「関東にバレてない」金属バットが明かす“本当にオモロい漫才師”…上方漫才大賞奨励賞からTHE SECONDへ
「関東にバレてない」金属バットが明かす“本当にオモロい漫才師”…上方漫才大賞奨励賞からTHE SECONDへ

上方漫才大賞2026で「奨励賞」を受賞した金属バット。関西では高い評価を受けながらも、関東ではまだ知られざる実力派芸人たちについて語る。

さらに、4年連続で出場を続ける「THE SECOND~漫才トーナメント~」への思いとは。

関東には伝わらない? 上方漫才大賞の価値

—上方漫才大賞「奨励賞」おめでとうございます!

友保 ありがとうございます。今年からTVerで見れるようになったそうで。今年からなんか夜の放送になって、今まで土日の昼やったんですけど。

小林 ゴールデンなったって。

友保 平日ですけどね。なんでか知らんけど。

—関東に住んでいる方には上方漫才大賞はあんまり馴染みがないかもしれません。

友保 情報が岐阜羽島ぐらいで止まるんですよね。あそこまでは来るんですけど、そこから先行かないんですよ。三河安城で2人知ってるぐらいですね。

—名古屋を越えてこない(笑)。なので上方漫才大賞はこんなすごいんだぞっていうのを、お二人に語っていただけたら。

何より昨年のM-1王者であるたくろうさんに勝っての受賞ですし。

友保 いやねえ、ラッキーでしたね。出順もあったし。

—上方漫才大賞の「奨励賞」というのはどういう位置付けなんですか?

友保 実はね、僕らもあんまりね……。

小林 あんまり見たことないんですよ(笑)。

友保 いや、知ってるんですよ。で、すごいもんちゅうのもわかるんですけど、実はあんまりね、見れないんですよね。フリーターとかやってたから。誰か取らはったってのを聞いて、すごいなって言うんですけど、実はそんなガッツリ見てない。

小林 まあ見てることはあるんでしょうけど、あんまり一致してないというか。

—推薦された芸人さんが出場される。

友保 そうなんですよ。

上方漫才協会が推薦してくれてはるんですけど。なんやったん、今まで。全然見てくれへんやんと(笑)。急に呼ばれて推薦ってね。

—どなたが推薦されるんですか?

友保 いや、俺が聞いた話では、でっかい黒い板が何個か並んでて、「SOUND ONLY」って書いてるところで選んでましたと。

小林 特務機関ネルフ(NERV)やな。

友保 まだ誰が選んでるかわからない。

小林 これ、でもほんまにわからないんですよ。

友保 「SOUND ONLYでんがな」って書いてある、そう聞きましたけど。

—金属バットさんにとって人生初のタイトルですか?

友保 友保家の次男坊に生まれたこと。これがまず一つ目のタイトルですよね。

小林 でも取ってますね。

『SAKAI NO OWARAI』っていうイベントのを。しかも連覇してますね。2016年の初年度から。

—『SEKAI NO OWARI』みたいな……。ちなみに今もその賞レースはやってるんですか?

小林  いや、わかんない。やってなさそやな(笑)。

友保 それこそヤングがMCやってて。たしか賞金1万円ぐらいもらえて。優勝して5000円ずつ分けてんな確か。俺その5000円でケータイ代払ったんやけど、首の皮1枚。

小林 3年目にはもう出たらあかんってなってエキシビジョンみたいな感じでネタしてたんですよね。で、松竹の漫才トリオ・風穴あけるズが優勝して1万円を3等分するってすごい悩んでた。

楽屋で起きていた“もう一つの戦い”

—金属バット、風穴あけるズ……そうそうたる方たちが受賞されてる。

友保 そうそうたりてないですけど。

小林 うちにその時にもらった盾あるよ。上漫の奨励賞の横に飾られてます。

友保 俺その盾見たことないよ。

小林 お前すぐいらんって言ってた。

—……ではそれから10年経っての奨励賞ということですね。

友保 わし当日もうバカくそ風邪ひいてたんですよ、あの日。めちゃくちゃ風邪ひいてて。勝ってすぐ家帰ってゼリー食って寝ました(笑)。

—周りの人の反応とか変わったりするんですか?

友保 ほんまにね、おもろいぐらい関西の芸人しかおめでとうって言ってくれない(笑)。いまいちニュアンスがね、伝わらない。

小林 社員さんはめっちゃ言ってくれますね。

おめでとうございますと。

友保 この、なかなかの権威ある賞ということが関東の人には伝わらない。とりあえずね、獲ってりゃ安泰ですから。

—ちなみに前年は誰が取ってるんですか?

友保 えっとね、ヘンダーソンです。その前が見取り図で、その前が吉田たち

小林 同期ばっか。

—そう考えたらエモいですね。

友保 チョロいかもしれないですね。エモいじゃなくて。この期に対して異常に甘い。

—でもその流れでの『THE SECOND~漫才トーナメント~2026』優勝…みたいなのもありそうじゃないですか。

友保 どうなんですかね。

いやほんまでもびっくりしたんが、上方漫才大賞の時の楽屋の弁当が今までで一番まずかったんですよ。

小林 まずかった。

友保 米がね。古米とかじゃない、紀元前みたいな米。品種改良してへんみたいな米が出てきて。

—美味しいお弁当が出そうなイメージですが……。

友保 ツートライブと楽屋一緒やって、「美味しくないな」みたいな話して。あれは気ぃ使ってくれたんでしょうね。

—どういうことですか。

友保 漫才する前に美味いもん食ったら気緩むから引き締めるために。お前ら、こっから戦いあるぞって。そうとしか考えられへん。

極秘のはずが…師匠のフライング発信

—上方漫才大賞「大賞」はザ・ぼんち師匠でした。

友保 あれ見ました? まさと師匠のあのクソ匂わせツイート。

小林 あれはだいぶひどかった(笑)。

―何があったんですか?

友保 あらかじめ受賞の連絡あるんですけど、「大賞」を受賞するって絶対に言っちゃダメなんですよ、その当日まで。ほんまにハイパー・トップ・シークレットやから。核爆弾のスイッチの暗証番号と一緒で絶対言っちゃダメなんですよ。

小林 ほんまに知らんですからね。

友保 みんな聞かれてもはぐらかすんですよ。「誰なんやろな」みたいな。そんなお寒いこと全員やんのに、ましゃ(まさと師匠)は我慢できんくて、決勝本番の1時間半前に「漫才やって来ます」っていうバカつぶやきしよってほんまに(笑)。
みんなわかるんですよ。師匠がこんな夕方に(劇場で)出番があるわけないっていうのが。ってことは、あれ今日、上漫! 「あああああ!」っていう。

—なるほど!

友保 それつぶやいた時に、すぐ楽屋でツートライブに言うたんですよ。ましゃがすごいことやってると。でも、その時は「いいね」が4ぐらいしかなかった。誰も気づいてない。

—ちょっと我慢できなかったんでしょうね……。

友保 ましゃ、ギャルなんですよ。ギャルでもあかんやろうが。とりあえず、ましゃがはしゃいでたんで。で、出番終わって、会見みたいなのがあるんですけど、なんかぼんち師匠が見たことない箱持ってて。いろんな記者に記念のぼんち師匠グッズ配り出して。たぶんね、大賞もう決まった瞬間にすぐ工場に電話して発注かけてたんでしょうね。浮かれ倒してる。

—かわいい。それぐらいうれしいってことですよね。

友保 その次の日かな、おさむ師匠から電話あって「ちょっと飯行かんか」言われて。ちょうどわし風邪ひいてて行けんかった。申し訳ない。

—大好きなんですね、お二人のことが。

友保 いやこっちもです。なに言わせんだよ。

—そんな名誉ある賞を受賞してのTHE SECONDのグランプリファイナルが5月16日に開催されます。昨年は本戦出場までの道のりが結構険しかったということをお話されていましたが、今年はどうでしたか。

友保 エル・カブキさんとの一戦はあぶなかった。

—初年度からずっと本戦出場され続けてるコンビは金属バットさんだけですよね。

小林 唯一無二。

友保 生きるレジェンド。レガシー。

—プレッシャーとかありますか?

小林 プレッシャーを跳ね除けてやってますよ。

友保 その小林が跳ね除けたプレッシャー、俺が担いでますよ。

小林 ということは僕はノープレッシャーなんですよ。

「関東にバレてない」実力者たち

—今年の予選(ノックアウトステージ32→16)で対戦したスーパーマラドーナの武智さんから何か言われたことはありましたか。

小林 特にないですけど、終わってから武智さんの目に火がついた気がします。

友保 遅いな。

小林 たぶん今年は間に合わんかったやと思う。

友保 まあね、今酒を抜く時期やから、武智さん。

小林 だから来年すごそうです。

—武智さんお酒を抜かれてるんですか?

友保 今ね、ほんまにちゃんと体イわしてるんで。ドクターストップがかかったって。まあ酒抜いてる人間なんか雑魚ですからね。酒も飲まんと何をするんですか。

—そしてノックアウトステージ16→8の対戦相手がラフ次元さん。よく知ってる先輩方と対戦するって、やりやすいのか、それともやりにくいのか。

友保 近いところばっかなんですよね。なんか盛り上がんないですね。うわあ、どうなんやろうっていうのがない。親戚と喧嘩してるみたいな。(事務所も違う)母心さんとかリニアさんとかね、遠いからもっとボロカス言うたんですけど、ちょっと近すぎるとね。悪口言うてもやっぱ何回か言うてるアリネタの悪口なんですよね。だからたぶん後ろ取った方が勝ちですね、あれは。知ってるから。

—世間では「今年の優勝は金属バット」という声が多いですが…。

小林 それ去年も言われてたような…。

友保 一番痛いファンやで(笑)。今年はね、トットさんもいますから。シャンプー(ハット)さんもいる。シャンプーさんなんかめっちゃおもろいですけど、あれ、実は関東にバレてないですよ。俺ら関西はもうみんな知ってるじゃないですか。

—30年前の『オールザッツ漫才’96』優勝コンビ。

友保 関西のテレビでもずっと1日出てはるし、でも関東の人はあんまり知らんで、あのやり口めっちゃおもろいと思います。

—初戦でヤングさんに当たるというのも、運命的な何かを感じます。

友保 ヤングは嫌でしたね(笑)。ただね、ヤンテラ(ヤング寺田)……やってるんですよね。スカジャン着てるじゃないですか。あのスカジャン、実はリブがない。ノーリブスカジャンっていう。ちょっとちっちゃく今ね、燃やしてるんですよ。ノーリーブスカジャン勢。主にポピー藤原と虹の黄昏・野沢さんだけが燃やそうとしてる。

小林 この連載でしか出てこない芸人の名前やな(笑)。

取材・文/西澤千央

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