中途採用担当者が、dodaの営業担当者に素朴な疑問を投げかけるQ&Aコーナー「教えて! dodaさん」。今回の質問は、「カジュアル面談のメリット・デメリットと運用上のコツ」について、カジュアル面談の導入を検討している人事担当者からご質問をいただきました。

パーソルキャリアのキャリアアドバイザーとして営業職、企画職、マーケティング職の方を幅広く支援する田村 春仁さんが回答します。

(今回の質問)
カジュアル面談導入のメリット・デメリットと運用上のコツを教えてください。

(田村さんの回答)
カジュアル面談導入は、まだ自社に興味を持っていない転職希望者をつなぎ、直接自社の魅力を訴求する機会を生み出せます。

メリットは「応募前の心理ハードルを下げて母集団を広げる」「入社後のミスマッチを減らす」こと。一方で、デメリットとして目的があいまいなまま面談を始めると「面談後の選考に進まず実りがない」「現場工数だけが増えてしまう」リスクもあります。

そのため、目的(母集団形成、意向醸成など)を事前に定義し、転職希望者へ選考との違いを事前に説明し、面談者のレベルをそろえることが実務上の肝となります。

また、面談後の申し送りを仕組み化し、一次面接官につなぐ事で、「話して終わり」にしない事が重要。導入して終わりではなく、目的を明確化して「カジュアル面談~オファーレター提示」まで一貫した設計ができているか否かで明暗が分かれます。

カジュアル面談の主なメリット

カジュアル面談には「3つのメリット」があります。

第一に、応募ハードルを下げ、潜在層(他社選考前やハイクラス層)を先に囲い込めること。選考の前に関係をつくることで入社条件などの後出し合戦を回避できます。

第二に、相互理解の深化で入社後のミスマッチを抑制できること。選考ではない場づくりをすることで本音を引き出しやすく、魅力だけでなくリアルな課題も伝えやすくなります。

実際に配属・裁量・スピード感のギャップはどの規模でも起きやすく、課題も含めたリアルな情報がその後の辞退を減少させます。

第三に、直接言葉の温度が伝わる形で、自社の魅力を訴求すること。応募時のカジュアル面談では、選考前に志望度を高められます。選考中の現場面談ではオファー受諾率が上がる事例もあり、面談を通じて言葉の温度感が直接伝わる形で自社の魅力を訴求する事が重要です。改善幅は職種次第ですが、鍵は「誰が」「いつ」「何を話すか」の設計です。

参考記事:カジュアル面談とは?面接との違いや事前準備と進め方、注意点を解説

カジュアル面談のデメリット・失敗しがちなパターン

一方で、デメリットにも注意が必要です。

1つ目は目的があいまいな運用により、評価観点や次ステップが不明瞭になり、面談後のフェードアウトが積み上がること。面談の件数は増えても採用決定数が伸びず、工数だけ増える事態が発生します。

2つ目は面談への期待値のギャップ。転職希望者がカジュアルな面談と捉えて参加すると、担当者が開口一番「志望動機はなんですか?」と聞いてしまったという話はよく耳にします。このズレが不信を生み、口コミで否定的なコメントにつながる事もあります。

3つ目は面談者の力量の偏り。やはり対話の質で印象と応募意向が大きく変動します。

特定担当者経由の通過率・承諾率が高く個人差が発生する事も多いです。面談者へどのような面談をしてほしいのかを明確にして面談設計を行い、採用成功から逆算した導線設計が必要になります。

「カジュアル面談」失敗する企業、成功する企業は何が違う?メリット・デメリットと運用上のコツ【教えて! dodaさん】
カジュアル面談にはデメリットもある

カジュアル面談にはデメリットもある

運用のコツ①:目的と選考との違いを明文化

まず自社は何のためにカジュアル面談を導入するのかを明確化し、「誰に(転職希望者)」「いつ(選考フェーズ)」「どの型で(評価の有無)」を固定します。

類型は①母集団形成(潜在層・市場けん制)、②選考補完(評価の補助・相互理解)、③クロージング(意思決定支援)の3類型で社内合意を取ります。その上で転職希望者には事前に、①選考プロセスか純粋な情報交換か、②評価の有無と扱い(合否・参考情報等)、③所要時間と主なテーマを明示します。実態が一次面接に近い場合は、その旨を率直に共有した方が信頼構築に有利です。

透明性の高い期待値設定は、参加率・満足度の向上だけでなく、後続フローの円滑化にも寄与します。案内テンプレートを整備し、募集要項・面談誘致文・採用管理システムのステータス設計をそろえることで、ブレを最小化できます。

運用のコツ②:型・ナレッジをそろえ、現場のリアルが伝わる面談を設計

質のばらつきを抑えるには台本ではなく基本フローの型を共通化します。例えば、①アイスブレイク、②キャリア志向の深掘り、③会社・事業・組織・ポジション説明(魅力と課題の両面)、④質問・懸念の洗い出し、⑤今後のステップと期待値のすり合わせ、といったような形です。

転職希望者は「事業の将来性」と同等かそれ以上に「直属の上長などはたらく環境」「評価・フィードバックスタイル」への関心が強い傾向があるため、現場の具体エピソードを複数用意すると志望度が高まりやすいでしょう。面談後は関心・不安・響いていたキーワードを簡易ログ化し採用管理システムで共有。加えて、タレントプールと再アプローチ方針を事前設定。

半年~1年後の再接点で採用に至る事例もあり、中長期ROIの観点で運用を評価・改善できると効果的です。

参考記事:カジュアル面談で聞くべき質問例8種類!目的や進め方も解説

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