第104回全国高校サッカー選手権で、鹿島学園高校(茨城)を同校史上初の準優勝に導いた“タイ人守護神”プムラピー・スリブンヤコ。193cmの長身を誇るゴールキーパーが今、母国タイのU-19代表に名を連ね、インドネシアで開催中のASEAN U-19選手権2026の舞台に立っている。

タイ代表の公式インスタグラム(@changsuek)には、彼がチームメートとともに汗を流すトレーニング風景が公開され、母国ファンの熱い視線を集めている。

6万人の国立を沸かせた“大ブレイク”

プムラピーの名が全国に知れ渡ったのは、今年1月の選手権だった。2年生ながら背番号1を背負った長身GKは、準決勝の流通経済大学付属柏高校戦で13本ものシュートを浴びながら無失点で抑え込み、チームを1-0の勝利へと導いた。

迎えた決勝の神村学園戦は0-3で敗れたものの、PKストップを含む再三の好セーブでその名を強く印象づけた。プレーぶりは大会優秀選手に選出されるほどの輝きで、6万142人という選手権史上最多の観客が詰めかけた国立競技場を沸かせた。

U-19タイ代表へ——母国が下した評価

タイの名門ムアントン・ユナイテッドの下部組織出身のプムラピーは、「新しいサッカー人生をつくりたい」との思いから2024年に単身来日。すでにU-17タイ代表としてAFC U-17アジアカップを経験していたが、日本での大ブレイクが母国での評価をさらに押し上げた。

タイサッカー協会は5月、ASEAN U-19選手権に向けた30人の候補メンバーに彼を招集。5月27日には最終登録の23人にも正式に選出され、GKリストの筆頭に名前が並んだ。選手権決勝が母国タイでも放映され、現地メディアが大きく報じたことも、招集を後押しする形となった。

公式インスタが映すトレーニング風景

代表合宿はサムットプラカンのダイナミック・フットボール・キャンプで行われ、チームは5月29日にインドネシア・北スマトラへと出発した。タイ代表の公式アカウントは合宿期間中から連日、練習の様子を発信。

GK陣のセービングドリルやクロス対応練習では、日本仕込みの技術の高さと、長身を生かしたハイボール処理にプムラピーの成長がうかがえる。日本の高校サッカーで磨いた経験が、母国代表のトレーニングでどう発揮されるのか。ファンの関心は高い。

ASEAN選手権、好スタート

U-19タイ代表はグループBに入り、マレーシア、シンガポール、ブルネイと同居。初戦となった6月2日のブルネイ戦を9-0で圧倒し、無失点で大会のスタートを切った。続く第2戦は6月5日のシンガポール戦、第3戦は6月8日のマレーシア戦が予定されている。

この大会は、2026年8月31日から9月6日にかけて行われるU-20アジアカップ2027予選に向けた重要な準備の場でもある。プムラピーにとっては、代表での存在感を高める絶好の機会となる。

目指すは、Jリーグ

2020年にテレビで見た国立競技場のプレーに憧れ、日本の高校サッカーの門を叩いたプムラピー。掲げる夢は「Jリーグでプレーすること」だ。

タイ人留学生として日本の舞台で中心選手にまで上り詰めた17歳は、いま母国代表という新たなステージへと足を踏み入れた。U-19タイ代表での経験を糧に、Jリーグ、そしてフル代表へ。

その挑戦は、まだ始まったばかりだ。

文:SPORTS BULL(スポーツブル)編集部

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