この記事をまとめると
■速度違反自動取締装置は制限速度よりも大幅に超過した際に撮影するようになっている



■一般道では時速30km以上、高速道路では時速40km以上オーバーすると光るといわれる



■昨今は移動式オービスによる低速度の違反を取り締まっている事例も多い



オービスの光る速度が高めに設定されている理由

速度違反自動取締装置、通称オービスは、制限速度をわずかでも超えたら撮影するという代物ではなく、一般道では時速30km以上オーバー、高速道路では時速40km以上オーバー、つまり一発免停「赤切符」コースに相当する違反のときだけ撮影されるというのが定説だ(固定式の場合例外はある)。



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機械なのになぜデジタルに割り切らずに、違反に幅をもたせているのか?



これは過去の裁判で、



捜査機関がオービスIIIを用いて速度違反を取締るにあたり無制限に運転者を撮影するという事態に至れば、国家機関としての捜査権とオービスIIIによって、つねに監視されなければならない国民の基本的人権との比較衡量において、国民の基本的人権である肖像権、プライバシーの権利が捜査権によつて侵害されるおそれがあるとの誹りを免かれないものと考える。



従つてオービスIIIの設置場所や速度違反を取締る走行速度のセットの基準については慎重な配慮を要するものというべく、設置場所にもよるが、制限速度を多少超えた程度にセットして写真撮影することは相当ではないものといわなければならない



と裁判所が判断したのが、大きな理由になっていると思われる。



つまり、制限速度を1km/hでも超えたらオービスで撮影するといった厳格な運用を行うと、国民の肖像権、ブライバシー権利が侵害されるので許されない、と裁判所が指摘したからだ。



オービスは事故が多くて地域住民の要望が高い場所に設置される

そして、この判決を受けて、当時の警察庁交通局交通指導課長は、衆議院交通安全対策特別委員会で次のように答弁している。



この(オービスの)速度のセットについての御質問でございますが、これはいわゆる道路の条件であるとかあるいはクルマの流れとか交通環境であるとか、夜昼の別、あるいは季節的な要件、いろいろございまして、じゃどれだけで取り締まるんだということについては、これは個別に判断すべき問題でありまして、基準とかそういうものではなかろうと思います。



ただ、この無人自動速度監視装置を設置しますゆえんのものは、先ほど申し上げましたように高速を初めといたしまして非常に幹線道路ができてきた。しかも夜昼交通量が多い。



そこで通常の白バイ、パトなりレーダー定置式による取り締まりだけでは不十分である、対応できないというところで、しかも事故が多い地域の住民の要望も高い、こういう設置条件を備えたところでございますので、いわゆる超過速度が高いようなもの、こういったものを重点として取り締まりをやっておる、こういうことでございます



制限速度を守ってる自分を抜かしていったクルマにオービスが光らないって納得いかん! なんで自動速度取締機は大幅にマージンをとってるの?
交通違反で白バイに取り締まりを受けている違反車両



要するに、オービスについては、事故が多く地域の住民の要望も高い場所で、超過速度が高い違反、これらを重点的に取り締まる方針なので、明確な基準は非公開だが、一般道では時速30km以上オーバー、高速道路では時速40km以上オーバーが目安になったと考えられる。



ただし、昨今は通学路や生活道路などに、移動式オービスを設置して、低速度の違反を取り締まっているケースもあるので、オービスの有無に関係なく、いつでもどこでも安全速度を守るよう心がけておきたい。



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移動式オービスのイメージ

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