この記事をまとめると
■自動車関連の用語にはマイナスなイメージを連想させる用語がある



■響きの悪い用語には違法性があって名義変更や車検の継続ができないものもある



■一方できちんとわかっていて納得ができればお得なこともある



響きのよろしくない用語にはマイナスイメージがつきまとう

自動車関係にもたくさんの用語があって、なかにはあまり響きがよろしくないものもあったりする。よく耳にするものもあるが、今回は今一度、その意味や使われ方を紹介しよう。



1)闇車検

いま話題になっているもので、要は車検検査をしないでパスさせてしまうこと。陸運支局の検査ラインではそのようなことはできないのに、なぜそれが可能かというと、民間車検場の存在がある。



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街の修理工場やディーラーで車検をパスできるようにしたのが民間車検場で、本来は陸運支局と同じ内容の検査が行われるのだが、外部の監督者がいるわけではないので、書類だけ整えて通したことにしてしまうのが、闇車検だ。検査をしないで書類を作るだけなので、ペーパー車検とも呼ばれている。輸入車では以前から多かったが、国産ディーラーでもやっていてビックリだ。



2)車庫飛ばし

車検証を見てもらうとわかるが、使用する人や場所は所有者とは別に明記されている。しかし、実際に使う場所に駐車場がなかったり、あっても車庫証明が取れない場所だったり。



「闇」「飛ばし」「金融」! 自動車業界で聞く「怪しい用語」5つの意味とは



また、バブルの頃にあったのが、人気の品川ナンバーや横浜ナンバーに地方で乗りたいというもので、いずれにしても使用の本拠地ではないところでナンバーを取って、実際は違うところで乗ることを指す。車検証の記載に変更があった場合は15日以内に対応する必要があり、当然、違法となる。



デリバリー用のクルマを本社で登録して、実際は支店で使っているのを見かけるが、これも車庫飛ばしの一種となる。



すべてに違法性があるわけではなくお得な部分もある

3)金融車

看板で見かけるのが「クルマでお金貸します」というもの。これでお金を借りて、返せなくなった場合、クルマは担保として差し出されてしまう。これが金融車で、所有者の協力は望めないので名義変更はできない。



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※写真はイメージ



また、新たにそれを購入したり、乗ったりしても、次の車検は取れないし、廃車手続きもされない可能性も高い。任意保険も切れたままになり、かなり危険な状態で流通することになるのだが、もともとの所有者に責任が行くこともあるので、注意が必要だ。ただ、ローンの返済が滞って、差し押さえられたものは、そもそも所有者がローン会社なので、問題なく流通されることがほとんどだ。



4)ニコイチ/サンコイチ

これはけっこうお馴染みな言葉だろう。ニコイチとはふたつをひとつにすること。サンコイチも同様で、3つをひとつにすることだ。ひとつにするのはもちろんクルマで、前後それぞれがぶつかった同じクルマを半分にして、問題ないほう同士をつなげて作る。



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サンコイチはさらに複雑になるが、いずれにしても走行中にギシギシと音がするなど、問題は多い。



5)事故車起こし

ニコイチと似ているがこちらは衝突部分を直して元に戻した車両のこと。最近はあまり見かけないが、「事故車買います」というのは部品取りか、事故車起こしが多かった。



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以前、業者を取材したことがあるが、意外にちゃんと直していて、「わかって買うなら安いのでオススメ」とは言っていた。問題は隠して販売している業者だろう。

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