燃え損なったガソリンはカーボンとなり溜まっていく
日産、スバル、ホンダ、トヨタのディーラーなどでもけっこうススメられるカーボナイザー洗浄と、スラッジナイザー洗浄。
カーボナイザー洗浄というのは、燃焼室(ピストン、点火プラグなど)、吸気系(インテークバルブ、スロットルバルブ、吸気ポートなど)に堆積したカーボンなどの汚れを、ケミカル剤を使って、エンジン分解をせずに洗い流すサービス。
オベロン社のCN-101というのを使って洗浄するのが一般的で、日産のピットワーク「エンジンリフレッシュ」は、これのOEMといわれている。
ガソリンは炭素と水素の化合物、炭化水素の一種で、理想の空燃比(理論空燃比)14.7で燃焼させれば、カーボンやブローバイガスのような有害な燃え損ないは発生しないが、暖機やアイドリング時は、空燃比は濃いめなので、ガソリンは燃え損なって、炭素が余り、それがカーボンとなって燃焼室や吸気系に溜まっていく……。

カーボンが溜まると吸気効率が落ちて、密閉性が下がって圧縮比が落ちるなどの悪影響が出てくるので、その溜まったカーボンをきれいに洗い流してやろうというのが、カーボナイザー洗浄だ。ディーラーなどで頼むと、所要時間30分前後、費用は約8000円といったところ。1万km走行毎、もしくは車検毎の施工をススメられる。
エンジンの吹け上がりや燃費の向上が期待できる!
もう一方のスラッジナイザー洗浄は、専用の洗浄溶剤をオイルフィルターポートから注入し、エンジンオイルラインに付着したスラッジやカーボンを除去して、オイルドレンから排出させるというシステム。
メタルを傷めたり、エンジン内部を摩耗させる可能性があるフラッシングオイルを使った洗浄と違って、スラッジナイザー洗浄はエンジンを停止させた状態で、ポンプで圧送するので、エンジン内を傷める心配が少ない。
走行距離が長い、短距離走行の繰り返し、低速走行やアイドリング状態が多い、といったいわゆるシビアコンディションに当てはまるクルマは、スラッジも溜まりやすいので、スラッジナイザー洗浄をやる効果は大きいかもしれない。こちらもディーラーなどで頼むと、通常のオイル交換とクリーニングのセットで15分~。費用は6000~7000円(別途オイル代とオイルフィルター代が必要)。年1回、もしくは10,000km毎が理想とのこと。

どちらもエンジンの吹き上がりや燃費が良くなる効果を謳っている。
個人的には、ときどきエンジンを高回転まで回してあげて、なるべくパワーバンドの回転数で走るようにすれば、カーボンは溜まりにくいし(ほとんどのハイオクガソリンには、燃焼室内のカーボンを洗浄する添加剤が入っている)、オイルもメーカーの指示どおり、定期的に高品質のものに交換していれば、それほどスラッジが溜まるようなことはないと思うのだが、「普段の運転では低回転しか使っておらず、最近エンジンが重ったるい」という気がする人は、カーボナイザー洗浄を試してみるのもいいだろう。

また「オイル交換のときに、少し残る古いオイルと新しいオイルが混ざるのがとっても気になる」という人は、「スラッジナイザー洗浄」を試してみると、きれいなオイルの色を長く保ちやすくなるはず(オイルが黒くなるのは、オイルの成分=分散清浄剤が働いている証拠なので、オイルの性能的には問題ない)。
この手のケミカル剤は、正直、懐疑的なものが多いのだが、メーカー直系のディーラーでススメているということは、少なくともエンジンには悪影響はないだろう。クルマそのもの、エンジン自体もメンテナンスフリーが進んでいるので、メンテに神経質になる必要はないと思うが、気になる人はお試しあれ。