この記事をまとめると
■東京オートサロン2025が開幕■TOYOTA GAZOO Racingが出展している
■展示車両やプレスカンファレンスの内容を紹介
TGRがニュル24時間に復帰!
それは司会進行の富川悠太氏のMCにより、通常のプレスカンファレンスとはほど遠い、和やかな雰囲気で始まった。ユーチューブのストリーミング中継が入っているので、高橋智也GRカンパニープレジデントと、トヨタのワークスドライバーでお馴染み、石浦宏明選手と大嶋和也選手とウーブン・バイ・トヨタのバイス・プレジデントである豊田大輔氏が、お茶の間にはちょうどいいユルさで、仲間内での甘噛み的な軽口に興じながら、時には真剣なコメントを挟みつつ、進行した。
本来はいるべきはずのモリゾウ氏が、直前にラスベガスで行われたCES2025からの帰国後に疲れが出たため、代わって5人がステージを務めるという体裁なのだ。

まずドライバーは4名。壇上のワークスドライバーふたりとモリゾウ&大輔親子の名が、同じく壇上のマットブラック・ボディのGRヤリスに記されている。このGRヤリスは公式のリリースでは「GR YARIS (ニュル24h参戦車両)」となぜかアルファベット表記の車名だったが、ラジエーターグリルには「GR-FOUR」と書かれ、フロントボンネットの一等地にはお馴染み「GR」の赤黒ロゴと「GR‐RR」のグラフィック、そして青と黄の「RR」ロゴが入っている。つまり、正式な車名はまだ伏せられつつ、これまでのGRにルーキー・レーシング=RRが組み合わせられ、ニュルブルクリンク24時間を再び目指すということだ。

記者会見時の壇上にはもう一台、80スープラも上げられていたが、これはニュルブルクリンク訓練車両だそうで、フロントに刻まれた無数のチッピング跡が積み重ねてきた高速の走り込み量を黙して語る。
「GRヤリス Mコンセプト」にも注目
そして、さらなる注目の1台がある。ガズー・レーシングとして2007年からのニュル参戦車両をアルテッツァ、LF-A、86、スープラと並べたコーナーの起点に、「GRヤリス Mコンセプト」、ごく初期のミドシップ化研究車両と思われる1台が置かれていることだ。
搭載されているのは「G20E」、つまり開発中の新しい2リッターターボのパワーユニットだ。Mコンセプトのエンジンルーム内、ところどころに開けられ這わせたパイプの位置や向きからして、かなり熱対策に腐心していることが窺える。隣にはケースに入ったベアのサンプルも置かれ、赤いヘッドカバーがなかなかエキサイティングだ。

これらの展示の背景となるポップでは、「ニュルブルクリンクはモリゾウの原点」というメッセージ、そしてその参戦と挑戦の歴史が語られている。
だからこそいま、原点回帰のニュル24時間挑戦であり、新しく開発した車両と、新しい世代のドライバー、そして開発陣や作り手たちで、それは世代交代ごと始めなければならないというのだ。

閑話休題だが、じつはこの日のステージ上のシナリオは、「2025年モリゾウの10大ニュース」だった。10位の「モリゾウの夢のガレージをオートサロンで実現」以外は、まだ今年中に実現してほしいという「予言」であり、「目標」でもある。そのトップ3が「Rが増えた」、「2000㏄(のエンジン)が走り出した」、「ミッドシップが走り出した」ことだ。ちなみに、この2000㏄とミッドシップとニュルはすべて5月のレースやその先にまで繋がっていて、噂されるセリカや、まったく新しいミッドシップスポーツへの含みはもたせたまま、おあずけとなった。

ちなみにGR YARISニュル24h参戦車両のホイールは、世代が新しくなってかなりエボっているとはいえ、モリゾウ初参戦時のアルテッツアと同じくエンケイの「NT03」を履いていた。今年のニュルブルクリンク24時間に向かって、トヨタの世代交代ショーが加速するのかもしれない。
