犯罪被害者等支援は半世紀をかけて法整備が進んだ一方で、現場は深刻な資金・人材不足に直面している。
本記事では被害者支援を担う「全国被害者支援ネットワーク」や「被害者支援都民センター」(いずれも公益社団法人)、そして実際に最前線で働く相談員たちに話を聞いた。(ライター:岩田いく実)
きっかけは三菱重工ビル爆破事件
日本の犯罪被害者支援の原点は、1974年8月に発生した「三菱重工ビル爆破事件」(※)にまでさかのぼる。※東アジア反日武装戦線が東京・丸の内の三菱重工業本社ビル前で時限爆弾を爆発させ、死者8人・重軽傷者380人以上を出した事件
白昼のオフィス街で起きたこの無差別爆破事件をきっかけに、何の落ち度もない被害者が経済的・精神的な窮地に立たされる実態が社会問題化し、「被害者給付制度」の必要性が議論されるようになった。
その後、1980年に「犯罪被害者等給付金支給法」が成立。そして1992年の「犯罪被害者相談室(東京)」設立から、1998年の「全国被害者支援ネットワーク」結成、そして各種保護法の整備(※)へと至る流れによって、国内における犯罪被害者支援の確立が目指されてきた。
※2000年公布の犯罪被害者保護二法、2004年公布の犯罪被害者基本法など
相談の6割が「性犯罪被害」という現実
では、被害者支援の現場にはどのような相談が寄せられているのか。2024年度の最新データ(※)によると、年間の犯罪被害にかかわる相談4万6284件のうち、最も大きな割合を占めるのは、交通事故や殺人、強盗ではなく「性犯罪被害」である。その数は2万7900件にのぼり、全体の60.2%を占める。
※「全国被害者支援ネットワーク」によるまとめ
性被害は、被害者本人が被害を申告することが難しいため支援につながらない場合が多く、「潜在化しやすい被害者」と言われる。6割という数字すらも、氷山の一角の可能性がある。
全国の支援センターでは、被害者から寄せられる相談を受けてから、支援の提供を無料で開始する。SNSやチャット相談が普及する現代だが、全国被害者支援ネットワークによると、SNS相談などインターネットを用いた相談システムの構築には至っていない支援センターがほとんどで、相談の多くは電話から始まる。
センター側は「文字のやりとりだけでは、被害者の切迫した状況や主訴(最も訴えたいこと)を的確に把握することが難しい場合がある」と、電話相談のメリットも指摘している。
被害者からの相談を受けた後には、センター側は必要に応じて被害者らと直接会い、刑事手続きにおける付き添い支援や心理的支援、生活をサポートする「直接的支援」も行っている。
2024年度に実施された直接的支援は7580件。その具体的な内容は、以下のように多岐にわたっている。
直接的支援の内訳(全国被害者支援ネットワーク・2024年度調査研究から)
これらの直接的支援はすべて、「決定権はあくまで被害者にある」という原則のもと、本人の同意を得て、すべて無料で提供されている。
浮かび上がる「リソース」の限界
半世紀をかけて法整備が進んだ犯罪被害者支援。一方で、現場は深刻なリソース不足に直面している。相談や直接的支援はすべて無料で提供するため、資金は慢性的に不足している。国や自治体による業務委託料や補助金も投入されているが、十分な資金力と言えるものではない。
さらに、被害者支援に欠かせない弁護士や心理職についても、知識を適切に有し、経験を重ねている専門職ばかりではない。特に弁護士や心理職の数そのものが少ない地方では都市部よりも人材を確保しにくく、特定の人材が奮闘を強いられ負担が偏っている実態もある。
被害者の相談に応じる支援員や専門職には高い専門性が求められるが、給与水準が低く、若い世代が職業として従事しにくい現状もあるのだ。現場の熱意に頼っている側面も否めない。
「公的資格」がなく立場が弱い…支援を行う相談員たちの悩み
犯罪被害者への支援は、単なる「相談を聞く」行為ではない。刑事手続きに同行し、検察官や弁護士とやりとりを行い、被害者が刑事手続という経験を「回復の一歩」にできるよう寄り添う、高度な知識と経験が必要な仕事だ。そこで、東京都内で犯罪被害者の支援を行っている相談員のAさんに、現場の実態を伺った。
「東京都では、公安委員会から『犯罪被害相談員』という名称を得て活動していきますが、専門資格ではありません。ボランティアのような立場では検察や弁護士、裁判所に対して被害者への正当な配慮を求めることは難しいのです」(Aさん)
被害者支援の現場では深刻な問題がある。相談員には、現時点で国家資格などの公的な位置づけがないのだ。
地方と比較すると資金がある東京都でも、社会福祉士や公認心理師といった有資格者を相談員として多く雇用することは難しいのが現状だ。
また、都内の被害者支援センターでは全スタッフが正式に雇用されているが、全国的に見ると、支援員の雇用をボランティアに依存している道府県も少なくない。
「支援内容は、客観的に見ても大変高度です。刑事手続きの知識が必要ですし、検察官や弁護士と専門用語を交えながら話し合うこともある。相談内容もケースバイケースなので、支援の経験を重ねる必要もあります。被害者への心理的なケアだけでなく、法曹関係者とも丁寧につながっていくスキルも必要です」(Aさん)
スタッフの確保が難しい背景には、仕事の過酷さもある。被害者から直接、凄惨な被害の詳細を聞くケースも少なくないが、支援者自身へのメンタルヘルスケアは十分に整備されていない。
「どのセンターも資金はギリギリの状態です。東京都では日本財団の助成金や自動販売機の売り上げの一部を寄付していただいたりと、他の地方よりは恵まれているのかもしれません(※)。しかし、相談件数は増加しているため、もっと迅速に対応するには資金も人材も必要です。
※「社会貢献型自動販売機」(寄付型/募金型自動販売機)の売り上げを被害者支援センターに寄付する取り組みは、神奈川県や埼玉県、愛知県や兵庫県などでも行われている。
そのため、何とか知恵を絞り、いろんな形で資金を獲得して、被害者支援の資金不足を補おうとしているのが実情です」(Aさん)

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