この記事をまとめると
■タントの派生車種「ファンクロス」の特徴を解説■両側スライドドアなどタント本来の良さを活かしている
■専用装備を多く備えており、アウトドアユーザーにはオススメのモデルだ
タントの良さを最大限活かした派生車種が登場
2022年10月3日にダイハツ・タントのマイナーチェンジとともに登場したタントの新グレードがタント ファンクロス。このジャンルではすでにスズキがスペーシア ギアを発売しているし、この空前のアウトドア、車中泊ブームの中、出てきて当然と言える時代のニーズに合致した新型車と言っていい。
とはいえ、ダイハツにはウェイクなきあとも、タフトというSUVルックの軽自動車がある。

そんなタント ファンクロスは、クロスオーバー感の強いワイルドな顔つきやサイドガーニッシュなどが際立つアクティブ感あるエクステリアデザインばかりに注目が集まっているが、じつは、中身はタントのまま……ではない。たしかに最低地上高がFFで150mm、4WDで165mm、FFと4WD、NAとターボエンジンを揃えるあたりやパッケージングそのものは標準型タントと変わりはないものの、アウトドア、車中泊に対応するファンクロスならではの装備、機能を満載しているのである。

まずは後席シートバック背面に防水加工が施されている点だ。なんで背面かと言えば、後席を倒し、荷室を拡大した時の拡大フロア全面が、汚れや水気に強いフロアになるということ。上下2段調節式デッキボードとの組み合わせで、多機能な荷室、室内空間のアレンジが可能になるのである。

ちなみに、タントの前後席はもともと、子供が飲み物などをこぼしても安心な撥水シートを採用しているから、これであらゆる部分、アレンジでも、汚れや水気に強い室内空間になりうるというわけだ。そのシート表皮もタント ファンクロスはタントにないカモフラ柄となる。

アウトドアユーザー向け車両だからこその装備が目白押し!
スーパーハイト系軽自動車のタント ファンクロスだから、後席を格納した時の荷室の容量、広さは文句ないのだが、それでも3-4人乗車でのアウトドアシーンでは、純粋な荷室だけだと荷物が積み切れない可能性がある。あるいは、ソロ、カップルでの車中泊では、それなりに荷物が増える。そんなシーンを想定し、タント ファンクロスではタントではオプションとなるルーフレールを標準装備。ルーフボックスなどとの組み合わせで、荷物の積載性をグーンと高めているのだ。

クロスオーバーモデルの使い勝手では、やはり荷室の荷物の積載性がポイント。荷室の開口部地上高は580mmとごく低く、フロア奥行き260~460mm(後席シートスライド位置による)、フロア幅875mm、天井高1040mm~、後席格納フロア奥行き1030~1200mm(後席シートスライド位置による)と広大。そんな荷室の使い勝手をファンクロスとしてさらに高めるため、荷室の天井とデッキサイド部分に、タントにはないルームランプを追加。もともとある室内の照明と合わせ、夜でも室内、荷室部分を明るく照らしてくれるのである。

アウトドア、車中泊の夜には、ランタンなどを使って車内に明かりを灯すことになる。そんな場面でも、ファンクロスは威力を発揮。後席部分にタントにないUSBソケットを用意し、LEDランタンの充電が可能。もちろん、荷室から後席部分をフラットアレンジし、そこに横になった状態で、アウトドアシーンで重要な情報ツールとなる(天候の変化など)スマホを充電することもできるのだ。

さらに、室内全周を覆ってくれる、ジャストサイズのサンシェードやカーメイト製のカータープなども純正アクセサリーとして用意されているから、フロントマスクやルーフレールなどの外観だけじゃない装備、機能満載の仕立てによって、アウトドアや車中泊を存分に楽しめるのが、タント ファンクロスということになる。スライドドアによる乗降性(荷物の積載性)の良さ室内高の高さがもたらす室内空間のゆとりといった、スーパーハイト系軽自動車ならではのメリットを生かしたクロスオーバーモデルの選択肢がスペーシアギアとともに増えたことは、この時代、うれしい限りではないか!! 汚れや水気に強いシート表皮、室内フロアを持つため、愛犬を乗せるのにもうってつけの1台になりうるだろう。
