)
・デビュー年:2008年3月
・中古車の平均価格:98.9万円(全グレード)
・中古車の価格帯:10万~304万円

お洒落で可愛くて「映える」人生初の愛車、しかも現行モデルで車両本体価格100万円以下でも選択肢が豊富にある。そんなクルマを探しているとしたら「チンクエチェント」ことフィアット500は外せません。ボディカラーによって印象が変わりますし、さまざまな特別仕様車および限定車が発売されているので、自分好みの1台を見極めて選びたいところです。
「デュアロジック」と呼ばれるトランスミッションはちょっとクセがあるけれど、慣れるとそれもまた楽しいと思えてくるかも。フィアット500のほか、フランス車であればプジョー208という選択肢もあります。
10)メルセデス・ベンツAクラス(3代目)
・デビュー年:2012年11月
・中古車の平均価格:121.5万円(全グレード)
・中古車の価格帯:29.9万~275万円

人生初の愛車はメルセデス・ベンツでスタートを切りたい! そんな方には先代のAクラスという手もあります。もう11年も前になりますが、2012年にメルセデス・ベンツ日本が「NEXT A-Class」と称してオリジナルアニメCMをオンエアしていたことを覚えている方も多いはず。当時、10代だった少年少女だった方たちが大人になり、CMで観たAクラスを買える年代に差しかかっていても不思議ではありません。
■多少のトラブル覚悟で輸入車の世界(沼?)に足を踏み入れてみる
10年くらい前であれば、国産旧車およびネオクラシックカーに属するクルマも「ちょっと頑張れば何とか手が届く価格帯」で売られていました。先日、過去に撮影した画像を整理していたところ、10年ほどまえに近所の中古車販売店で売られていた日産スカイラインGT-R(R32型)を撮影したものを発見。解像度が低いので細かい条件は確認できませんでしたが、販売価格はいまや驚きの89万円。この個体が特別安いというわけではなく、当時は100万円以下のR32GT-Rも珍しくない頃だったと記憶しています。

その後、昭和から平成初期にかけて作られた国産スペシャリティーカー、そしてスポーツカーの価格が相対的に値上がりしてしまったことはご存じのとおり。
20代の方を取材をしていて「ハチロクに憧れて250万円、親ローン(60回)で買いました」といった話をうかがうこともあります。

その代わり……といってはナンですが、比較的高年式の輸入車を安価で手に入れやすくなっています。手に入れてからイバラの道が待ち構えているかもしれませんが、日本車では味わえないフィーリング、デザイン、人との出会いなど……。まさにお金では買えない、プライスレスな体験ができる可能性も秘めています。
■まとめ:「いまだからこそ楽しめるクルマ」がきっとあるはず
2ドアクーペ、2シーター、エアコンレス、フルバケットシート……。あくまでも一例ですが、若いときだからこそ所有できたり、苦にならないクルマや装備があることは確かです。

老婆心ながら「いましか買えないクルマ」「いまだからこそ楽しめるクルマ」がきっとあるはずです。