この記事をまとめると
■CSチャンネルで「石原プロモーション制作ドラマ総力特集」が放送される■「大都会」シリーズと「西部警察」はいまでは実現不可能なスケールでロケをしていた
■登場する劇中車の使い方や壊され方、使われる車種を見るのが醍醐味のひとつだ
石原プロのドラマはどれもスケールがケタ違いだった
CSチャンネルの「ホームドラマチャンネル」にて、石原裕次郎生誕90周年記念特別企画「石原プロモーション制作ドラマ総力特集」として、2月3日より「大都会」シリーズと「西部警察」の放送がスタートした。いずれも毎週土曜日に放映時間枠を設けて全シリーズ全話完全放送するとのことである(これら以外も石原プロモーション制作ドラマの放映予定あり)。
とくに西部警察は毎週3話ずつの連続放送となっている。
米軍の装甲車が強奪され、大門部長刑事率いる「大門軍団」に無理難題をつきつけながら、装甲車が都心で暴れるというストーリー。実際に銀座四丁目付近や国会議事堂前に装甲車を持ち込んでロケーションが行われるなど、いまではあらゆる理由から不可能ともいえる場所でロケを行い、まさにテレビドラマのスケールを大きく超えるものとなっていた。
とはいえ装甲車といっても、実際は工事車両を装甲車風に改造したものとなっている。しかし、いざ装甲車としての改造はしたのはいいが「誰が運転するのか?」という問題になったとのこと。
「さすがにロケといっても公道を使っているのだから……」と条件を調べたところ、誰もベースとなる工事車両を運転できる免許を持っていないとのことで、スタッフのひとりが急遽免許を取得して撮影に臨んだといった話を聞いたことがある。

※写真はイメージ
見どころは壊れるクルマたち!
西部警察といえば、マシンXやマシンRS 、スーパーZなどのスーパーマシンが活躍するカーアクションが見ものだが、筆者はそのようなカーアクションに華を添えるように朽ち果てていく、タクシー車両としての役目を終えた歴代セドリックやグロリアのスタンダードモデルによるカーアクションが大好きであった。
大都会シリーズはパートIIからアクションシーンが多く盛り込まれるようになった。渡哲也氏扮する城西署の黒岩部長刑事率いる「黒岩軍団」が活躍するのが大都会シリーズ、パートIIでは、松田優作氏も徳吉刑事役で出演しており、ハードボイルドアクションが毎週展開されていた。
パートIIで黒岩軍団のカーアクションで活躍していたのは、2代目後期型の日産セドリック。前期型はピニンファリーナのデザインを採用した流麗ボディを採用していたが、これが不評となり、後期型では当時アメリカ車で流行していた直線基調のアメリカ車風セダンスタイルに大変身した。

ただし、このセドリックはタクシーあがりというよりは、ドアの内張りやシートが真っ赤といった車両もあったので、元オーナーカーだったものが多かったようだ。このクルマは、当時を物語るホーンリングのついたステアリングとマニュアルコラムシフトにベンチシートといったスタイルであった。また、いまでも覚えているのが三菱ふそうのダンプカーとセドリックがぶつかりあうというカーチェイス。このシリーズの犯人のクルマは、ダンプが多かったように記憶している。
大都会はパートIIIでさらにアクションが際立つものとなった。それでもスーパーマシンはまだ登場せずに、カーアクション時には3代目日産セドリック&4代目日産グロリアあたりが大活躍していた。この時代になると使われる車両はタクシーとして使い終えたものが大半のように見えた。

そして、西部警察も、クラッシュするようなカーアクションで使われる車両は、230や330型セドリックやグロリアのタクシー車両であった。
それでは筆者はどこを楽しんでいたかというと、じつは筆者、大のマニュアルコラムシフトマニアなのである。これは、クルマ好きになったのも幼いころにタクシーのフロントベンチシートのシートバック部にかじりついて運転士さんの運転風景を見るのが大好きなのが大きく影響している。

そのため、大都会や西部警察の劇中で刑事に扮する有名俳優がマニュアルコラムシフトを操りシフトチェンジしているシーンを見るのが大好きだったのである。西部警察になると、コラムシフトでもATやフロアシフト車も目立つようになってきたが、それらはクラッシュするようなアクションではなかなか使われないので、激しくクラッシュするカーアクションではマニュアルコラムシフト車がメインとなっていて、とにかく楽しみであった。
大都会も西部警察もリアル放送から数えきれないほど何回も見ているのだが、毎回新たな発見があるので、今回もそれを楽しみに視聴を続けていきたい。