◆JERAセ・リーグ ヤクルト0―2巨人(19日・いわき)

 いわきの西日が差し込むまっさらなダイヤモンドを、巨人・平山功太内野手(22)はあっという間に一周した。バットを手にスマイル全開でベンチへ戻った新切り込み隊長を、ナインが手荒いハイタッチで出迎えた。

「必死にバット振った結果がいい結果になってくれたので良かった」。球団の育成ドラフト出身では21年の松原聖弥以来、2人目となる初回先頭打者弾が、プレーボールからわずか30秒で左翼席最前列へ吸い込まれた。

 初対戦のヤクルト先発・高橋に対し、初球は高め直球に差し込まれて空振り。「いい球が来ていたので、ポイントを前でいきました」と直後の150キロ直球を完璧に捉えた。ベテランのような修正力と若手らしい積極性で生まれた2号ソロ。4試合連続の1番起用に応えた。

 2か月で人生を変えた。支配下昇格となって年俸もアップし、5月に初のマイカーを購入。これまでは休養日の外出は少なかったが「ちょっとだけ出かけられるようになった」とジャイアンツ寮の仲間たちと焼き肉店に足を運ぶのが、野球漬けの日々を癒やすひとときとなっている。

 一方、変わらない芯もある。シンデレラボーイの活躍を見た知人たちから連日、数え切れないほどのLINEが届く。「元々、返信するのが苦手なんですけど…(笑)。

でも、1軍に上がる前から連絡していてくれた方には返すようにしています」。人情に厚い広島男児が、故郷や独立リーグ・千葉スカイセイラーズの恩人たちに活躍を届けている。

 自己最長の連続試合安打を6に伸ばし、5月は36打数12安打で打率3割3分3厘と勢いは止まらない。橋上オフェンスチーフコーチは「1番に定着してくれるといい」と継続起用を示唆した。「1番打者が一番気持ちよく振れる場所。後先考えずに行けるのが自分のいいところ。2打席目以降は少し考えてしまったところがあったので次はポジティブに」と平山。育成時代の「033」のアンダーシャツを使い続けている新星が、チームを上昇気流に乗せている。(内田 拓希)

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