この記事をまとめると
■今年でコペンは誕生20周年を迎えた■現行モデルで2代目となっている
■1000台用意した限定車は数日で完売する人気っぷり
唯一となった軽オープンカーの歴史を振り返る
2002年6月19日に初代モデルが発売されたコペンは、先日めでたく20周年を迎えた。
現在販売されているのは2世代目のコペンということになるわけだが、今回はそんな2世代20年に渡るコペンの歴史を振り返ってみたい。
コペンの基となったコンセプトモデルは、市販車が登場する3年前の1999年に開催された東京モーターショーに登場した。
その時から車名は「コペン」であり、エクステリアのデザインも市販版とほぼ同一となっていたが、車名の綴りが市販版の“COPEN”ではなく、“KOPEN”となっていた。これは軽(K)のオープン(OPEN)が由来となっていたが、市販版ではコンパクトカー(Compact Car)のオープン(OPEN)でCOPENとなっており、いま考えると軽自動車の枠を超えることを当初から考えていたということだったのかもしれない。

それ以外の違いとしては、コンセプトモデルは四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションと四輪ディスクブレーキを採用しているとしていたが、市販版は一般的な軽自動車と同じフロントストラット、リヤトーションビームのリヤドラムブレーキとなっている。
デビューからおよそ1年後の2003年7月からは早くも海外への正規輸出がスタート。当初は日本仕様と同じ右ハンドルの660ccターボという仕様だったが、2005年10月からは1.3リッターのNAエンジンを搭載した左ハンドル仕様を設定し、2007年からは右ハンドル圏に向けて同じく1.3リッターのNAエンジンを搭載した右ハンドル仕様もリリースしている。

※画像は国内版の通常のコペン
なお、左ハンドル仕様は基本的に右ハンドル仕様の鏡像となっていたが、エアコンのダイヤル配置や灰皿とシガーソケットの位置関係などは右ハンドル仕様のままとなっていた。
2005年の東京モーターショーには輸出仕様のコペンの発展形とも言えるコンセプトカー「コペンZZ」が登場。これはエンジンを1.5リッターNAへと拡大し、ボディサイズも軽自動車枠を超えたワイドかつ伸びやかなものとしており、輸出を見越した左ハンドル仕様となっていたが、残念ながら市販されることはなかった。
唯一無二の個性で多くのファンを獲得
2011年の東京モーターショーでは、D-X(ディークロス)と名付けられたSUVスタイルを組み合わせた軽自動車規格のオープン2シーターを出展。当時は次期コペンではなくあくまでデザインコンセプトモデルとアナウンスされていたが、今見ると2代目コペンのエクスプレイの前身となったことは言うまでもないだろう。

そして2012年4月には、初代コペンの生産終了を発表し、最後の特別仕様車である「10thアニバーサリーエディション」を発売、同年8月に生産を終了した。

初代の生産終了翌年の2013年に開催された東京モーターショーでは、2代目コペンのコンセプトモデルとして初代のコンセプトモデルと同じ綴りの「KOPEN」を出展し、翌2014年6月19日に2代目コペンの「ローブ」をリリース。

同年11月にはクロスオーバースタイルの「エクスプレイ」が発売となり、12月にはローブの上級グレードとして「ローブS」が設定されている。

2015年6月には初代コペンを思わせる丸型ヘッドライトを採用した「セロ」が登場し、10月からは「ドレスフォーメーション」と呼ばれる外板パネルを入れ替えて「ローブ」と「セロ」の両方のエクステリアを楽しむことができるサービスがスタートした。

2016年の東京モーターショーではコペンに固定式ルーフを装着した「コペンクーペ」を参考出品し、その反響の大きさから2019年1月に200台限定で実際に販売されることになる。

また、同年10月にはトヨタとの共同開発によって「GR SPORT」がリリースされ、このモデルのみトヨタでも販売されることとなった。ちなみにダイハツ版とトヨタ版で装備に差はなく、エンブレムもメーカーのものではなく車名をあしらったものととなるため、外観も共通となる。ただ車両型式だけが異なっており、ダイハツ版が“L400K”、トヨタ版が“L400A“となった。

そして、初代発売から20年を迎えた2022年6月19日に、コペン生誕20周年を記念する特別仕様車を発表。
1000台限定での販売となったが、6月24日にはすべての受注枠が埋まるという驚異のスピードで、コペンの人気が衰えていないことを感じさせてくれた。

このように改良や特別仕様車のリリースなどを繰り返しながら歴史を紡いできたダイハツ コペン。
メーカーサイドからも「これからも作り続ける」という心強いアナウンスがあったほどなので、今後の進化も期待したいところだ。