微糖、低糖、甘さひかえめ……その違いは?
同じ「低糖」でもメーカーによって甘さはいろいろ。
アイスコーヒーが美味しい季節になった。

人気のボトルタイプ、「無糖」はスッキリしていて美味しいが、アイスコーヒーの場合、「ちょっぴり甘め」を飲みたくなることもある。

となると、糖分やカロリーがちょっと気になってしまうけど、「微糖」、「低糖」、「甘さひかえめ」って、どう違うのだろう?

ブレンディ(Blendy)シリーズでおなじみの「AGF」に聞いた。
「ブレンディの場合、『オリジナル(通常)』、『低糖』、『微糖』、『カロリーハーフ』、『無糖』に分かれているんですが、糖分に関しては、高い順から、オリジナル、次が低糖とカロリーハーフ、微糖、無糖になるんですよ」(広報担当者)

「微糖」のほうが「低糖」よりさらに糖分が少ないというのは予想通りだが、実際にはどれくらい違うもの?
「無糖は、ほとんど甘さを感じられない『100ミリリットル中の糖分が0.5グラム以下のもの』と決められているんですが、『低糖』、『微糖』に関しては、実は、糖度が〇%までが低糖といったきまりはなく、メーカーによって異なるんですよ」
え!? 決まってないの!?
「そうなんです。いろんなメーカーの『微糖』を集めると、甘さが違うと思いますよ」
ということは、「A社の『微糖』が、B社の『低糖』より甘い」なんてことも、ありうるわけだ。

じゃ、「甘さひかえめ」はどのあたりの甘さになるのか。
「カロリーハーフ」をうたう場合は、何に比較してのものかを記載する必要があるんですが、『甘さひかえめ』の場合、そういったきまりごとが、まったくないんですよ」
じゃ、なにが「ひかえめ」なんですか!?
「たとえば『オリジナル』を出しているメーカーの場合は、オリジナルに対して『少し甘さをひかえめにしている』ということですが、どこのメーカーでも必ずしもオリジナルを出しているわけではないので、その場合、キャッチとして、単にイメージ的に使っているだけの場合もあると思います」
つまり、メーカーによっては、姿勢とか心意気として「ひかえめ」をうたっていることもあるわけだ。染之助・染太郎の「いつもより多めにまわしております」的なもんか。


ちなみに、ブレンディの場合は、それぞれの段階で糖度が定められており、100ミリリットル中の糖分は、オリジナルが5.8グラム、低糖は4.3グラム、微糖は2.9グラムだそうだ。じゃ、カロリーはどうなんですか?
「糖分とカロリーとはまた別の話で、たとえば、『カロリーハーフ』と『低糖』は、甘さは変わりませんが、『カロリーハーフ』のほうが人工甘味料を使用し、カロリーをおさえているんですよ」

微々たる糖分の差、カロリー差に一喜一憂する私に、広報担当者はさらにこう教えてくれた。
「ちなみに、いちばん売れているのは無糖タイプです」
ガーン! でも、これだけ甘さの表示が細分化してるってことは、自分のように「微々たる違い」を気にする人は多いはずだ。

なんとなくの表示に気持ちよくだまされておくべきか、きちんと数値をチェックするかは、迷うところである。
(田幸和歌子)

※6月5日にアップした上記文章で、一部修正(無糖→微糖)させていただきました(編集部より)