この記事をまとめると
■2025年2月28日から3月2日にかけて全日本ラリー選手権第1戦「ラリー三河湾」が開催



■2025年全日本ラリー選手権での注目は「MORIZO Challenge Cup」だ



■全日本ジムカーナやスーパーFJ、KYOJO CUPなどで活躍していたドライバーが参戦



2年めを迎えて更に盛り上がる“モリチャレ”

2025年の全日本ラリー選手権が早くも開幕し、2月28日~3月2日、愛知県蒲郡市を舞台に第1戦「ラリー三河湾」が開催された。トヨタGRヤリスRally2を駆る勝田範彦選手が、最高峰のJN-1クラスで開幕Vを達成したが、それ以上に注目を集めていたのが、「MORIZO Challenge Cup」(MCC、通称“モリチャレ”)だといえるだろう。



次世代のWRCドライバーは誰だ? 全日本ラリーで期待の新星発...の画像はこちら >>



モリチャレはJN-2クラスのサブカテゴリーとして2024年に設立された新シリーズで、若手ドライバーを発掘および育成すべく、原則25歳以下のドライバーを対象に開催。

マシンはGRヤリスのワンメイクで、JN-2クラスよりも改造範囲が狭くなっていることが特徴といえるだろう。



年間成績の優秀者には、トヨタGAZOOレーシングWRTの本拠地、フィンランドでの走行機会が与えられ、そこで世界に通用する才能を魅せることができればさらなるステップアップのチャンスが与えられることから、設立初年度の2024年から数多くの若手ドライバーが集結。しかも、ラリー経験者に加えてレース経験者やドリフト、ジムカーナの経験者など多彩な顔ぶれで、激しいバトルが展開されていた。



その結果、フォーミュラ・ドリフト・ジャパンでチャンピオンを獲得し、2024年のモリチャレでラリー競技を始めたKANTA選手が、TGR WRCチャレンジプログラムの4期生に抜擢されたことは記憶に新しい。



次世代のWRCドライバーは誰だ? 全日本ラリーで期待の新星発掘を目指す「MORIZO Challenge Cup」に猛者たちが続々参戦
2024年のモリチャレでラリー競技を始めたKANTA選手



まさにモリチャレはWRCで活躍する日本人ドライバー、勝田貴元選手に続く次世代の日本人ドライバーを発掘するための登竜門カテゴリーとなりつつあるのだが、2年目を迎えた2025年は参加台数が増えたほか、その顔ぶれもより多彩となっており、さらなるヒートアップが予想されている。



残念ながら準備が間に合わず、開幕戦となったラリー三河湾は9台のエントリーとなったが、それでもドライバーの顔ぶれは充実のラインアップといえる。



各ラウンドで繰り広げられる激しいバトルに超期待

まず、TGR WRCチャレンジプログラムの2期生として、フィンランドで武者修行を行っていた大竹直生選手を筆頭に、全日本ジムカーナ選手権で活躍した最上佳樹選手、スーパーFJ出身の稲葉摩人選手など参戦2年目のドライバーに加えて、2025年はニュージーランドでジュニアラリー選手権のチャンピオン経験をもつニュージーランド出身のジール・ジョーンズ選手や、昨年のラリー・カムイでJN-2クラスで3位入賞を果たした長尾綱也選手、全日本カート選手権を経てラリーに転向した木内秀柾選手、TGRラリーチャレンジを経て2024年は全日本ラリー選手権に参戦した松原周勢選手など、ラリー経験のあるチャレンジャーが続々とエントリー。



次世代のWRCドライバーは誰だ? 全日本ラリーで期待の新星発掘を目指す「MORIZO Challenge Cup」に猛者たちが続々参戦
「MORIZO Challenge Cup」に参戦のドライバー



さらに、2025年は女性ドライバーの参戦も特徴のひとつで、平川 亮選手の妹として全日本ラリー選手権やKYOJO CUPで活躍してきた平川真子選手や、全日本ラリー選手権で活躍してきた兼松由奈選手が開幕戦のラリー三河湾に参戦した。



次世代のWRCドライバーは誰だ? 全日本ラリーで期待の新星発掘を目指す「MORIZO Challenge Cup」に猛者たちが続々参戦
兼松由奈選手と平川真子選手と関あゆみ選手



第2戦以降は2024年の全日本ジムカーナ選手権・PN4クラスのチャンピオン、奥井優介選手やラリー経験をもつ岩堀 巧選手、カート出身の米林慶晃選手に加えてKYOJO CUPに参戦していた関あゆみ選手、及川紗里亜選手、2024年のWOMEN’Sラリー恵那でクラス4位につけた伊藤はづき選手など、数多くの女性ドライバーも参戦する予定だ。



一方、ハード面に目を向ければ、2025年からGRヤリスのMT車両に加えて、マイチェン後の新型モデルのDATモデルが参戦可能になったことも、今シーズンのトピックスといっていい。



次世代のWRCドライバーは誰だ? 全日本ラリーで期待の新星発掘を目指す「MORIZO Challenge Cup」に猛者たちが続々参戦
MORIZO Challenge Cup参加車両のGRヤリス



このように、2025年のモリチャレはドライバーの顔ぶれが多彩なラインアップで、各ラウンドで激しいバトルが展開されるに違いない。



なお、開幕戦のラリー三河湾ではTOYOTA GAZOO RACING WRJの21号車「GR YARIS GR4 Rally」を駆る大竹選手がJN-2クラスで4位、モリチャレのMCCで優勝。

ZEUS AUTOMOTIVE CLUB SPORTSで27号車「MATEX-AQTEC DL KYB Yaris」のステアリングを握る稲葉選手がMCCで2位、CUSCO RACINGで22号車「CUSCO WM DL GR Yaris」を駆るジョーンズ選手がMCCの3位でフィニッシュした。



次世代のWRCドライバーは誰だ? 全日本ラリーで期待の新星発掘を目指す「MORIZO Challenge Cup」に猛者たちが続々参戦
ラリー三河湾のMORIZO Challenge Cupの表彰式



また、モリチャレが含まれるJN-2クラスでは、モリチャレの卒業生である山田啓介選手がGRヤリスを武器に優勝。JN-3クラスではGR86の山本悠太選手、JN-4クラスはスイフトの高橋悟志選手、JN-5クラスではヤリスの小川剛選手がクラス優勝したほか、JN-XクラスではRAV4 PHEVを投入した天野智之選手がニューマシンのデビュー戦でクラス優勝を獲得した。

編集部おすすめ