クルマ全体のパッケージが凄いポルシェ911のブレーキ

ジェネラリストかスペシャリストか。これ、クルマを選ぶときに悩む点でもある。総合性能が高い車種にする人がいる一方で、一芸に秀でた車種を好む人もいる。

で、自分を含めた後者で決め手になるのがブランドのこだわりだ。



たとえばポルシェ911のブレーキ。僕も何度か試乗して感じているところだけれど、ブレーキのサプライヤーとして有名なブレンボのウェブサイトにも、5年前のものではあるが、立証する記事がある。ドイツの自動車雑誌がブレーキに定評の50台について、100km/hから停止するときに必要な距離を測ったところ、1位に輝いたのは911GT3だったというのだ。



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個人的な経験では、911のブレーキの素晴らしさはリヤエンジン方式によるところも大きいと思う。制動時にはどうしても荷重が前に移動するけれど、911はもともとリアが重いので、前後の荷重配分がイーブンに近づくからだ。逆に言えば、フロントエンジンのカイエンやマカンも、SUVとしてはブレーキはいいけれど、感動するほどではない。



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自分が何台か所有したことがある優れモノでは、シトロエンの乗り心地がある。かつてのハイドロニューマチック・サスペンションから、現在のC5エアクロスに搭載されているプログレッシブ・ハイドローリック・クッションまで、シートを含めてとにかく快適性にこだわっていて、乗ってもその効果が感じられる。普通の金属ばねのサスペンションの車種でも、同じ印象を受ける。



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そんなシトロエンを6台乗ってきた僕が感じているのは、柔らかいとか揺れないとか、物理的なモノサシでは表現できないレベルにあること。鋭いショックはわりと伝えるし、高速道路でフラットになるわけでもない。

人間にとって心地よい揺れを、クルマで表現しているようなのだ。タイヤの上の1/fゆらぎという感じなのである。



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国産車にも世界に驚異を与えるクルマは存在する!

ボルボの安全性も外せないだろう。世界で初めて3点式シートベルトを導入し、日本のメーカーに先駆けて我が国で衝突回避・被害軽減ブレーキを市場化するなど、このメーカーの安全へのこだわりはとどまるところも知らない。



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なかでも最近感心したのが、昨年からすべての市販車の最高速度を180km/hに抑えたこと。安全性が高いメーカーというとメルセデス・ベンツを挙げる人もいるけれど、あちらは速度無制限の高速道路アウトバーンで鍛えた走りをアピールポイントにしたいので、こういう主張はできない。僕はこのアプローチで、ボルボが一歩リードしたと思っている。



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ここまで欧州ばかり取り上げてきたけれど、日本が負けているというわけではない。トヨタの耐久性は、世界中の道なき道で活躍しているランドクルーザーを見ればわかる。



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スバルの4WDセダンは日本だけでなく北米でも支持されている。



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スズキの軽量化もすごい。アルトの600kg台前半という数字は、いまなお驚異的だ。



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