この記事をまとめると
■ダイハツや豊田自動織機の不正問題によって出荷停止モデルが増えている



■一部の仕様だけなので、不正が発覚したモデルでも販売可能なモデルも残っている



■ライバル車種もいくつか選択肢が残っているので、そちらを検討するのも手だ



自動車業界で負の連鎖が続いている

2022年に日野自動車においてエンジン関連の不正が発覚して以来、トヨタグループが揺れ続けている。



ご存じのように、2023年12月にはダイハツ工業において型式指定の認証業務において三桁の不正が明らかとなり、衝突実験において非正規の方法でエアバッグを展開させたグランマックス/タウンエース/ボンゴの各トラックモデルについては型式指定が取消処分となった。



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さらに、2024年1月にはトヨタグループの源流といえる豊田自動織機において、ディーゼルエンジンに関する不正が明らかとなり、該当エンジンを載せているトヨタ車(ランドクルーザー、ハイラックス、ハイエースなど)の出荷が停止された状態になっている。



不正の影響でタウンエースもハイエースもランクルも買えない……で欲しい人はどうする? 整理してみたら「選択肢」はキチンと残されていた!
トヨタ・ランドクルーザー(300系)の2台並び



結果として、タウンエースとハイエースという日本を代表する商用車が新車ラインアップから消えてしまった……ということで、「まさに悲報」として広まっている感がある。



これは商用車を業務で使うビジネスユーザーだけの問題ではない。タウンエースやハイエースはキャンピングカーのベース車両としても人気があり、そうしたレジャーユースの世界においても大問題となっているのだ。



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レジャーシーンで使用されているトヨタ・ハイエース



ただし、タウンエースとハイエースのすべてが販売停止となっているわけではない。



タウンエース系のトラックモデルは型式指定が取消となってしまい、当分は新車販売が期待できない状態だが、ワンボックスモデルについては国土交通省が基準に適合していることを確認、出荷停止が解除されている。少なくともタウンエースバンは新車で買うことができるクルマとなっているのだ。



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トヨタ・タウンエースバン(4代目)



ハイエースについても同様だ。現時点では生産ライン自体を止めてしまっているためモデル全般の出荷が止まっている状態だ。ただし、ハイエースのガソリンエンジン車については不正が確認されていないため、販売することに問題はない。



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トヨタ・ハイエース(5代目)



仮に豊田自動織機におけるディーゼルエンジンの不正が重く見られ、何らかの行政的処分を受けることになっても、ハイエースのガソリンエンジン車は早晩、販売再開されると考えられる。



国産トラック市場にぽっかりと穴が空いてしまった

まとめると、タウンエース系については、トラックモデルの販売はしばらくの間はないであろうが、ワンボックスモデルについては新車で買えるようになりつつある。



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トヨタ・タウンエースバン(4代目)のリヤ



ハイエースについても、生産工場の稼働は停止しているものの、少なくともガソリンエンジン車は問題ないはずなので、遠からず販売再開に至るとみていいだろう。



すぐにオーダーできなかったり、納期が延びてしまったりといった点で思い通りにいかないこともあるかもしれないが、「タウンエースもハイエースも買えない」と絶望する必要はない。



ランドクルーザーについても不正が確認されたのはディーゼルエンジンのみであり、ガソリンエンジン車について不正はないというのが現状。前述したように生産ラインを停止しているが、販売再開自体は問題ないと捉えていい。



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トヨタ・ランドクルーザーGRスポーツ(300系)



むしろ心配なのは、1ナンバーのピックアップトラック「ハイラックス」だ。日本向けのラインアップはディーゼルエンジン搭載車だけとなっているため、しばらく買えなくなる可能性もゼロではないからだ。



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トヨタ・ハイラックス(8代目)



とはいえ、ハイエースのディーゼル車、ハイラックスの代わりになるモデルがないわけではない。



商用ワンボックスのディーゼルエンジン車としては日産キャラバンが存在している。また、ハイラックスの代わりになるピックアップトラックとしては、出たばかりの三菱自動車トライトンもある。



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三菱トライトン(3代目)



いずれにしてもハイエースやハイラックスのディーゼルエンジン車が買えなくなったとしても、ほかに選択肢があるということは覚えておきたい。



とはいえ、1.5リッターエンジンで、最大積載量800kgというタウンエース系トラックモデルの代替となるモデルは、国産ラインアップでは見当たらない。軽トラックでは小さすぎるし、1トントラックでは大きすぎる(高すぎる)からだ。



不正の影響でタウンエースもハイエースもランクルも買えない……で欲しい人はどうする? 整理してみたら「選択肢」はキチンと残されていた!
スズキ・キャリィ(11代目)



まさに国産トラック市場にポッカリと穴を開けることになってしまった。



追い込まれて不正をしてしまった現場には同情すべき要素もあるかもしれないが、企業としては大罪を犯してしまったというほかない。



もっとも、タウンエース系モデルについては、現行型のデビューが2008年とかなり古いモデルなのも事実。型式指定を新たに取得するのをきっかけに、より現代的なモデルへと生まれ変わるなど「雨降って地固まる」的な結果につながることを期待したい。

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