この記事をまとめると
■夏場に空冷式エンジンの旧車に乗っても問題ないかを解説



■走行時にはエンジンの熱がたまる状況を極力避ける必要がある



■旧車に乗る以上はクルマに対するケアとねぎらいは重要だ



真夏に空冷エンジンって大丈夫なの?

二十四節気の立秋を過ぎ、お盆休みも終わり、あっという間に8月も後半戦。いつの間にか、夜になると虫の鳴き声が聞こえるようになってきた。少しずつ、確実に季節が進んでいるとはいえ、連日にわたる猛暑にそろそろバテ気味……という方も多いのだろうか。



筆者の1970年製の空冷エンジン車も、毎日暑いから……と理由をつけて乗らなければバッテリーが上がってしまうし、乗れば乗ったで倒れそうになるし(クーラーが装備されていないので)……。



そんななか、編集担当の方から「こんな時期に空冷エンジンの旧車って乗っても大丈夫なんですか? というテーマで原稿を書いてほしい」との依頼があった。結論からいうと「乗らないのがいちばん」だが、それでは記事として成立しなくなる。空冷エンジンを搭載するいち旧車オーナーとして、実際どうなのかをまとめてみた。



灼熱の真夏に「空冷旧車」は走れるの? オーナーが語る「苦労の...の画像はこちら >>



猛暑の時期はとにかく油温が心配

エンジンを空気で冷却させる「空冷式」であるがゆえに、外気温が高いとエンジンが温まりやすい反面、「温まりすぎる(熱くなる)」ことも容易に想像できる。最悪の場合はオーバーヒートだ。筆者自身、この時期は油温計ばかり気にしている。油温計の針がグングンと上昇していく恐怖たるや……。



灼熱の真夏に「空冷旧車」は走れるの? オーナーが語る「苦労の連続」
油温計のイメージ



なんとしても渋滞を避ける

夏場に空冷エンジン車に乗るうえでもっとも避けたい状況、それは「渋滞」だ。ただでさえ暑いのに、少しでも、渋滞すると涼しい風が当たらなくなるわけだ。結果として、みるみるうちに油温が上昇する。こんなとき、猛暑日の渋滞のなかでもオーバーヒートの兆候すら見せない現代のクルマって機械として本当に優秀なんだなと痛感できる。



灼熱の真夏に「空冷旧車」は走れるの? オーナーが語る「苦労の連続」
渋滞のイメージ



空冷ならではの熱との付き合い方

1段上のギヤで走る

順調に走行していても油断(?)はできない。信号スタートなどの加速時は仕方ないとして、できるだけ高いギヤを使って巡航モードで走行し、エンジンの回転数および発熱を抑える。この時期は高回転までエンジンをまわす回数を抑え、どちらかというと淡々と、定期的にエンジンオイルを攪拌(かくはん)させるイメージで乗っている。



灼熱の真夏に「空冷旧車」は走れるの? オーナーが語る「苦労の連続」
シフトアップしているイメージ



エンジンフードを浮かせる

エンジンフード、いわゆる「鍋のフタ」と同じです。可能であれば、走行中でもエンジンフードのロックを外して少し浮かせたい。さすればエンジン本体から大量に発せられる熱を外に逃がせる効果が期待できる。そういえば「ルパン三世 カリオストロの城」の序盤のカーチェイスのシーンでも、ルパンと銭形が乗るフィアット500が、爆走中はリヤのエンジンフードが全開にしていた。



灼熱の真夏に「空冷旧車」は走れるの? オーナーが語る「苦労の連続」
空冷式ポルシェのエンジンを冷却しているイメージ



早朝や夜間に乗る

猛暑の時期、もっとも現実的かつ空冷エンジン車にとって優しいのは「早朝や夜間に乗ること」だと思う。深夜でも熱帯夜という地域がまだまだあるが、それでも35度以上、下手をすれば40度近い猛暑の日中に比べればはるかにマシ。ただ、空冷エンジン特有の「ガサガサ・バタバタ」という音が意外と周囲に響くため、ご近所迷惑になる可能性も考えられる。



まとめ:いずれにしても一定の「ケア」や「労り」が必要

一般的に、中年は30歳から45歳まで、それ以上は「初老」だといわれている。ただ「人生100年時代」といわれる現代の感覚からすると、もう少し初老の時期を引き上げてもいいように感じる。たしかに人生の中~後半戦は「老い」との戦い、そして折り合いの日々ではあるのだが……。



灼熱の真夏に「空冷旧車」は走れるの? オーナーが語る「苦労の連続」
空冷式ポルシェの修理のイメージ



生身と機械という差があるにせよ、半世紀以上前に作られたクルマでも立派な(?)旧車だ。人もクルマも「老い」には抗えない。当然ながら一定の「ケア」や「労り」が必要となる。

とどのつまり「無理は禁物」ということだろうか。

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