ホイールは重要保安部品となるため細かくサイズが決められている

クルマをカスタマイズしたりドレスアップをするときに、まず手をつけたくなるのがホイールの交換。ホイールはけっこう大きい部品なので、純正品から社外品に変えるだけで、手軽にイメージチェンジがはかれるからだ。



そうしたカスタマイズが目的でホイール交換を検討するときは、どうしてもデザイン優先になりがちだが、ホイール選びで一番肝心なのは、適切なサイズのものを選ぶこと。



ホイールは見た目以上にややこしい製品で、主なサイズでも7項目もある。たとえばトヨタのGRスープラ(SZ)の純正フロントホイールは、



1)リム径=17インチ
2)リム幅=7.5インチ
3)フランジ形状=J
4)インセット=+24mm
5)P.C.D=112mm

6)ホール数=5穴
7)ハブ径=66.5mm



と、このようなサイズになっている。これらのサイズを基準に、きちんと装着できるホイールを探すことが何より先決。

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物理的に装着できないサイズは論外としても、イメージ先行でホイールを選ぶと、タイヤがフェンダーからはみ出して違法改造になってしまったり、タイヤの外径が変わることでスピードメーターやABSにエラーが出て危険になることも!



ホイール交換をしても、タイヤサイズを変えないのであれば、最低でもリム径、リム幅、P.C.D、ホール数は、純正ホイールと同じものを選ぶこと。



インチアップをする場合も、P.C.Dとホール数は変えられない。リム径とリム幅は装着するタイヤに合わせ、タイヤ外径は変わらないようにして、インセットはフェンダーからタイヤがはみ出ない範囲で調整。

操縦性だけで考えると、できればトレッドは変えたくないので、自動車メーカーのオプション設定でインチアップされたタイヤが用意されているのなら、そのサイズに準じるのが一番間違いない。
デザインだけで手軽に装着は避けるべき! 意外と重要で難しいクルマのホイールの選び方とは



愛車に合わせたハブリング装着でガタが解消されることも

もうひとつこだわりたいのは、ハブ径。純正ホイールと社外ホイールの一番の違いもここにあって、純正ホイールのセンターホールはハブ径にピッタリはまるサイズで設計されているので(例外はある)、ホイールをはめれば自然にセンターが出て、走行時に振動が出たりナットがゆるんだりする可能性がかなり低い。



しかし、社外のホイールは汎用性を高めるために、センターホールのサイズがかなり広くゆるゆるで、ハブの部分でセンターを出すことは期待できない……。



ゆえに、社外のホイールに交換する場合は、『ハブリング』を入れてハブ径とセンターホールの隙間を解消することをオススメする。とくに高速走行時にハンドルがぶれるといった症状がある人は、アライメントなどを調べる前に、ホイールのセンターが出ていないことを疑った方がいいだろう。


デザインだけで手軽に装着は避けるべき! 意外と重要で難しいクルマのホイールの選び方とは



こうしたサイズの問題さえクリアしてしまえば、あとは予算とデザイン次第、といいたいところだが、どうせわざわざ買い替えるのなら、軽さと真円度の均一度にはこだわりたい。



純正ホイールは、やや重い分、頑丈で、真円度と均一度はなかなか優秀。社外のホイールは軽いが、なかには曲がったり歪んだりしやすいものもあるので要注意。

デザインだけで手軽に装着は避けるべき! 意外と重要で難しいクルマのホイールの選び方とは



機能性で選べば、1ピースの鍛造ホイールがベストだが、価格もなかなか立派なので……。デザイン性のいい鋳造ホイールにもいいモノはあるので、専門店とよく相談し、実績のあるホイールからチョイスするようにしよう。