スカイラインつねにGT-Rは国内外のライバルを打ち破ってきた
国産車で「レースに勝つために生まれてきたクルマ」といったとき、真っ先に名前が浮かぶのは、なんといっても日産スカイラインGT-Rだろう。ハコスカの49連勝、R32のグループA29戦29勝、N1耐久29戦28勝をはじめ、レースでの活躍はもちろん、チューンドカーとしても、国内外のライバルをつねに打ち破ってきた。そうした歴代GT-Rのライバルたちにスポットを当ててみよう。
1)ハコスカGT-R(PGC10/KPGC10)のライバル
初代GT-R(PGC10/KPGC10)のライバルといえば、マツダのロータリー軍団。ファミリアロータリークーペ、カペラ、サバンナGSⅡが直接的なライバルだった。またトヨタ1600GT(コロナHTにDOHCの9Rエンジンを乗せたモデル)も、初期のライバルとしてGT-Rを苦しめた。とくにGT-Rのデビュー戦では、紙一重の辛勝だった。
その後、負け知らずの49連勝という記録を作るが、GT-Rの50連勝を阻んだのは10Aロータリーの代わりに、12Aロータリーを積んだサバンナGT=RX-3。ハコスカの天敵は、サバンナで決まりだろう。
2)ケンメリGT-R(KPGC110)のライバル
ケンメリGT-RことKPGC110は、1973年に登場した。オイルショックの影響で、レースにも出場せず、生産期間は4カ月。
なかなか難しいが、同じ1973年にデビューした、トヨタのセリカリフトバック2000GT(145馬力)か、三菱のGTO・GSR(125馬力)といったところだろうか。
ケンメリGT-Rを含め、いずれも2リッターエンジン。フェアレディZ-L(S30の2リッター)も125馬力だったが、S20エンジンを積むケンメリGT-Rは、160馬力! ケンメリGT-Rには、車重がヘビーという欠点もあったが、最高速は200km/hという触れ込みは魅力的だった。
マツダのロータリースポーツはつねにGT-Rのライバルだった!
3)R32GT-Rのライバル
GT-R史上、最強の一台といえるのは、なんといっても16年ぶりに復活した第二世代GT-RのR32。グループAレースで、当時世界を席巻していたフォード・シエラRSを打ち破るという明確な目標を持って開発されただけに、ボディ、エンジン、パワートレーン、ブレーキなど.と、いずれも当時の国産車のレベルを大きく突き抜けた画期的なクルマだった。
そのライバルは? レースではそのリザルトが証明しているとおり、まさに無敵。
ポルシェの本拠地で、打倒ポルシェという悲願を達成できたのは、非常に意義深い。というわけで、ライバルはフォード・シエラとポルシェ911ターボで決まり!
4)R33GT-Rのライバル
1995年に登場したR33GT-R。最初のそして最大のライバルは、先代のR32GT-Rだったのかもしれない。ニュルでのテストでは、R32のタイムの21秒短縮し、CMでもわざわざ「マイナス21秒ロマン」と強調していたのはよく知られているところ。
レースでは、主に全日本GT選手権で活躍。ライバルはトヨタの80スープラ、ポルシェの993GT2といったところだ。
1995年のTI爆走400km N1耐久レースでは、中谷・大井組のGTOが、GT-R勢の中で孤軍奮闘し、2位に入賞。予選でもGT-R全盛時代に、GT-R以外に唯一ポールポジションを獲得できたという意味でも、R33のライバルに、GTOは欠かせない!?
5)R34GT-Rのライバル
第二世代GT-R、そして「スカイラインGT-R」としては最後のモデルとなったR34。デビューは1000年代最後の1999年だ。デビューイヤーから全日本GT選手権でチャンピオンを獲得し、スーパー耐久でも8戦8勝と大活躍した。
GT選手権では、ホンダワークスのNSXやトヨタワークスの80スープラが最大のライバル。
もう一台、忘れてはならないのが、マツダのRX-7(FD3S)。FD3Sのモデルライフは、1991年~2003年。R32からR34まで、第二世代GT-Rと時期的には思いっきり重なっていて、レースはともかく、チューニングカーとしては、つねにライバル関係であり続けた。ハコスカ時代のRX-3からはじまり、マツダのロータリースポーツは、つねにGT-Rのライバルとして存在した。
大局的にみると、スカイラインGT-Rのライバルは、海外ならポルシェ911ターボ。国内はマツダのロータリースポーツと考えるのが、一番妥当ではないだろうか。