この記事をまとめると
スバルのカタログには寒冷地仕様の文字はない



■ほとんどのスバル車には大型バッテリーや後席用ダクトはデフォルト装備となっている



■唯一の例外がBRZでウインドデアイサーが設定されていない



ほとんどのスバル車は寒冷地装備をデフォルトで備える

スバル車の熱心なファンであるスバリスト諸氏にはよく知られていることだが、ダイハツからのOEMである「ジャスティ」を除いたスバル車には寒冷地仕様というものが存在していない。



たとえば、日本でもっとも売れているトヨタ・ヤリスの場合はカタログの主要装備一覧を見ると、寒冷地仕様を2万3100円~3万1900円のエクストラコストを支払うことで選べるようになっている。



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ヤリスの場合、寒冷地仕様で追加される装備は、ガラス面に凍り付いたワイパーブレードを溶かすウインドシールドデアイサーや後席用のヒーターダクトといったところ。

そのほか、冬季の始動性を確保するための大型バッテリーなども寒冷地仕様では定番のグレードアップポイントとなっている。



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しかし、伝統的なシンメトリカルAWDによって降雪地域で絶大な支持を集めているスバル車ではオプションとして寒冷地仕様を選ぶことができないのだ。



それはなぜか?



一般的に寒冷地仕様と言われる、大型バッテリーの搭載や後席へのヒーターダクトといった装備については大半のスバル車が標準装備としているからだ。デフォルトで寒冷地仕様といえる状態のため、あえて寒冷地仕様を用意する必要がないのである。



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また、他社では寒冷地仕様に含まれるフロントワイパーデアイサー、ヒーテッドドアミラー、リヤフォグランプといった装備についても、ほとんどのスバル車では標準装備となっている。



スバル車にも寒冷地仕様を用意していないモデルがあった

標準装備とならない例外的なモデルがインプレッサやXVのエントリーグレードだ。それでも上記の機能をセットにした「クリアビューパック」というオプションを全グレードで選べるようになっている。



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なお、LEDヘッドライト車についてはヘッドランプウォッシャーが標準装備となっているのも雪道での視界を確保するためだ。



こうした背景について、スバル広報部では『フルタイムAWDと同様に使用エリアに関わらずいかなる状況(降雪に限らず大雨 等)でもドライバーの安全な視界、他車からの視認性を確保し、安全に乗って頂きたいという考え方でおります』と説明する。



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こうした安全重視の考えから、降雪地域に限らず、どこで販売されるスバル車であっても寒冷地仕様的な機能は標準装備しているというわけだ。



なお、スバル車であってもデフォルトで寒冷地仕様ではないモデルも存在する。それがFRスポーツのBRZだ。



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BRZの場合、ヒーテッドドアミラーこそ標準装備、リヤフォグランプはディーラーオプションで用意されているが、フロントワイパーデアイサーは設定されていない。また、ヘッドランプウォッシャーについても、BRZには備わっていない。



もっとも、BRZはトヨタGR86と共同開発したモデルであり、さらにトヨタと共同開発した電気自動車「ソルテラ」においてもプロトタイプを見る限りはヘッドランプウォッシャーが備わっていないようだ。スバルのこだわりだけでは、どうにもならない部分もあるということだろうか。

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