この記事をまとめると
■東京オートサロン2025にFUJITSUBOがブースを出展



■旧車向けの新マフラー「EPU」を装着したマツダ・サバンナRX-3を展示



マフラー製造の技術を活かしたアウトドア用品のほかアパレルも展開



オートサロンに古くから参加するFUJITSUBOの斬新な展示に注目

今年もカスタムカー界隈には年始の恒例行事となっている「東京オートサロン」が開催されました。いまでは自動車メーカーの巨大なブースが欠かせない存在になっていますが、メーカーが本格参入する約2000年の前までは、チューニングパーツメーカーやチューニングショップによる祭典という色の濃いイベントでした。



それを肌で知るのは40代以上のクルマ好きでしょう。

そんな時代の「東京オートサロン」に古くから参加してイベントを盛り上げてきた古参メーカーのひとつに「FUJITSUBO」があります。ここではその「FUJITSUBO」ブースで見つけた、気になる展示にフォーカスしてみましょう。



■もうすぐ創業100周年を迎える超老舗メーカー

「FUJITSUBO」はマフラー専門のカスタムパーツメーカーで、今年で創業94年を迎える超老舗の企業です。ちなみに創業時は福岡で自動車の販売整備をおこなっていましたが、自動車用の部品の製造を手がけるようになり、1955年にいまのカスタムパーツ製造の母体となるレースチューニングショップ「藤壺技研工業」を設立しています。



1989年には老舗のカスタムマフラーメーカーとして、「日本自動車スポーツマフラー協会(JASMA)」設立に筆頭メンバーとして参加し、業界の健全化に大きな貢献をしています。



■今回の目玉展示は旧車の製品開発

今年の「FUJITSUBO」ブースでもっとも目立つ通路側の角に展示されていたのは、渋いオリーブグリーンの「マツダ・サバンナ(RX-3)」でした。昨今高まりを見せている旧車の人気もあって、通りかかる来場者の多くが足を止めて見入っているシーンが多く見られました。



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「FUJITSUBO」といえば、低価格を意識した車検対応の質実剛健な製品作りというイメージがありますが、カスタムパーツとしての性能向上にも注力して製品を開発しています。



この「RX-3」の展示でアピールしている「EPU(EXH PERFORMANCE UNIT)」というカテゴリーは、ライトチューン~ミディアムチューンの仕様でベストなパフォーマンスを発揮出来るように設計された、エキマニからサイレンサーまでのトータルのエキゾーストシステムです。



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サバンナRX3用EPUエキゾーストシステム



中心になるのは2010年以降に生産された小型スポーツ系車種で、「トヨタ86」や「スバルWRX」、「マツダ・ロードスター」などがラインアップされています。



そのラインアップに、新たに旧車用の製品が加えられました。現状は日産の人気旧車「フェアレディZ(S30)」と「スカイラインGT(KGC10)」用がリリースされていますが、今回の展示では意外と引き合いのあるロータリーエンジン搭載車用のアイテムとして、開発中の「RX-3」用の「EPU」を展示していました。



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展示されたエキゾーストシステム



旧車に乗る人の悩みとして、排気系の劣化問題があります。純正品は入手が困難なので、補修するか、代替品を探さないとなりません。

サビにくいステンレス製の車検対応マフラーは、国内だけでなく、海外の日本製旧車のファンからも、販売の要望が届いているそうで、それを受けて開発を行っているとのことでした。



チューニングへの対応も盛り込まれているため、展示車両は足まわりやブレーキの強化、カスタムが施されていました。



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FUJITSUBOブースに展示されたサバンナRX3の足まわり



マフラーとアウトドアグッズの意外なコラボ

■マフラーメーカーのブースにキャンプ用品?

もうひとつ「FUJITSUBO」のブースで気になったのがこれ、キャンプ用品の展示でした。てっきりブースの雰囲気を盛り上げるために用意されたグッズかと思ったのですが、「SMITH SUSono」と名付けられたこのアウトドア用品ブランドは、紛れもなく「FUJITSUBO」の製品でした。「いったいなぜ、マフラー屋さんがアウトドア用品を?」とまず疑問に感じましたが、聞いてみるとなるほど納得。マフラー製造のノウハウや素材がたっぷり詰め込まれた製品でした。



そもそもこの企画が生まれたきっかけは、創業から数えて3代目となるいまの社長が、スタッフたちとの日常会話から「それいいね!」とGOサインを出したことから始まったとのこと。もともとアウトドアが好きな社員同士でキャンプなどを楽しんでいたという下地もあって、当初の製品企画会議から意欲的なアイディアが飛び出し、そのアイディアをまとめて製品に落とし込んだそうです。



アイテムのウリはなんといってもマフラー製造の要素が採り入れられている点でしょう。すでに溢れるほどのアイテムが出揃っているアウトドア用品の市場に参入する際に、ありきたりの内容ではすぐに埋もれてしまうでしょう。そこで、いまの市場にはない要素であるマフラーメーカーならではの要素を大胆に盛り込んだ製品を作り上げました。



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東京オートサロン2025のFUJITSUBOブースにはキャンプ用品が展示



たとえば「スチーマー(蒸し器)」を見てみると、外見はマフラーのサイレンサーそのものですが、排気出口の筒が付く面が外れるようになっていて、内部には蒸す素材を載せる網が仕込んであります。

水を入れて火にかけると、排気出口の筒から蒸気が出てきて、まるでクルマのマフラーそのものという演出が楽しめます。網を除くほぼすべての部分はマフラーの素材で構成されていて、鍋の取っ手の部分はサイレンサーを吊るためのステー用の丸棒材を使用しているそうです。



焼き用のコンロもスチーマーと同様にサイレンサーのパーツを活用して製作されています。下に写っている円盤状のアイテムは取り皿で、これもサイレンサーのフタを加工して作っているそうです。持ち手があるのがポイントだそうです。



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東京オートサロン2025のFUJITSUBOブースに展示されたBBQテーブルやプレート



また、不思議な形状のトングも展示されていました。こちらもマフラー用素材であるチタンの板から製作されているそうで、軽量性とともに熱伝導率の低さから持ち手が熱くなりにくいので、実用性も高いアイテム。特徴的なこの形状は、淡水魚の「雷魚」がモチーフだそうで、これは雷魚釣りが大好きな社長のアイディアなんだとか。



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東京オートサロン2025のFUJITSUBOブースに展示された雷魚トング



ちなみに巨大なサイズのトングも展示されていましたが、これは実際に釣り上げた最大サイズの雷魚と同じ長さで製作したものとのことでした。



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東京オートサロン2025のFUJITSUBOブースに展示された巨大サイズのトング



アウトドア用品の展開以外にも、アパレルアイテムの展示販売もありました。こちらはこれまでのカスタム業界っぽい雰囲気を脱して、普段の街なかで着られる雰囲気をもたせた色合いやデザインを採用して好評を得ているそうです。

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